王太子様との攻防戦
あのね!エメね。
おべんきょーしなくてもしってることがいっぱいあってみんな!みんなだよ?みんながエメをねすごいって!てんさいだってほめるんだよ!?すごいでしょ?
エメラダの日記より
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さてさて茶番はさておき私には、“前世”の記憶があります。
はい。正直言いますとエメラダさんはタカビーお嬢様です。
正確に言うとタカビーお嬢様になる予定です。
ある日遊びに来た王太子様が誤ってエメラダさんに怪我をさせてしまいお顔に傷を付けてしまいました。
陛下は彼女と結婚する事で償いなさいと仰り晴れてエメラダさんは王太子の婚約者となりましたとさ。
って事で将来の王妃様、何をしても許される高慢お嬢様になりはて、王太子様に捨てられます。捨てられると、自殺ストーリーへと真っ逆さまなので、
フラグをポキンと折っちゃうためにも王太子様に会っても怪我しない!
もししても王太子様のせいにしないをモットーに暫く生きて来たいと思っております
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っと決心してから約半日なぜだか、エメラダ一家は王宮でお茶会に招かれてます。
此処は面倒なので
「おにわキレーですね。エメ……たんけんしてきたいです!」
無邪気な子供を装い脱出を図っております。
「なら……私の息子と遊んだらどうかしら?エメラダ嬢もこんな大人だらけのお茶会より、同世代の子供と遊ぶ方が楽しいだろうし、息子も暇を持て余してるもの」
いや!結構です!迷惑です!迷子にはなりません。何故なら前世で嫌という程友達に見せられたの王宮なのでマップは頭に入ってます。
「エメひとりでもまいごならないよ!だいじょーぶ!まいごなってもほうきでぴゅん!ってもどってこれるもん 」
「パル!パル!同い年のお嬢さんが相
手をしてくれるんですって!挨拶なさい。」
えぇ……結構ったじゃん!
どうやら王族は話を聞かない一族らしい。
物語でも斜め上の解釈と話の聞かなさに何度ウザイと思った事か…
「あぃ!オーパル・レヴィウサ・オブ・ エルドラドでしゅ!よろしくね!エメちゃん!」
可愛いけどさ!可愛いけどさ!
あぃ!とか、あぃ!とか可愛いけどさ!ショタコンではないから効かぬぞ!
「エメラダ・フォン・レゴリアです。よろしくおねがいします。」
オネガイシタクナイケドナ。
「はーい。きちんと挨拶できましたね。偉いわ。遊んでらっしゃい。」
へーい。嫌だけど遊んでやるよ。
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「おい。エメラダ何が出来る?
チェスは?」
「偉そう……チェスは出来るわ。弱いけど。外で遊びたいわ。木登りや、釣りがしたい。」
あらあら……親が居なくなった途端偉そうね。
「木登りや釣り?猿や平民がやる事だろ。馬鹿か?」
あら!平民の気持ちを知ってこその貴族だわ!そんなんじゃ建国以来の暴君になってしまうわね。
「貴族以外の遊びや文化を知ってこその貴族だわ。貴族は民に支えられて生きているの。民を知らずにどうやって民を導くのかしら?こんなのが王太子様だなんて将来が不安だわ。」
それに、王太子様にチェスに勝っちゃって怒った王太子様にチェス盤で殴られるのよね。今の私はそこまでチェス強くないけどもしもの不安要素は避けておきたい。
「それでも貴族か?平民は貴族の下につく者それ以外の何もなのでもない。」
「あら!民有ってこその貴族だわ!感謝が足りないのよ。この生活が当たり前なんて思っちゃやーよ?革命でも起きたらどうするの?一気にお家転落だわ!少しでも不安要素は摘み取っておくのが我々貴族の仕事だわ。その為にはきちんと民の声を聴かないとね!」
ちょっと大袈裟だけど……王太子様の代で革命が起きてヒロインちゃん悲しむなんてやだわ。
ヒロインちゃん有ってこその物語だもの。
「ふーん。たまには……そう言う事してやっても良いぞ……お前面白いな。」
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「あはは〜もしかして王太子様って木登り出来ないんですか!?だから嫌がってたんですかwwwなら言ってくださいよ!釣りにしますから!」
「ふん!出来る!見てろよ!」
なーんて楽しんでたら空から王太子様が降ってらっしゃいました。
いくら前世の記憶持ちでそこそこ鍛えてても3歳女児。
男の子一人を抱きかかえられる訳が有りません。つまり王太子様を巻き込み転倒……頭を打っちゃいました(笑)
つまり……物語のシナリオ道理ですね(笑)
まぁ……婚約し無ければいいだけなので問題ないです。それに空から降ってくる様子は金のサラサラ輝く髪も相まって天使のよう……だなんて余計な事を考えてた私側にも非がありますし……
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「ラダ……メラダ……エメラダ!何時まで寝てる……」
「あぁ……王太子様でしたか。あの後気絶しちゃったんですか?嫌だわ……はしたないわね。お詫び申し上げますわ。それに……すぐに退きますわね」
なんと……目が覚めたら王太子様が目の前に。そして、膝枕されてます。あらまぁ……やだわ。てれちゃう。
「あぁ……それより、額に傷を付けてしまった……すまない。傷物にしてしまったからには俺が責任をとる……」
「けっこうです。それに……私には意中の殿方がおりますの。」
ほんとだよ!いくら3歳児でも心は大人だもん!
「ふーん。そうか。なら尚更お前が欲しい。」
「あらやだ!王太子様って他人の意中の殿方を娶りたいんですの?流石に人の意中の殿方とは世間体が有りますから……」
まぁ……男を孕ます薬がある事にはあるから、結婚出来ないなんてことはないけどね。
「とんでもない屈折の仕方だな。
それに男とは無理だ。世継ぎが産まれない。」
だからー生まれるってば!
「あら?男性を妊娠する事が出来る体にする薬有りますわよ?だから大丈夫ですわ。」
「あのな……お前……意中の男性を俺にすすめるのか?馬鹿か?」
あら?私の意中の殿方は嫌かしら……なら
「私のお兄様はいかが?美丈夫ですし、何より賢いですわ。それにお兄様は見た目女性にしか見えませんわ。」
ふふん!お兄様はハイスペックですの。エメラダに負けないくらい賢いですわ。
「だからいくら女性にしか見えなくても年上の増してや男とは無理だ。萎える。」
キャーうら若き乙女の前で萎えるとか不潔ですわ。
「キャーうら若き乙女の前で萎えるとか不潔ですわ。エッチ!ヘンタイ!スケベ!それに……私のお兄様なら2人おりますの。したの兄は同い年なので大丈夫ですわ。」
「はぁ?お前頭可笑しいな。
んで?お前の意中の殿方とやらは、お前の事どう思ってる。」
ふふん!何を隠そうパル兄様は変人なのだ!だから……いつもエメラダは可愛いね。お嫁にしたいぐらいだつって言ってくれてるもんね!
「ふふん!パル兄様は私の事を可愛がって下さってますわ。18になれば結婚しようって約束しましたの!」
「その……パル兄様とやらは、いくつだ?職はしっかりしてるのか?」
パル兄様は……多分普通の人。
「パル兄様は、2つ上の普通の人ですわ。」
「俺の方がいいぞ。俺にしとけ。
それに幸せにしてやる。」
はぁ?嫌です。
「はぁ?嫌です。馬鹿ですか?好きな人いるって時は潔く諦めるそれが恋ってものですわ。」
何を間違えても王太子様と婚約はしない。