表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

シュールナンセンス掌編集

無意識の肖像

作者: 藍上央理

「無意識の肖像」



 ノックノックノック返事がない。

 例えばウサギが亀に勝つことがあれば。

 眠れる瞳にキスを。

 残酷なヒューマニティ、怠惰なベジタリアン。

 たまらずに叫んだ言葉。

 心が病んでいるので、24時間営業は中止。

 逆さに歩けば、すべてが逆行していく。

 愛してると、あたしは言った?

 悲しければ、月夜でタンゴを踊ろう。

 デコイになったわたし、死んでしまった偶然。

 いつもいつも、抱き合っていられれば。

 静かな夜に打ち寄せる波、白馬が海を渡る。

 水色に沈下していく真実。

 重なり合う隣人のずうずうしさ。

 口の端から漏れる笑み、たとえあざけりであっても。

 本当は言い出せなかった悲しい気持ち。

 突然の衝撃、だれかに話したい。

 ゆらゆらと揺れる黒いしっぽ。

 情けない彼氏をもったわがままなわたし。

 捨ててしまったおもちゃ、今頃になって惜しい。

 集めたコレクション、今日燃やした。

 美しくなりたい、当分それは無理。

 電話があった。涙の出るあなたの言葉。

 いいかげんにしろ、ゆるやかな狂気。

 オーラルな考え方、けれどだれも賛成しない。

 つまはじきされてしまったことで泣いてるんじゃない。

 星々がチカチカと燃えている、君の髪がたなびく。

 甘えてくるのはベッドのうえだけ。

 見捨てられたのじゃなく、見捨てたのさ。

 鏡の中の自分。取り返しのつかない事件。

 昼寝をするのにハンモックがいる。

 ちっぽけな自分、隅に隠れてしまおう。

 何も許されていない。涙の分だけ。

 愛、愛、愛、叫んでも通じない。

 すさんでいるが、このままでいるほうがマシ。

 テディベア、君のお気に入り。

 心と気持ち、宇宙よりかけ離れた存在。

 許してほしい、穏やかに話せる時間が訪れる。

 断崖絶壁、本当に登って来たの?

 両手で自分を抱き締める。心に透き間を開けたまま。

 子供達が走り抜けていく。あれは自分の未来の姿。

 何もしない、そんな一日。

 例えば苦しみ、例えば喜び、すべて半分ずつ。

 両手にすくった水、きららかに流れていく。

 手紙を出した。返事が来ない。

 ストロベリーパイ、わざと甘くしておく。

 魂が浄化されていく、天使が迎えにくる。

 何も知らずにいるよりも知っていた方がいい。

 最高の真実。最低な事実。合理的な現実。

 逃げ惑ってばかりいる自分。

 成功を収めて、帰郷する。だれもいない故郷。

 鈍感な感動、鋭敏な神経、傷つくのは自分。

 何もかもあなた任せ、それですべてうまくいく。

 休日はドライブ。あなたの運転。助手席にはヌイグルミ。

 ハロー、宇宙からの通信です。無重力に圧倒されます。

 何も考えない、何も感じない、さなぎになる時期。

 無理な注文を受けいれて、マスターはそれでも笑う。

 休みなく働く、私の脳みそ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ