4月某日
南田会長は普段はお子ちゃまモード前回なんです。貫禄ありのシーンはいずれ出します。・・多分。
ある日。そろそろ高校生活に慣れてきた頃。
ピンポンパンポン
『理系科1年Sクラスの逢坂くんと蒲田くんは、
至急第2生徒会室までお越し下さい。繰り返します...』
「「!?」」
「ぼ、ぼぼ、僕たち何かしたのかな....」
「し、してないだろ。とにかく行こうぜ」
最近は優雅なひとときを過ごして、
なんのトラブルもなく1ヶ月を終えようとしていたのだが。
この感じ。
この胸騒ぎ。
懐かしすぎて気持ち悪い。
「りりりり、りんや、どどど、どうしよー・・」
「なんだよ、そんなに慌てるなって、お、俺もビビるだろが・・・」
蒲田は昔からあがり症で
こういう呼び出しがあるといつも俺の後ろへ隠れようとする。
まあ、別に指摘するつもりはないが。
通り過ぎる先輩に第2生徒会室への道を教えてもらい、
到着した先に待っていたもの。
それは・・・。
「・・・・・・南田会長。」
「ここって旧生徒会室だよね...?」
「ようこそ!部活希望者だねぇぇっ♪」
南田耀太、我が校の生徒会長である。
ぎゅーっと俺たちにハグしたあと、
キラキラした目でこちらを見てきた。
「あ、あの、会長さん、これは・・一体?」
「んふふ、君たちに来てもらったのは他でもない!」
『我がマリーゴールド探偵倶楽部に入っていただきたいのだよぉっ!!』
やけにテンション高くて若干引いた。
要件を手短に聞くと、
どうやら会長は
<悩み相談室を兼ねた探偵倶楽部を開くこと>が夢であったらしく、
地道な努力によってようやく部活として成り立った・・・
「顧問は君たちの担任にやってもらってるのだがね、
いかんせん人が足りなくて。」
いや・・あらかさまに面倒だからでしょ。。
「ちなみに、体験入部は1週間だから、じっくり堪能するといいよ!(ニヒヒ」
「南田会長、つかぬ事をお伺いしますが、・・今の人数は?」
「っ・・・僕入れて1人」
ぶわっと目に涙を溜め拳を震わす会長の姿、
(貫禄ねぇぇ・・・)
我が校の規則として、
文系部活が成り立つのは5人以上部員が居ないとそれ以外は成り立たない。
部活内容以前に人数が重要となる。
「どうやって保持したんですか。。」
「色々あるのだよ。んで・・今年入ってくる入学生を入れて、
2年生から2人ぐらい入れて!それで!!」
「・・・ほんとに人数分入部させられるんですか・・・?」
「っ・・・・」
・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・そこでだっ。」
まさか。
この流れは。
「君たちに我が部活の顔となってもらい、
そして人を呼び込む招き猫になって欲しいのd・・」
「丁重にお断りします。」
言い終わらないうちに断った。
「なんでなんでなんで!?
君たちルックス抜群だし頭いいし可愛いし
2年生とかワンサカ集まると思うんだけど!?」
そういう問題じゃないんですね・・南田会長。
「じゃあじゃあ悩みに悩んでいる生徒たちを救いたいとは思わないの!?」
「いや・・僕たちまだ入学して1ヶ月も経ってないし。。」
「蒲田の言うとーりです。俺たちはまず学校の流れに慣れないと・・って」
「「何勝手に入部希望書書いてんですか!!??」」
「これは会長命令だぃ!」
"1週間で良いから体験入部して欲しいんだぃ!!"
何この人お子ちゃまじゃん....
「僕たちほかにも見たい部活が・・・。」
俺たちはそんなに暇じゃないのに・・・
この人マイペースすぎる・・。
「とりあえず、今日の放課後、もう一回来てね!
会わせたい子がいるからっ!!」
じゃあね! ・・バタンとドアを閉められて、
俺たちは顔を見合わせる。
「・・・会長さん、変わった人なんだね。」
「そうだな・・入学式のあの貫禄はどこ行った。。」
「「はぁ・・・」」
ってか会わせたい子って誰だろ。
まさか誰かほかにも入部希望者が居たりすんのかな。
まあそれは置いといて。
「なんで俺たちなんだろう」
「確かに。もしかしてその子が僕たちを指名した・・とか?」
妙に勘だけはいいやつ。
「ありえるな。とりあえずもう一回放課後来てみようぜ」
昼休み終わりのチャイムがなると同時に生徒会室を出た。