プロローグ【始まりはここから】
この世界には5人の【神】と1人の【女神】がいる。
海の神、陸の神、空の神、時間の神、そして強欲の神。
神全員が認める1人の女、女神。
それぞれがこの世の全てを支配し、俺達人間の全てを握っている。
だが神は人間になど興味はない。
ただ自分たちが支配する『全て』の中に含まれる物でしかない。
簡単に言ってしまえば、人生ゲームの車に乗っている棒人間。プラスチックでできたゲーム上の人間。
そんな神たちはあるゲームを思いついた。
世界リセットを掛けた、賭け。
海の神は言いました。
「人間など私の支配する海に抗えない。そんなゴミを私は1人たりとも幸せにしたくない。この世から消し去って全てを水の底に沈めたい」
陸の神は言いました。
「僕は争いを好まない。が、人間は嫌いです。大人しくしていれば干渉せずにいてあげたのに。立場もわきまえず偉そうにしている人間が気にくわない」
空の神は言いました。
「ワタクシは誰よりも広い心を持っています。だからこそ、人間の醜い行いも許せる」
時間の神は言いました。
「放っておけば勝手に死ぬ。何故、手を下そうとするんだ?それに、神の力を持ってすれば、滅ぼすことだって容易い事だろ」
強欲の神は言いました。
「それじゃあ、こうしよう。ゲームで全てを決めるんだ。この世の全てを賭けてこれからの事を決めよう。俺は人間が好きだ。だから簡単に滅ぼしてしまうのは惜しい。全員の意見が一致しないのならこれが1番良い案なんじゃないのか?」
誰も否定はしなかった。
何故なら神たちは賭けが好きだから。
女神は目を閉じて、ただじっとしていた。
こうして始まった神が作った人間の為の世界を賭けた壮大なゲーム。
勝つのは全てを操れる神か、それとも俺達人間か―――。