表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/23

第3話 うっひょー!! 脳汁ドバドバだよー!!

タイトルが既にわけがわからない

この世で最も悪と見なされる行為はなんなのか? 彼はこう言う。



「戦争・殺し・盗みやなにやら。そんなのは悪などではありません」



ただの1度も逃さず。ただの1度も赦さず。ただの1度も捕まらず。そんな彼を人は|CT《crazy teacher》と呼んだ。





修行をしなければ食料が得られず死ぬ。しかし、今のしーくんはアイアンモンキー1匹を倒すのがやっとで。しかも食料袋は値段で食料のグレードが上がる仕組みになっているらしく、今のしーくんでは大した食料も得られず常に腹が減っている状態だった。


そんな最中、彼の目の前に現れたおじさん。彼はしーくんを見てニコニコと微笑んで自己紹介を始める。



「まずはお互いの趣味でも話し合おう。私の趣味はB級映画鑑賞でね。B級映画というのは低予算映画のことを指しているのは知っているかな?」

「知らない」

「映画も金をかければいいというものではなくてね。B級映画は頭を使わなくても見られるというのがイイ!! ポップコーンとオレンジジュースを食べながら見る映画は全く素晴らしい贅沢だよ」



一体、なんの話をしているのだろうか。だが、そこに口を出せるほどしーくんも混乱から回復していないので黙っている。



「まあ私はスプラッタ映画専門なんだけどね。1番最後尾の席で映画を鑑賞しながら、カップルの首を眺める。なんとも耐えがたい至福だよ。あぁ、カップルというのは映画館にいるカップルだよ。こういうB級映画を上映すると、それに乗じてホテル代わりにするカップルが必ずいるからね」

「…………」

「その2人をスプラッタのようにぐちゃぐちゃにする様を投影しながら見る映画がこれまた最高でね」

「なるほど」



なにがなるほどなのか。まさか、そのイカレた映画感に同調でもしたのか……というわけではないらしい。ドン引きもせずしーくんは口を開く。



「俺の趣味はデパートなんかにあるエスカレーターの下。そこにある休息用の椅子で女の子のパンツを覗くことかな。手でスカートを押さえながらも、俺の位置からはパンツが見えてしまう。最高だね」

「それは性的嗜好であって趣味じゃないんじゃないかな」

「えっ? そうかな」



どちらにせよ。毒で毒を制するというよりは、泥で毒を精したような。流石のCTもこんな返答が帰ってくるとは思わなかったのか微妙に引いている。



「コホン。趣味は人それぞれということで。私は執行の前には相手のことを知っておきたくてね。趣味の他になにか君は自分のことで知っていて欲しいことはないかな」

「好きなおっぱいはロケット型かな」

「…………」



それが人に知っていて欲しいことなのだろうか。さしものCTも今の発言は聞かなかったことにしたのか、晴れやかな顔で持っていたケースを開いてそこから1本の鉈を取り出す。


鉈。やや傾いた30cmほどの刀身。主に使用用途としては山林での伐採作業など。通常のナイフなどよりも刃に厚みを持たせることによって、竹や木を削ったり動物の解体などにも用いることが出来る狩猟専用の装備ともいえる。



「それ鉈ですよね」



しーくんがそんなことを言ってしまうのも無理は無い。鉈は鉈でも刃に付着したドス黒い血痕と、人を大量に殺戮したであろう禍々しい雰囲気だけは素人のしーくんでも感じることが出来た。



「これは私が生前使っていた”ギロチン”の刃を加工して作られたものですよ。この刃で何人もの人間を執行してきました」

「…………」

「ところで。ギロチンで複数人の処刑を行う場合、1発目で人の首を刎ねた際に刃に罪人の血痕と油がこびりついて2度目は一発で首を切れないと。すると首は中途半端にくっつきながらも死なないんですよ。だから私は最初に聞くんです。”誰から死にたいですか”と。そうすると自分から殺して欲しいと懇願してくるんですよ。面白いですよね」

「もう俺の負けでいい――っ!?」



会話の隙をついたとしかいいようがない。まるで喫茶店の店員が音もなくコーヒーを持ってくるように。瞬きする間もなく、見る人が見ていても気付いたらしーくんがぶっ飛んでいた姿が見えただろう。そこでは呆気にとられた顔で鉈を手にしているCTがいる。



「まさか私のギロチンが防がれるとは。中々やりますね」

「死んでたよ!! 体感的には!!」



普通の人間なら恐らく死んでいただろう。ただ、しーくんは呆れながらもCTのことをじっと見ており、そして”ギロチン”という名前から首に攻撃がくるのではないかという予想から、ほぼ反射的に首筋を守ったのが命を繋いだともいえる。


その反射力も、やたらと不意打ちを行ってくるアイアンモンキーとの戦いで身についたものだから修行もあながち無駄になっていないということだろう。



「では次はこれにしましょうか」



ギロチンをケースの中に仕舞い、代わりに取り出したのはスプーンのような道具である。”ような”というのはその道具がペンチとスプーンが合体したような形になっており、先端がスプーンになっており、持ち手を閉じると2つのスプーンが重なるようになっている。CTはこの道具を見ながらうっとりした顔で話し出す。



「これがどんな道具かわかりますか? わかりませんよね」

「むしろわかりたくないっていうか……」

「これはまずは閉じた状態で使うんです。この先端についている突起を相手の瞼に入れ、開いて眼球に差し込む。そのまま閉じれば眼球をそのまま繰り出せるというわけです」

「…………」



聞かなきゃよかったと思っても後悔先に立たず。予想していたよりも更にドギツイ道具だったことにしーくんも引いている。ドン引きである。



「まあ百聞は一見にしかず。まずは実践してみましょうか」

「――甘い!!」



先程と同じ要領で近づき、眼球に向けられたその道具をしーくんは紙一重で避ける。同じ軌道ならば避けるのは難しくは無い。



「ここで反撃を――」

「私は自分より”強い”相手としか戦わなくてね。年中そういった連中と戦うための策を考えているんだよ。それにもう1つ付け加えるなら、人には眼球が2つあるだろう?」

「――ッ!?」



一撃目はわざと避けられる速さで突き上げるように打つ。本命は左手に握られたもう1つの道具。”アイズ”。それがこの道具の名前であり、2つある眼球を一気に取り出せるようにとCTが開発した拷問具でもある。


暗殺及び1対1での殺しの基本は如何に手数を少なく相手を殺せることにかかっている。それがわかっているからこそ、CTのやり口は奇襲・撹乱などの相手の動揺を誘うような戦法になっている。


そしてCTの2撃目。右での攻撃を避けながら密着した状態からの反撃を考えていたしーくんは一瞬だけ反応が遅れ、普通の人間ならば眼球に道具が直撃。CTならば相手が恐怖を感じる間もなく、両目をくり貫いていただろう。ただ、しーくんは普通ではない。



「今のを避けるか」

「やっぱり気持ち死んでたけどね!!」



上体を後ろへ反らしてそのまま距離を取ろうとするしーくんなのだが、CTもここは深く追ってくる。ここでCTが引かなかったのは経験からくる直感で、既に数撃で勝負がつくと分かっていたから。事実、しーくんは慣れない動きに体がついていかず、避けた後からの上体を直すことが出来ずにもたついている。その隙をついてCTの攻撃が……入らなかった。というよりは、CTが半分涙目になって腰をついているしーくんの眼前で攻撃を止めたというところか。

その顔は呆れたものを見る目になっており、ため息をつきながら道具をケースの中へ仕舞っていく。



「興が冷めました。元々、私は自分より強い相手、正しくは”弱いものを虐げる敵”を執行するのが仕事ですから。あなたは私より弱い。弱い者イジメは好きじゃないんですよ」

「えっとあの……仕事じゃあ……」

「私は自分の正義に基づいて行動しています。それが仕事などという下らないもので曲げられるハズもありません。それに……」

「それに?」

「……いえ。いいでしょう」



いそいそとケースの中に道具を仕舞ったCTは来た時と同じように静かに歩いてその場を去ってしまう。本当に嵐のように来て、そよ風のように帰っていった。



(それに……あんな”私と正反対の生き方をしている人”どうせ長くはないでしょうし)



そんなことを言わずにいたCTが後ろを振り返ると、既にしーくんの姿は見えなくなっていた。





1ヵ月という期間に特に意味は無い。ただ、ある程度長ければよかったのだ。後、取り合えず普通の冒険者が1ヶ月も迷宮に取り残されたら安全地帯があろうと発狂する。代わり映えのない景色、魔物、食料……のハズだったのだが。



「なにやってんの?」

「久しぶりでふふぁいちょー」

「いやいや。食べるの止めてよ」



そこには明らかに1人前とは考えられない量の食料と、食べた際に出たゴミが連なっていた。最初はタイチョーに興味を示していたしーくんも、呆れたタイチョーを見飽きたのかか直ぐに食料の方に目線を戻す。



「これ1人で全部食べるの?」

「いやなんか。魔法を使うとお腹が減って。もう少し待っててもらえますか?」

「…………」



軽く10人前はあろう食事をどんどんと平らげていく。別に魔力は食料を補充したところで回復したりはしないのだが。まあタイチョー自身も割りと大食いなので文句は言わない。やがて、食料を食べ尽くしたしーくんは立ち上がって喋りだす。



「この袋便利ですよねー。お金入れたら食料が沢山出てくるし。文句ないですよ!!」

「あの。怒ってないの? ここに置いてったこととか」

「怒りとか。食の前では塵同然ですよ」



なにかを悟っているのはともかく。タイチョーにしてみれば怒ってくれることを期待していたのだから拍子抜けだ。それに……



「よくこんなにも食料出せたね。そこらの雑魚狩って出せる量じゃないと思うけど」

「いやそれが。アイアンコング倒したらお金一杯くれまして」

「はあ!? 倒したの!?」

「あれは偶然というか……」



目を逸らすしーくんにそれ以上は言及しないタイチョー。まさか、偶然かもしれないがアイアンコングを倒すほどの可能性があるとは思わなかった。ならばそれを今から試そうと。



「じゃあ実戦で試してみようか。僕になんでもいいから攻撃してごらん。1発でも攻撃を直撃させたらいいものあげるから」

「いいんですか?」

「いいよ。流石の僕も負けたら格好悪い」


特に構えなどしないタイチョーに対して、しーくんは深呼吸して手を交差させる。



「”エア・ソード”」



その言葉でしーくんの両手に現れるのは、魔力で出来た薄い剣である。それを見てタイチョーは感心したような顔になる。



「へぇ。魔力で武器を作れるぐらいのレベルにはなったんだ」

「死なないくださいよ!!」



一足でタイチョーの懐にまで飛び込み、右での袈裟切りを放つも、タイチョーは左の篭手をかざしただけでなんなく受け止めてしまう。ただし、しーくんの剣は二刀。間髪入れずに左の剣がタイチョーの顔面目掛けて真っ直ぐに突かれてくる。それを上体を後ろに逸らすことでなんなく避ける。



「とりあえず。まだ僕は死んでないみたいだけど?」

「次は……”エア・ランス”!!」



左右に持っていた剣が消え、篭手で止められていた右手の手の平から、今度はタイチョーの胴を目掛けて魔力で出来た槍のような先が尖ったものが飛び出してくる。



「着眼点はいいけど。あまり飛距離は長くないみたいだね」



長さは大体1mほど。その距離をバックステップで離れたタイチョーだったが、逆にしーくんはその魔力の槍を”更に左手で掴んでぐるりと体を捻りながら追撃する”



「”エア……ハンマー”!!」



両手持ちのハンマーを振り下ろすしーくん。それに対して、特に驚くわけでもなく。そのハンマーを軽くいなしながら、しーくんの顔面へと蹴りを放ち直撃させる。



「へぇ。今のも避けるのか」

「マトモに当てる気なかったでしょ。でも”エア・シールド”がなかったら俺のプリティフェイスが大変なことになってたけど」

「それを言うなら……」



それを言うなら自分はこっちを殺す気なんてないでしょ。と言おうとして止めた。なんとなくタイチョーはそんな気がしていたのだ。出会った時に捕まっていた場所でしーくんは怯えを全く見せなかった。自分が死ぬかもしれないのにだ。そしてしーくんの”死”に対する見解を聞いて疑惑は核心に変わった。


しーくんという人間は”他人を殺せない”のだと。別段、それは珍しくはない。ないのだが。だからこそ、本当に殺せないのかを試すために、タイチョーはわざとこんな場所にしーくんを放置して怒らせようとしたのだが、どうも効果がないようだ。


それにあの戦い方は……



「その戦い方。CTを参考にしたの?」

「あれ? タイチョーも知ってるんですか」

「まあ……」



だってけしかけたの自分だし。それにしても。しーくんの戦い方はCTそのままだった。まるで生き写しのように。死角を狙ういやらしさ。奇襲と変則的な行動からくる攻撃。それ自体は凄いし、普通の敵ならばそれだけで圧倒できるのだが。如何せん。元からのステータスが低いためか、多彩な武器があっても、

それを生かす能力が不足している。それが致命的だった。


それに、先程”食料BOX”のログを確認したところ、CTと戦ったと思われる日の翌日から、しーくんの金の羽振りがやたらと良くなっていた。つまりは1度の戦闘で動きを得たと言うことか。それともう1つ。



「どうして魔力攻撃だけなの? 元素は?」

「ギクッ!?」

「いやいや。そんな露骨な驚き方しないでいいよ」

「でも! 魔力で武器を作る技術なら向上したよ!!」

「前にも言ったけど。魔力のみで魔法を行使するって燃費悪いんだよ」



つまり。普通の魔法使いが1の威力の魔法に対して1の魔力を行使するのに対して、しーくんは1の威力の魔法に対して10ないし20程度の魔力を消費していることになる。まあ普通に無駄なんだが。



「その……出来なかったわけじゃないんですよ」

「目を逸らしながら言っても説得力ないよ」

「後悔しないでくださいよ!!」



しーくんが手に魔力で球体を作る。そして元素を集めだす。そこまでは普通だった。だが次の瞬間。タイチョーが身構える間もなく、その球体は爆発した。



「……出る作品間違ってない?」

「だから使うの嫌だったのに!! 俺だってなんで爆発するのかわからないの!!」

「いや。でも確かに元素は集まってたと思うから。もう1回やってくれない?」

「あのね。これ爆発の加減間違えると多分、腕が吹っ飛ぶと思うんだけ「今度女の子紹介するか――」よーし!! お兄ちゃん頑張るぞー!!」



女の子>自分の腕。なのだろうか。冗談で言ったタイチョーも苦笑いだ。しかも、当の本人は既に元素を集め始めている。そして爆発。



「うっひょー!! 脳汁ドバドバだよー!!」

「あぁうん。ちょっと黙って」



爆発したのにも関わらず無茶苦茶テンションアゲなしーくんを一蹴する。ただ、タイチョーには何が起こっているのか理解できた。なにが起こっているのかが理解できても、どうしてそうなったのかは理解出来ないのだが。



「あのさ。普通は元素ってのは1つだけ集めるものなんだ。そこから上の魔法使いになると、複数の元素を組み合わせて原子っていうのを作ったりも出来るんだけど。君の場合は周りの元素を”無差別”に集めまくっている。結果、そんな量の元素をコントロール仕切れずに爆発してるんだよ」

「えっと。やっぱり普通に元素魔法は……」

「コントロール出来ないんだよね」

「はい」



これはもう、体質的なものだと思って諦めるしかないだろう。そもそも、タイチョーだってそんな無茶苦茶な体質、聞いたこともないのだが。普通は1つや2つ。腕が立つ魔法使いだって10程度が限界だ。それを彼は全部ときているのだからどれだけ異常なことか。



と、ここにきて1つ、疑問が浮かんでくる。



「ねえ。どうやってアイアンコング倒したの?」

「ギクッ!?」

「2回目は流石に飽きるよ」



呆れるのも2回目なのだが。それはともかく。アイアンコングは個体によって多少、強さにバラつきは出るものの偶然で倒せるほど弱い敵でもない。タイチョーが見る限り、魔力武器での攻撃では”決定打がない”し、先程の爆発を上手く扱えたとしても倒すには至らない。

それを聞いたしーくんが少し罰が悪そうに頬を掻きながら話し始める。



「実はあまり覚えてないんですよねー」

「どういうこと?」

「”ある魔法”を作ってみて。それを試してみようと思って試したら勝ってた……みたいな?」

「疑問系で言われても知らないよ。それでどういう魔法なの?」

「大した魔法じゃないんだけど。じゃあ……こほん。”エア――」





数分後。どんな攻撃を受けても涼しそうな顔をしていたタイチョーが、汗をだらだらと流して切羽詰った顔でしーくんを地面に叩きつけていた。



(な、なにが大した魔法じゃないだよ!! あれはまるで……)



「あの。どうして俺は地面とキッスしてるんでしょうか?」

「あぁ。記憶がないんだね。しょうがないけどさ。それはもう使わない方がいいよ。体動かないでしょ」

「まあそうですね。俺はこれから……」

「もう疲れたから帰ろう。僕がおぶっていくから」



腕を掴んで一気に背中へと寄せる。タイチョーの顔は既に疲れきっており、普段から無い覇気が更に無くなっている。



「タイチョー」

「なに?」

「実はタイチョーが女の子だったとか、鎧を脱いだら女の体だったとかそういう展開があったら興奮するんで自己申告お願いします」

「男だよ。裸も見たでしょ」

「鎧越しに体が痛いです冷たいです。人の温もりが欲しい……」

「落とされたいの?」



本気で落としたい衝動に襲われるも、ここは大人として自制する。それとタイチョーは思いついたように口を開く。



「そういえば。前に”なった”時はどうやって生き延びたのさ。幾らアイアンコングを倒しても、その場に居続けたら他のモンスターに襲われるでしょ」

「いや、気付いたら結界の中にいたんですけど」

「誰かが助けてくれたのか」



誰かとは誰か。別に迷宮内で他の冒険者に出会うことは珍しいことではないが、結界の中にいたということは”タイチョー”の結界を知っていたという前提で話をしなくてはいけない。



(僕の知り合いぐらいか。今度それとなく聞いてみよう)



それとなく聞いて教えてくれるほどの知り合いもいない気がしたのだがそれは置いておいて。



「それとタイチョー。、重ねていうけどあの袋、本当に便利だよね。お金入れるだけで食料が出てくるなんて」

「高かったからね」



そもそも。いつ敵に襲われるかわからない迷宮内でゆっくりと食事など出来ないので需要などあまりないのだが。あるとすれば、糞高い使い捨ての魔物除けアイテムを持っているか、タイチョーのように結界魔法を使える連中ぐらいだろう。



「でも箸とかスプーンは出て来ないから素手で食べなくちゃいけなくて。それが嫌で魔力で食器を作ってたら武器を作るって発想に至ったんですよ。そこまで考えてたなんて凄いなぁ」

「ソウダネ」



正直、そういう物は常に持ち歩いているので置き忘れただけなのだが。それをわざわざ言うのもなんだと思ったのでタイチョーは胸の奥深くに事実を封印した。



「すぅ……すぅ……」

「疲れて寝ちゃったか。相手が女のだったらってこっちのセリフだよ、もう」



背中に男を背負いながら歩いているという現実から目を背きながら、2人は帰路についた。



Tips


その④ フード・フード

商業組合が販売している 袋にお金を入れればどこからでも食料を取り寄せてくれるバックである 他にも武器や道具を売ってくれる袋があるらしいが どれも割高 これの値段は20万st


その⑤ アイアンコング

鉄の森に住む中ボス 1階で油断してたら死亡……なんていうのが冗談じゃなくて発生する鹿みたいな奴 

2階以降は2匹以上で出てくることが多く ある程度の階級などもあると思われる 倒せば1匹5000st程度の金がもらえる

更新予定は一週間です(キリッ 自分が糞だと思えるセリフですね

修行回が地味に長くてどうしようもなかった 次回は変態回なので頑張る

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ