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それでも、生きたくて・・・  作者: 会原 夏武
3/31

チャプター3

「ここを渡るしかないの?」

里花が不安げに聴いた。

「あぁ」

拓哉が小さく呟て それ に目を向けた。

廊下は崩れ落ち、丁度中心に鉄骨が通っていた。

その先に二階に降りれる階段がある。

そこに行くにはここを渡るしかない。

「他の階段は?」

里花が四人の顔を見渡した。

「私達が見てきたけど、壁や天上が崩れて通れそうにない 」

美波と榊原が目を見合わせて言った。

里花が涙ぐむ。

崩れ落ちた廊下から下を覗いた。

下にある廊下が炎でもえさかっている。

調理室から漏れたガスが地震の時の衝撃で散った火花に引火したのだろう。

「俺から行く」

翔が言う。

全員が翔に注目した。

「平均台と同じだ」

翔が深呼吸しながら言った。

「他の道探す?」

里花が提案する。

「他の道なんて無かったろ。渡りきりさえすりゃ良いんだから」

翔がますっぐに見据えて言った。

「翔」

榊原が呼んだ。

翔が振り替える。

「無理しないで」

翔は頷き、ゆっくりと鉄骨に向かった。

距離は5メートルだ。

しかし、落ちたら死ぬだろう。

翔が両手でバランスをとる。

一瞬バランスを崩し、身体が揺れる。

「気を付けて!」

榊原が叫ぶ。

四人は固唾を飲んで見守しかなかった。

翔は確実に一歩を踏み出す。

そして、遂に渡りきる。

「来て大丈夫だ!」

翔が壊れた廊下の向こう岸から叫んだ。

「私がやる」

美波が決意したように言った。

「先生は?」

美波が榊原に聴いた。

「一番最後に行くから」

その言葉に美波がうなずく。

「さあ、美波来い」

翔が言った。

美波はゆっくりと進んだ。

「次は俺が行く」

拓哉が言う。

美波は鉄骨の終盤まで来ていた。

無事に渡りきった。

その後に拓哉が続く。

「次は里花よ」

榊原が里花に言った。

「私・・・無理よ」

里花がなみだ目で訴えた。

「大丈夫!里花になら出来る」

榊原が里花を励ますように言う。

「でも・・・私怖いの!」

「先生が直ぐ後についてるから」

そうしている間に、拓哉は渡り終えていた。

榊原は里花を立たし、鉄骨に向かわせた。

「大丈夫・・・ゆっくりと」

榊原が里花に静に語りかけた。

里花が頷く。

ゆっくりと進み始めた。

直ぐ後ろから榊原がついてきている。

「気を付けて」

美波が二人に手を伸ばした。

里花が立ち止まった。

そして、下を観てしまったのだ。

里花の頬を泪が伝う。

「里花、大丈夫だから、前を向いて進んで」

「やっぱり無理・・・」

里花が消え入りそうな声で言う。

「里花なら出来るから」

榊原が励ます。

「里花!」

拓哉が

大声で呼んだ。

その声に里花がはっとなる。

「前を向け!進むんだ!」

拓哉が語りかけた。

「大丈夫、里花なら出来る!」

美波がそれに便乗した。

「皆、応援してるぞ!」

翔も言った。

「皆・・・」

その声に励まされたのか、里花は頷きまた進みだした。

「そう・・・その調子!」

榊原が里花に言う。

そして、遂に渡りきった。

腰が抜けたように里花がその場に座り込んだ。

「よく頑張ったね!」

榊原が里花に抱きついた。

里花が力なく応える。

「榊原先生」

翔が榊原に言った。

「急いで非難しないと・・・」

「分かってる、里花、立てる?」

榊原が里花に聴いた。

里花はゆっくりと立ち上がった。

「それじゃあ、とりあえず体育館に・・・」

「無理ね」

美波が提案したが榊原がそれを断った。

「何でです?」

「あれを見て」

榊原が窓の外を覗きながら言った。

美波達は窓の外を覗いた。

そこには体育館が有ったが、観るも無惨に崩れていた。

「そんな・・・」

拓哉が絶句する。

「どうしよう?」

「とにかく、島民体育館に行って見よう」

翔が言った。

そして五人は島民体育館に向かった。



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