表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それでも、生きたくて・・・  作者: 会原 夏武
27/31

チャプター27

五人は歩き続けていた。

既に体力と気力は限界に達していた。

しかし、休む事は許されない。

島が沈み始めたと分かったからには止まれなかった。

最低限の睡眠と食事しかできなかった。

真冬の空気が肌に突き刺さった。

強い風が吹く。

変わり果てた街に風の音が反響して虚しく響き渡った。

ラジオのニュースでは美波達の他に数百人が島に取り残されていると言っていた。

だが、今の街の静けさではそれさえも疑ってしまう。

まるで、五人以外の人間がこの世から消え失せてしまった様だった。

ポートタワーには確実に近づいていた。

五人は交差点に差し掛かった。

八車線の大きな道路だ。

そこで、左海が足を止めた。

「どうしたんですか?」

美波が聴いた。

「ポートタワーはここを左に曲がるんだろ?」

左海の当たり前すぎる質問に美波は首を傾げて

「はい」

と、答えた。

「じゃあ、ここでお別れだな」

左海が言う。

「えっ?」

突然の事に美波は思わず聞き返した。

「初めに言っただろ。行くところがあるって」

左海が言った。

しばらくの沈黙が辺りを支配した。

「分かりました」

翔が言った。

左海は頷き一人歩き始めた。

「また、どこかで会いましょう!」

翔が歩く左海の背中に言った。

左海は何も言わなかった。

そして四人は左海とは反対の方向に足を進めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ