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チャプター24
五人が階段を登り始めた時、地下街の通路に大量の海水が流れこんだ。
店の看板を水圧で吹き飛ばす。
「何!?」
里花が言った。
「海水だ」
左海が答える。
「でも何で?」
「沈んでるんだ・・・」
そうしている間にも海水は水位を増していた。
「早く行こう、ここが沈むのも時間の問題だ!」
再び階段を登ろうとした時、階段からも、海水が大量に吹き出した。
「うわ!」
五人の体が吹き飛ばされた。
どんどん流されて行く。
左海が何かに掴まろうと必死に手をばたつかせた。
その手に何か当たった。
手応えを感じる。
それは、天井にある空調ダクトだった。
ビルが建ち並ぶ大きな道路の小さなマンホールが動いた。
次は勢いよく開く。
中から出てきたのは美波達、五人だった。
体はびしゃびしゃだ。
凍てつくような寒さで震えた。
「死ぬかと思った・・・」
拓哉が言った。
美波は、空を見上げた。
いつの間にか、夕方になっていた。




