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それでも、生きたくて・・・  作者: 会原 夏武
16/31

チャプター16

「私のせいだ・・・」

里花が震えた声で言った。

「違う・・・里花のせいじゃない!」

拓哉が泣いている里花に言った。

「これから、どうする?」

美波が言った。

「安全な所に移動しないと」

拓哉が言う。

「安全な所なんて無いでしょ!」

美波にそう言われ拓哉は黙りこんでしまった。

「とにかく移動しないと。もうすぐ日が暮れる」

翔が言った。

「どこに?」

美波が聴いた。

「セントラルパーク何てどうだ?」

拓哉が提案した。

セントラルパークとはこの近くにある公園だ。

休日は人々の憩いの場になっていた。

「あそこなら安全だろ、広いし周りに高い建物も無い」

拓哉が付け足す。

「そうだな、今日はとりあえずそこに行こう」

翔が賛成した。

美波も頷く。

四人はセントラルパークへと、足を進めた。


着いた頃には日も落ちていた。

四人はパークの中の広場で夜を過ごす事に決めた。

四人は輪になり中心に薪をくべ体育館で拾ったマッチで火をつけた。

翔が体育館で拾ったリュックから四人分のタオルケットを取り出した。

皆、横になる。


一時間は経っただろうか。

拓哉は眠れなかった。

寝返りをした。

拓哉の他に寝返りをする音が聞こえた。

「里花・・・起きてるのか?」

音の位置からそれは里花だと推測した。

「うん」

里花の声が答えた。

「眠れないのか?」

「うん・・・拓哉も?」

「ああ」

一旦、会話が途切れた。

「ちょっと、歩こうぜ」

拓哉が言った。


里花と拓哉は公園の散歩コースを歩いていた。

拓哉が前方を懐中電灯で照らす。

木々が風に吹かれ揺れた。

「なかなか、眠れなくて」

里花が無言の拓哉に話しかけた。

月明かりが二人の顔を照らした。

「ねぇ、拓哉」

里花が拓哉に言った。

「何?」

「少し寒いね」

「うん」

「どこにいくの?」

「散歩コース一周」

「ふぅーん」

会話が途切れた。

拓哉がいきなり立ち止まった。

里花がそれに気付いて少し前で止まった。

里花が振り替える。

二人は向かい合った。

「どうしたの?」

里花が聴いた。

「ちょっと・・・言いたい事があって」

「何でも言って」

里花が微笑み、答えた。

冬の深夜の風が里花の髪を美しく乱した。

「実は・・・」

「何?」

「その・・・」

「・・・」

そう言ったまま、拓哉は押し黙ってしまった。

怖いくらいの静寂が闇を支配した。

里花は拓哉が何か言い出すのをいつまでも待つつもりだった。

「やっぱ、何でもない」

拓哉がそう言って歩き始めた。

里花も拓哉の隣を歩いた。

空気が澄んでいて月が美しい。

今日はそんな夜だった。

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