チャプター15
「俺から行きます」
翔がそう言って梯子に手をかけた。
ゆっくりと降りていく。
美波と拓哉が顔を見合わせた。
「俺が行くよ」
拓哉が言った。
「先生は?」
美波が榊原と里花を振り返って言った。
「里花の後から行くから」
榊原が言う。
美波は頷いて梯子に手をかけた。
無事に一階にたどり着いた翔と拓哉は扉をこじ開けて廊下に出た。
少し遅れて美波も降りてきた。
里花も梯子を降りていた。
榊原も後から続いた。
里花は慎重に降りていた。
半分まできたとき、榊原の頭上で音がした。
上を見上げる。
よく見るとエレベーターのかごが揺れていた。
瓦礫が挟まって辛うじて止まっていたが今にも落ちてきそうだった。
里花が震えながら一階にたどり着いた。
後から榊原が降りてきていた。
左腕が使えないので、随分と遅れている。
また、音がした。
「先生早く!」
翔が言った。
榊原が降りて廊下に出ようとした。
しかし
かごに挟まっていた瓦礫が外れた。
物凄い速度でかごが落ちてきた。
榊原は出口に手を伸ばすが届かなかった。
かごが榊原を押し潰す。
激しく爆発した。
炎が美波達に迫った。
爆風で瓦礫が吹き飛んだ。
「先生!!!」
里花が叫んだ。
病院が揺れた。
「早く逃げないと崩れるぞ!」
翔が言った。
四人は病院の出口に走った。
病院から脱出した四人は少し離れた所で振り返った。
病院がゆっくりと崩れていった。
里花がうなだれた。
拓哉がその場に倒れるように座った。
美波が泣いた。
翔が呆然とした。
榊原が死んだ。
日は沈みかけたいた。
夕日が四人を照していた。




