チャプター14
美波は揺れで吹き飛んだ。
ガラスが割れる。
建物が崩れる音がした。
しばらくするとおさまる。
「里花、逃げなさい」
礼子が里花に言った。
「嫌だ・・・」
里花が泪を拭う。
「皆で一緒に生きるんでしょ!」
礼子も泪を流す。
今井はなにも言わず見ていた。
病室に亀裂が入った。
「病院が崩れてるんだ・・・」
榊原が言った。
皆の視線が集まる。
「榊原先生・・・」
翔が榊原を見た。
榊原は決心したように頷いた。
そして―
榊原が里花の手を掴み病室から引きずり出した。
「嫌!止めてください!」
里花が髪を振り乱し抵抗するが、あっさりと病室から連れ出された。
最後、里花が振り替えると、礼子が号泣していた。
「里花!」
病室から礼子の声が聞こえた。
「生き延びて!」
その声には嗚咽が混ざっていた。
「今井先生も逃げても良いんですよ」
礼子が今井に言った。
「僕は・・・残ります」
今井が優しい笑顔を礼子に向けた。
病院が小さく揺れ始める。
里花は榊原に手を引かれ一番最後を走っていた。
最後には、あの場に居た皆が泪していた。
階段を見つけた翔が降りようとした。
しかしその時、天井が抜けて階段を塞いだ。
危うく翔も押し潰していた。
「通れねぇよ!」
翔が悔しそうに唇を咬んだ。
「あれはどうかな?」
美波がエレベーターを指差した。
扉は開いている。
除き混んで壁を見ると梯子がある事に気付いた。
「・・・」
しばらくの沈黙。
「行こう」
翔が言った。




