チャプター13
五人は病院に到着していた。
9階建で結構大きい。
「おばさんは何回だ?」
拓哉が里花に聴いた。
「3階にいる」
里花が答えた。
「でも、もう皆非難したんじゃないのか?」
翔が言う。
「おばさんは足が悪いの、逃げ遅れてるかも・・・」
里花が言った。
「それじゃ、行きましょう」
榊原がそう言って足を進めた。
四人はそれに続いた。
3階に登って来た。
「部屋は?」
翔が里花に聴いた。
だが、里花は答えずに
「305・・・305・・・」
と、呟きながら先頭を歩いていた。
少し歩くと
「この部屋」
と、言って呟いていた番号の部屋に止まった。
「外で待ってる」
美波が言った。
里花は頷いた。
「おばさん・・・!」
病院に入った里花はおばさんの姿を見つけて駆け寄った。
ベット、寝かされていた。
「・・・来てくれたのかい」
今野礼子
は目に泪を浮かべて里花を抱きしめた。
「大丈夫?」
里花が聴いた。
礼子は頷いた。
「今野さん、良かったですね」
病室の奥から医者が姿を現した。
礼子の担当医の今井だ。
「残っててくれたんですか?」
里花が驚いた様に聴いた。
今井は
「あぁ」
と答えた。
「おばさんも、今井先生も早く行きましょう」
里花が二人に非難するように促した。
しかし
礼子は断る様に首を振った。
「私の足は、もう動かない」
礼子が独り言の様に呟いた。
「何で・・・」
里花が呆然と呟いた。
「今まで診てくれた今井先生にも悪いしね」
礼子が言った。
「今井先生・・・」
「この、病院にはまだ数名の患者が残ってる・・・最期まで見届けないと」
「そんな・・・」
里花が泪を流す。
「里花・・・」
礼子が里花の頬に触れた。
「生き延びるのよ・・・」
礼子も泪を流していた。
「嫌よ・・・そんなの」
その時、病室の扉が開いたら。
美波達だ。
「里花・・・おばあさんを困らせちゃ駄目・・・」
榊原が言った。
「・・・」
里花は黙ったままだ。
そして、地面が揺れた。
今までより、大きかった。




