チャプター12
ビルの中は想像していた通りの惨事だった。
元々、会社だったようで様で、業務用の机や書類、コピー機が転がっていた。
「ポセイドン・アドベンチャーみたいだ」
翔が歩きながら言った。
「これは、ポセイドンじゃない、ポセイドンは上下逆さま。今は真横よ」
美波が訂正する。
「つべこべ言わないで早く進め~」
拓哉が後ろで言った。
「分かってるよ」
翔が答える。
「足をくじかないように気を付けて」
榊原が言った。
「出口はまだ?」
里花が文句を言った。
「多分、あともう少し」
榊原が歩きながら答える。
それから、しばらく歩いた。
「あれ、出口かな?」
榊原が指差す。
そこには、入って来たときと同じ様な窓があった。
五人は駆け寄った。
美波が窓から下を除きこんだ。
少し高さが有るが飛び降りれそうだ。
「先に行ってみる」
榊原がそう言って飛び降りる。
ズサッ
と言う着地音が聞こえた。
「来て!」
榊原が下で叫んだ。
その瞬間、大きな揺れが美波達を襲った。
「きゃあ」
里花が悲鳴をあげる。
そして、後ろで凄まじい爆発音が響いた。
炎が燃え盛る。
「一体何!」
美波が翔に聴いた。
「分からない!」
炎は四人に迫っていた。
「早く、飛び降りろ!」
一番後ろの拓哉が叫んだ。
翔が飛ぶ。
美波、里花がそれに続く。
爆発音がまた、響いた。
拓哉はほとんど爆風に飛ばされる様な感じになった。
「大丈夫?」
榊原が拓哉に聴いた。
拓哉は無言で頷く。
「ポセイドンの次はバックドラフトかよ」
翔が言った。
「病院までもう少しだから皆頑張って」
榊原が言う。
五人は歩き始めた。




