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チャプター10
真冬の太陽が不気味に崩壊した町を照らした。
鳥が一匹逃げ遅れた様に飛んでいた。
美波はマンションの光景が忘れられなかった。
母さんが死んだ。
最初は美波にショックを与えた。
泣いて泣いて泣きまくった。
母さんに、謝っておくべきだったのか・・・
美波には分からなかった。
美波はいつからか、母さんに逆らうようになっていた。
いつも文句ばっかり言っていた。
顔を見るのも嫌だった。
いつも
勉強
勉強
勉強
勉強
勉強
それから
塾
塾
塾
塾
塾
美波にとってはそれが一番の苦痛だった。
最期はどんな事を思ったのだろう。
きっと娘の事が憎かっただろう。
けど
美波は美波なのだ。
誰がなんと言おうと。
鳥が鳴いた。
泣いている様にも聞こえた。
仲間とはぐれたのか。
鳥が電柱に止まった。
一瞬目があった気がした。
逃げろ
と言った気がした。
建物から煙が上がっている。
突然、地面が揺れた。
「うわっ」
翔が悲鳴をあげる。
かなり大きい。
目の前のビルが横に倒れて、美波達の道をふさいだ。
後ろを振り返ると地割れしていて、通れなくなっていた。
揺れがおさまった。
皆、ただ途方にくれた。




