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お子様プレート

作者: TOMMY
掲載日:2025/10/18

埃っぽいレストランにお子様プレートを頼んだ。甘いケチャプと綺麗な半円に盛られたご飯の上に刺さる国旗付きの楊枝。二本のフライドポテトと一口サイズのハンバーグ。真っ赤なタコさんウインナーはこっちを見ながらすっくと立っている。豪華絢爛とはいかないものの個々のレストランの趣味趣向が見られ、とても面白い。何より子供を喜ばせる世界観が素晴らしい。これを見れば誰でも笑顔になることだろう。子供の頃食べた味を思い出しながら私は席を立った。お子様プレート。その様相はこの戦争の爪跡が残る、滅んだ街に相応しい。割れた窓。埃かぶった椅子。厨房は半壊し、床には焦げ跡が残っている。私はそれらを眺めながら重たい鞄を持ち上げた。「これは、せめてもの弔いです」この街で食品サンプルを作り続けて20年。またこの街に賑わいが戻ることを信じて真っ黒なドアを押し開ける。無音の街のひび割れたアスファルトには暖かい陽射しが輝いていた。私は端末で他のレストランの食事レポートを眺めた。そこには子供の飛び跳ねる笑顔とお子様プレートが映っている。「まだ、仕事が残っているようですね」重たい鞄を背負い、私は次のレストランへ向かった。

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