表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シルヴィアの紡ぐ彗星  作者: えぬタン
★Third Comet★
29/31

☆第25話☆ 【魔族】



 アトゥラスに滞在してから二日目の夜。


 私は椅子に座り魔法書を眺めては紅茶を口にしている。


 今夜は忙しい夜になるだろう。早く寝たい。


 でもナータからまだ知らせは来ない。


 彼には今、もう一度貴族の屋敷の調査に向かわせている。


 昨日は一階から上を調べたが、地下は調べてこなかった。


 結構忘れがちになるのは地下室だ。


 貴族や王族は大事なもの、もしくは極秘にするべきものを地下に隠す傾向がある。


 そしてそれは暗躍している者もそれをする傾向がある。


 この街で言うと『魔族』だ。


 恐らく、ここの貴族はその魔族にこの街を乗っ取られている。


 魔力探知の反応でその魔族が今、南門で身を隠している。


 多分、私を待っているのだろう。


 でもまだ手は出せない。動くのはナータからの情報次第だ。


 私の予想だと、その魔族はここの貴族と同じ姿をしている。


 つまり貴族本人は殺されているか、監禁されているか。


 監禁され生きている状態なら、始末に向かう。


 しかしそうでない場合は、街の支配人が急にいなくなってしまうため、安易に動けなくなる。


 まさか旅をしだして、一つ目の街で魔族と遭遇するとは思っていなかった。


 昔一度、魔族を根絶やしにしたはずなんだけどな。


 手が甘かったかな。



『――――シルヴィア。居たよ』



 ナータから魔力波長で知らせが来た。


『どう?』


『そっくりだ。同一人物って言われてもおかしくない。声も同じ』


『わかった。じゃあその人の安全は頼んだよ』


『了解』


 予想通りだ。


 それじゃあ、魔族を倒しに行こうか。


 窓を開け、浮遊魔法で南門へ向かおうと思ったが、下を見ればまだ人が歩いている。


 誰かに見られたら変に怪しまれてしまう可能性があるな。


 歩いて行くしかないか。


 私は静かに窓を閉めて、宿の入り口から向かおうと思い部屋の扉を開く。


 すると扉の先にはアトラが立っていた。


「アトラ。ここで何してるの?」


 急に私が出てきたことに戸惑っているのか、そわそわしながら答えた。


「あいや、その......ちょっと話がしたいと思ってな......」


「何の?」


「ほら、シルヴィアが今までどんな生き方してきたのかなって......」


「大して面白い話はないよ」


 私はそう言いながら、アトラを横切り宿の入り口に向かった。


「面白くなくていいんだよ。ただ俺はお前を知りたいだけなんだ」


 彼はそれを口にしながら私の後ろを歩く。


「千五百年以上生きた、魔法と研究が大好きなただの女」


「そうじゃない。もっとこう......深く知りたいんだよ!」


「言っている意味がわからない。私を知ってどうするの?」


「それは、まぁ、仲良くできればなって......ていうか、どこかにでも行くのか?」


 アトラとよくわからない話しをしていたら、いつの間にか宿の入り口にいた。


 ......。


 ............。


 一応、彼にもついて来てもらおうかな。

 


「――――私を知りたいなら、ついて来て」

 


「え、なんか怖い」




 ★




「ーーお待ちしていました。魔女様。いえ、一度魔族を滅ぼした、『金髪の少女』様」



 南門を出て、少し進んだ先の林から、黒のタキシードを着た怪しい男が現れた。


 間違いない。

 



「――――『魔族』だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ