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※テスト投稿。未完、大幅な改変の可能性があります。

いざ竜退治に出発!



と鼻息荒く拳を振り上げる私をロジャー先生はめんどくさそうに横目で眺めつつ、適度に制していた。

まだ出発前だが、この数日で私はロジャー先生が先生として侮れない人物だということがわかってきた。


準備が念入りなのである。


だるそうにしている割にポイントを押さえてきっちり順序立てて行動している。


当日に飛び出そうとした私を、まずは過去資料チェックからさせたのもそうだし、私に多少のお金があるのをいいことに支給品のアーマーを鍛冶屋で体型に合わせてお直しさせたりした。数日かかるではないか。じりじりウズウズする。


支給品改造はズルにならないのか聞いたところ、ギリギリの線だというので呆れてしまった。

大丈夫だろうか?


お直しに出している間にも、違反ギリギリを狙って必要なものを買い足して行く。


じっくりと吟味しながら何にどう使うのかどのように選ぶのか、簡単に説明もしてくれる。突然の講義である。

私はメモをとるのに必死になって合格ハイで勇足になっていたところをやんわりと落ち着かされてしまった。



垂れている眉をますます下げて「年頃のお嬢さんに少しの傷もつけたら大変だ」とこの数日で何度もいうのでそれはさすがに馬鹿にされているように感じ、小娘だと思って酷い仰りようですわ!と怒ったこともあった。


すると柄にもなくロジャー先生は真剣な顔で言ったものである。



「お嬢ちゃんみたいな猪突猛進型は、最初に釘を刺しとかなきゃな。」


「むぐぅ」


普段は男爵令嬢として恥じない控えめな淑女を演じているのに!!

街中で買い出しをしているとお店の人はロジャー先生を私のお付きの下男だと勘違いしているというのに!?

本性がさっそくバレている。

合間につけてもらった軽い稽古でロジャー先生に歯が立たず、一瞬思いっきり特攻してしまったところにばっちりチェックが入っていた。


「俺の体感でそういう奴らは怪我8割増し、重症死亡割合も‥細かくは言わんが‥高いんだ。うまくいくこともあるが、騎士団の中では練られた作戦の最終手段でしかない。」


「申し訳ございません‥」


「勇敢なことも大切だが備えも同じくらい大切だ。お願いだから同行する時は俺の言うことを聞いてくれ。」







お願い、されてしまった。


元国境騎士団に。






やはり未熟なのだ私は。





試験は山や森に行って魔物を狩ればいいわけではないのだ。





「無事に帰るまでが遠足だよ?」

おどけたようにロジャー先生が言う。




私はちょっと泣きそうだったので声が出ず、こくりとうなづいた。





「ところでおやつにお酒は入るかなぁ?」



「は?入らないと思います!!」



「あ、そう?じゃお弁当枠で持ってくかぁ。」


「結局お待ちになるのね!?」


「あー、医療品としてなら‥?」


「消毒液を嗜むんじゃありません!!!」




うう、ロジャー先生のペースに乗せられ、ツッコミ役をやらされている。


先生は私が力量不足で不安だろうが、私も先生のゆるさが不安です!!!






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