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※テスト投稿。未完、大幅な改変の可能性があります。

午後の実技試験は疲れたが、いい運動ができたという満足感があった。


つまり、そんなに大層なことはしなかったと言っていい。



得意な武器で、魔法あり、自由に動いて良いということで15分ずつ3人と模擬戦をした。



1人は縦にも横にも大きい体格のがっしりとした人。


2人目はご高齢でやや腰の曲がった魔導騎士。


3人目は新米らしく、私と背格好が変わらない男子だった。


悔しいことに全く歯が立たず、軽くあしらわれてしまった。

3人目の男の子など一番弱そうで絶対に勝ってやると意気込んだにも関わらず‥いちばんやりにくかった。




それでも、身軽で動体視力が優れている、見た目より攻撃が重くてよい、基礎ができているので伸び代があると褒められて嬉しかった。


少ない魔法と組み合わせた軽い三段攻撃は、よく考えられていると感心され、逆に頭で計算しすぎて動きが硬くなる癖をなくすよう何度か注意された。



試験なのに楽しすぎる。


騎士団の雰囲気を肌で吸収できる幸せを、是非毎日味わいたい!



もっと続けばいいのにという願いも虚しく、今日の試験は終わりの時間が近づいてきた。




副団長に呼ばれる。



試験結果は










予科試験、合格











唇を引き結び、拳を握って嬉しさを言葉にした。



「ありがとうございます!続いての竜退治試験もよろしくお願いします!!」







後ろでお父様が崩れ落ちる音がした。









騎士団には、ひとつ下に騎士団予科という学校のような組織がある。


予科入学試験を受けてそこに入る。


座学と実技訓練と騎士団の雑用をこなし、寮生活の中で団結力を深め生活の中に鍛錬や武器の手入れ、身の回りの整え方などを学ぶ。


そして予科試験を合格すると、騎士団に入団するための実地試験がある。


それが、いわゆる単独竜退治である。



単独で森や山に入り、竜を仕留めて帰ってくるという簡潔で分かりやすい試験だ。



特に竜を指定しているわけではない。


竜に準ずる魔物を倒せばいいルールをわかりやすく竜退治と呼びならわしている。



魔物ランクでB相当の獲物をしとめるか、Cランクでも数が多く短時間ならばB相当と見做され合格できる。



とはいえ、私はできれば竜を仕留めて入団したかった。


貴族令嬢という立場上、予科に入らず直接予科試験を受けることになったのだ。


それだけでも贔屓されているようで肩身が狭いのである。

本試験で竜くらいサクッと倒してカッコよく大手を振って入団したい。



竜にもいろいろあり、最低がBランク、強ければAランクのものもいるし、伝説の竜だとSランクのものもいた。



さすがにAランクの竜は無理だとしてもBの中でも下級なら充分戦えると思う。


何しろ私の竜への執着は異常と言ってもいいほどで、他の魔物の100倍は時間を費やして国内どころか国外の文献や古文書まで漁って徹底的に調べ上げており、なんなら論文でもかけるくらい知り尽くしている。


あらゆる戦法を熟読し、森の獣相手に実践実験もした。弱点などそらで全て言えるほどのめりこんできた存在である。




是非ともお相手したい。



「きっとフローラ嬢のことですから、そう言うだろうと思いましたよ。一応、竜退治にも対応できる試験官を紹介しましょう。おーい、ロジャー君!」




聞いたことがない名前だった。




「失礼しまぁす。」


あくびを噛み締めながら、ロジャーという騎士?がのっそりと部屋に入ってきた。



騎士?なのだろうか。


騎士にしてはちょっと髪がボサボサで、目が半分閉じている。

背は高いが胸板には厚みがない。

眠いのか、普段通りなのかわからないがふにゃふにゃとして体が傾いている。



どちらかといえば冒険者のような風体の男だった。



変な感じがする。


副団長の紹介でお互い名乗り、目を合わせる。

ちょっと引き気味になりながらも

「よろしくお願いいたします」

と、握手をした途端、


「あ」



びくりと手を引いてしまった。



「失礼いたしました!あの、すみません、改めて‥」


引っ込めた手と反対の手をなんとなく差し出した。



「お?お嬢ちゃんセンスいいね?」



ロジャーと呼ばれた男はニヤリと笑った。

悪い笑いだが嫌な感じはしない。

いたずらっ子のような表情だった。


「え?」


握手を拒否する失礼をやらかしこそすれ、褒められることなどしただろうか?




「ふーむ?フローラ嬢は気付いていないのかね?まぁ勘がいいならそれに越したことはない。フローラ嬢、こちらのロジャー君は元国境騎士団所属だ。これでも凄腕なので、安心して試験を預けるといい。」





「こ、国境‥騎士団‥!」





先程の違和感と不信感が一気に晴れてしまった。


私もゲンキンなものである。


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