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このスマホどうやら神様製らしいですよ  作者: 童貞スナギツネ
第二章 このすばらしいぼうけんしゃにしゅくふくを!
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38日目 南斗六星の帝王 聖帝ショウター

ガキャリッて音が脳に反響した。


なんだよその音・・・俺の頭蓋骨が弾けた音?


「しょうたくんっ!!!よけっっ・・・よけてっっっ・・・!!!」


その声にハッとしました。 あれ? まだ生きてんないこれ。 やったぜぇ! もうけもんもうけもん!


それで目の前を見たらまぁそんな簡単にどうにかなるもんじゃない。でも動きは止まってた。


俺に覆いかぶさるようにして今まさに棍棒を振り下ろそうとしていたホブゴブリンの顔が凍っている。


あっ・・・やば・・・。


ドシンッッ!って揺れた・・・。自然に棍棒が地面へと叩き落とされただけでそんな揺れた。


こりゃあ当たったら死ぬど・・・。


なんとか転がってその棍棒は躱せた・・・躱せたけど・・・。


「ちょいちょいちょいちょいっっ!!!」


マッチョくれよ!!! 棍棒の勢いに乗っかって胴体もぶっ倒れてくる!


やべぇって!! 乗っかられたらさすがにジ・エーンドってね!


ひええぇぇっ!! ゴロゴロゴロン! 俺はキッチンに置かれた卵か何かかよ!!!


うえっ! こけた・・・ていうかさっきの棍棒は振動ありすぎでしょ! お前自分より重いの振り回してたのかよ!


「マスター! 早くたって! 走ってください! まだですっ!!!」


あああ・・・こりゃマジだわ・・・。 だって氷にヒビ入っちゃったもん・・・これ崩れるよ・・・。


「クックソッッ・・・。」


ぐえぇぇ・・・はらがいたいぃ・・・だからなんだって言うんだい・・・死ぬよきゃましじゃい・・・! 走らんかいっ!


「うっ・・・ふぅ・・・。」


隠密発動します・・・いやないよりはましでしょ・・・。あっ・・・頭の氷が完全に弾けた・・・!


逃げろっ!!! 走るしかないのだ! 退きます!!媚びます!!省みます!! 帝王にも逃走はあるのだ―――!!


うぅ・・・ざまぁみろっ!!! そんな重い棍棒持ってるから足が遅いんじゃろがいっ!


「はぁっ・・・はぁっ・・・もう大丈夫か・・・。」


「うぅぅ・・・・ふえええぇぇぇぇぇぇぇぇ。」


「ごめん・・・ゴメンなサンカ・・・。」


「なんにも・・・なんにもできなくってぇぇ・・・ごめんなしゃいぃぃいっぃぃ。」


ああ・・・俺のせいなんだよ・・・。ごめんな・・・。


そうだよな・・・。怖いよなぁ。俺だってゴブリン戦怖かったのに・・・。なんだか俺って自分のことばっかだな。


パーティーとか言って仲間のこと考えてなかった・・・。そうだよね・・・。怖いんだよ・・・。だって殺そうとしてくるんだもん・・・。


ごめんね・・・ごめんね・・・。


「アニキッ・・・よかった・・・みんな死ななくてよかったっス・・・うぅぅぅ・・・オレッチも・・・いや、オレッチのせいでゴメンッス・・・ううぅぅぅ・・・。」


でも・・・生きてたから・・・本当にみんな死ななかったから・・・。


だからみんなでちょっと抱き合って泣いた。やっぱり戦闘って怖いよ。命のやり取りだよ。


というか調子に乗りすぎました! 身の程って大切です・・・。こんなのばっか・・・馬鹿ばっか・・・あたしってホントバカ・・・。


「帰りましょう・・・今日は。それでまた、また明日。また明日もあるんです! だからしっかり休みましょう!」


そうだな。こんなところで止まっててもしょうがない。


まずは・・・ギルドに帰ろっか。


ちょうどフーリルが抱えといてくれたわらび餅が俺のことを回復し終わったところ。


なんだかお腹にすりすりして撫でてくれてるみたい。


本当にいいやつだな。お前ってやつは。はは、ういやつういやつ。




カランカラン・・・っと。


まだちょっと早いな・・・。いやだいぶ。


ギルドにはいつもみたいに人が溢れてない。うーむ、ちょうどみんなクエストに行ってる頃だろう・・・。


とりあえず備え付けの椅子に座るって反省会かな・・・。


「クエスト・・・失敗しちゃったっスね・・・。」


「そうだな・・・。いや、そっかぁ。失敗したわけか。」


「・・・敗走でした・・・。怖かったです・・・。」


「悔しいですね、マスター。」


考えてみれば今までなんだかんだクエスト失敗したことなかったな・・・成功するのが普通って思ってたよ。


そっか・・・失敗するんだ。そうだよ・・・。失敗するんだよ。本当はそれが普通か。


なんかなんでもできるような気がしてた・・・なるようになるだろって思って・・・。


なるようにしかならないってやつかなぁ。そうだよな。それ相応の結果にしかならないよ。当たり前だよ。


「よっし・・・! こうしてても仕方ないっ! もっかいだ!」


「も、もういっかい・・・もう・・・むりですよ・・・。」


「ふっふっふ・・・違うっスよ! アニキの転身能力を舐めないで欲しいっス! 他の・・・簡単なクエストっス!」


そういうことさ! 止まっちゃいられない! こんな時だからこそ!


ぶっちゃけめっちゃ疲れてもう動きたくないけど・・・こんな時だからこそ前に進むのを辞めたくない!


「悔しさは・・・熱いうちに打てってね!」


「お、ちょっとカッコイイですよ、マスター!」


ちょっとって何だい! 俺はいつも通りカッコイイのさ! さぁ!今日は初心に戻って・・・!


「薬草刈りじゃーーーーー!」


「オーーーー!ッス!」


「オーーー?」


それで・・・そのあとは・・・。


「お楽しみ会だ!!!! なっ! フーリル!」


「・・・なるほどっス! いいっスね! それで行くっス!」


「私も賛成です! さぁ、行きましょう、マスター!」


「えっ・・・えっ・・・あの・・・。」


「よっしゃあ! それじゃあまずはチキンヘッズの・・・始まりのクエストに・・・しゅっぱぁーつ!」


「「「「(れ、)レッツゴー!」」」」





・・・・ピロンっ・・・。新たな機能が解放されました・・・。

34日目?ですかね。とうとうラスト一日になりました!

気付いたら一ヶ月・・・早かった!あと少しお付き合いください!

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