26日目 3歩も歩けば忘れます
ううむ、緑が気持ちいいね! 森の中っていいよね! マイナスイオンって感じ! マイナスイオンの意味よくわからんけど!
「ところでアニキ・・・オレッチ達って何しにこんなところまで来たんでしたっけ・・・。」
「あれ? そういえばなんででしたっけ。 私も忘れてしまいました、マスター。」
「うぅ・・・思い出せない・・・。 なんでこんなところにいるんだっけ?」
く、くそぅ・・・なんというテンプレ! 思い出そうとすると頭の傷が痛む・・・ズキズキする・・・。 あれ? 別に俺の頭、傷なくね?
「閃きましたよ! 依頼書を見ればいいんです、マスター!」
なんというヒラメキ! まさに異世界の孔明と呼ぶにふさわしい! 今です! 通報しました!
「・・・ふむふむ。 どうやら俺たちはロッディーアってのを狩りに来たらしいぞ!」
「そういえばそうだったっス! なんで今まで忘れてたのか不思議っス・・・あれ? ロッディーアってなんでしたっけ?」
!?!?!?!?ロッディーアってなんだったっけ? くそぅ! 何もかも思い出せない! これはッッ!何らかのスタンド攻撃を受けているッ!
「えーと、ロッディーアっと。 ポチポチッとな。」
はい! なんて便利なんでしょう! コスコスしちゃえばすぐわかるよね!
ふむふむ・・・見た目は鹿みたいだけど・・・角が岩みたいだ。 ううむ、強そう。
なんだか体もちょっとゴツゴツしてる・・・。
「あ、これっス!これっス! 思い出したっス! 一体何で忘れてたんっスかねー。」
全く、不思議なこともあるもんだ。 3歩も歩けば忘れてしまう鳥の頭じゃないんだから。
はっはっは、俺たちは賢い人間様やぞ! ほら、一歩、二歩、三歩と・・・。
「ありゃ?俺たち何しに来てたんだっけ?」
「いやぁ・・・わかんないっス!」
「いやちょっと待ってください! フーリルに関しては今歩いてなかったでしょう!」
お、πはちゃんと覚えてるのか! 偉いぞ! さすがスーパーライフ・・・なんだっけ?
「ちょっとマスター! それまで忘れないでくださいよ! 全く! 私たちがここに来たのは・・・あれ? なんでしたっけ・・・? いやそれはひとまず置いといて私はスーパーライフアシス・・・なんでしたっけ?」
うぅむ・・・何もかもわからなくなっていく!! 明らかにおかしい! このテンプレは! まさかッ! 何らかのスタンド攻撃を受けているッ!
ん? なんかデジャビュ・・・。 いや・・・気のせいか。
とりあえず忘れないように依頼書を常に見ながら進んでいくか・・・。
「あ、そうだアニキ! 隠密スキルを使ってくださいっス! 狩りには必須っスよ!」
「おお! たしかに! 隠密か・・・えーとどうやって使えば・・・。」
「見ててくださいっス・・・こんな感じっス!」
「あれぇ・・・!? フーリルゥ!? どこにいったぁ!!! おーい!」
「目の前っスよ! アニキ!」
おお! 急に現れた・・・。 こいつぁスゲェや! そこにいるのに全く認知できなかった・・・。 これが隠密か! まるで石か何かの様に気にならなくなるというか、上手くそこに意識が向かなくなる・・・。 まるで某狸の石ころ帽・・・おっと危ない危ない。
はっ・・・! 隠密・・・女湯・・・。
(閃きましたっ!マスター!)
へへっ、俺・・・隠密をマスターしたら女湯に行くんだ・・・。
「じゃあそうっスね・・・周りに呼吸を合わせて溶け込む感じで・・・。」
なんと急にハードルの高いことを!
俺は”お前は空気を読むという概念がない国で生まれた人”とまで称された男ぞ! 周りの呼吸に合わせるだなんて・・・。
うううぅぅ・・・息を潜める感じか!? こんな感じか・・・!?
「そうっス!そうっス! うまいっスアニキ! さすが上達が早いっス!」
んーむ・・・でもさっきのフーリルの溶け込み具合に比べると・・・あれはもうそこに居ることこそが普通って感じだったからな・・・。
「フーリルって隠密レベルどれくらいなの?」
「オレッチっスか? 隠密はマックスっス!」
なんだと・・・!? マックスとかあるのか!? どうりで溶け込むわけだ・・・まさかコイツの父親はカメレオンの獣人じゃないだろうな・・・。
「じゃあ隠密で狩りにいくっスよ!」
お、さっきより隠密を抑え気味でついてきてくれるんだ。 調整とか出来るのかこれ、便利だな。
「アニキ・・・居たっス。」
「え、どこどこ!?」
「あの耳の大きいやつっス。今日の夜飯にするっスよ。」
ほほう・・・なんと耳の大きいことか! うさぎっぽい見た目! 可愛い・・・殺すのがはばかられる・・・。
悲しいけどこれ戦争なのよね。 ごめんね、ウサちゃん!
パシュっていったで! 弓を取ったら自然と体が動いた! スキルってすげーや! これで弓道警察も怖くないね!
矢を番えて射るまでが一直線でピュっと飛んだ!
ごめんね・・・ウサちゃん。 いただきます。
ピュウゥゥって鳴く弱々しい声から生気が抜けていくのを感じる・・・。無駄にはしないからねっ!
「じゃあ・・・つぎはロッディーアっスね!」
そうだった!クエストはまだ終わっちゃいねぇぜ!
い、いないっっ!全然いないじゃん・・・結構、森の奥まで入ってきちゃったのでは・・・あれ? 俺たちどっちから来たっけ・・・。
「もしかしたらアニキの隠密に気づいてるかもしれないっスね・・・。」
なん・・・だと!? 暗殺一族の末裔の友人の又従兄弟であるこの俺の隠密を見破るだと!?
(いやそれもう他人ですけどね、マスター。)
まだ俺じゃあ女湯に入る資格はないってのかよ!!!クソぉっ!!!
「・・・シっ。 いたっス・・・・。」
急に小声になってどうしたんだいったい・・・。 ハッ! さっきみた画像のまんまじゃないか!
・・・・・・・緊張で汗が頬を伝うってやつだぜ・・・。 ギギギギギぃって言うこの弦の音に気づかないでくれよぉ・・・。
パシュッとな!!!!
あっ!!! 外れた! まずいっっ! 気づかれた!!!!
クソっ!逃げられる!! その前にもう一発だけでも!
ぐぬぬぬぬぬぬぬ!
「マスター! 矢! 矢を番えてないです!」
ん?何言ってんだ? まさかそんな馬鹿なミスを・・・。 本当に何も番えてないぃぃいー!
やっちまったぁー!? ん? パシュッ?
もしかして・・・なんか弓から出た・・・?
23日目!
遅刻しちゃってごめんなさい・・・。
エブリスタとマグネット!の短編のイベントに投稿していたら遅くなってしまいますた・・・。
言い訳無用! さっさとハラキリするべし! アーレー!
ちなみにツイッターから飛べるのでよければフォローお願いします!→@dontknowdirtfox




