19日目 しょうたはレベルがあがった!
「ごちそうさまでした!」
「いやーうまかったスね!」
ふぅ、ただ今私、フーリルの家におります。 ええ、ええ。分かっておりますとも。
レベルアップでしょう? 勿論ですよ!忘れるわけがありません!
では何故のんきにくつろいでてさっさとレベルを上げないんだ?そうおっしゃる気持ちももちろんわかります、しかし! しかしですよ!レベルアップなんて神聖なものを適当にパパパッと終わらせていいものなのでしょうか!
レベルを上げる時はね、誰にも邪魔されず
自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ
独りで静かで豊かで・・・
そう!この空間こそまさにそうだ!くつろげる癒しの空間!食後のこの多幸感の中でするレベルアップこそ至高にして最高!
「ふむふむ・・・まずはステータスを開けばいいのだな!」
名前:わたなべ しょうた Lv2 ↑1
年:17歳
種族:人
状態:なし
体力:38 ↑3 スタミナ:24 ↑4
力:3 ↑1 魔力:7 ↑2
知恵:4 ↑2 魔力量:25 ↑5
物理防御:3 ↑2 魔法防御:2
素早さ:9 ↑2 運:67 ↑5
スキル:初級魔法Lv1、スライム召喚Lv3 ↑1、基礎剣術Lv1
スキルポイント1獲得しました。
おお、おおおお!これは!このテンプレは!
「テレレレッテテッテー!しょうたはレベルがあがった!」
ふむふむ。 1上がっただけでもかなり上がったぞ!
ぱっと見た感じ・・・魔力と運が多めに上がってるな。一体どういう基準なんだろ。
「レベルアップとは様々な事象での経験値の獲得により起こる一種の成長でありそしてその経験値を得た要因によって決まる、だそうですよ、マスター。」
「わかりやすく言うと?」
「レベルアップするために頑張ったステータスが伸びるってことです、マスター。」
ほほう!わかりやすい! そうかースライム召喚とかの魔力量とあと・・・やっぱり運だよね! わかります!だって実際めっちゃ運よかったもん!
あとスキルのスライム召喚も着実にレベルが上がっていっておる!
このままスライム使いとして世に名を馳せるのもそう遠くないな・・・。
フハハハ! 我が人生は!可愛いスライムのハーレムを築くという大望の中にこそあるのだとここに見つけたり!
(いいですね、それ! せっかくの異世界ですもん! スライムハーレムヤッちゃいましょう!)
いやぁ!夢が広がるなぁ! 異世界生活! 二日目でもまだまだ魅力が溢れてとどまる事を知りません!
「アニキ!片付けも終わったんでそろそろ寝るっスよ!明日もクエストなんで!」
「了解だ!フーリル大佐!」
ランプの灯りを消すと部屋が急に静かになった気がするな。
決して寝心地はよくないけど空腹は最高のスパイスよろしく疲れって眠りの最高のスパイスだよね・・・。
あっ・・・やばっ・・・もうねむひぃぃ・・・まぶたが落ちてくぅ・・・お休み・・・異世界・・・。
(おやすみなさい、マスター。)
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ふわぁぁぁ、気持ちのいい朝! 小鳥の鳴き声・・・そしてまた俺のお鼻に遊びに来たのはとっても美味しそうな匂い・・・。
「おはようっス、アニキ!今日の朝ごはんは昨日の薬草の残りときのこ、ベーコンのソテーっす!おいしーっすよおー!」
ひええぇぇっ! なんてことをするんですかフーリルくんは! 朝から僕を幸せであっしする気ですか!
「いただきます!」
あ~~~~~うめぇぇぇぇぇ!シナシナと薬草と筋が美味しいきのこさん!
一見しめじみたいな見た目だけどシャキシャキとした食感! そしてこいつらに染み込んだ肉の脂・・・。
ベーコンはほとんど入ってないのになんでこんなに香ばしく香ってくるんだい・・・。
「相変わらずうますぎるよフーリルゥぅぅ・・・俺、お前とパーティー組めてよかったよ・・・。」
「なにいってんスかアニキ!本当に助かってるのは自分なんスよ!」
なんて謙虚な子だよ・・・。 俺はフーリルに助けられてばっかりだというのに・・・。 この子・・・絶対に幸せにします!
「ふぅ、ごちそうさまでした!」
もちろんお残しなんてありませんとも! お片付けはもちろん私が担当です!
作っていただいた感謝は行動で示さねばなるまいて・・・。
本当はもっと役に立ちたいんだけど今は目の前の事やっていきまひょ!
「あ、そだ!ログインボーナス!」
ほれほれ、ココがええんじゃろ、ぐへへへへ。 ガチャをポチポチしたろうね。
カシャンっと・・・初級釣りLv1!
んーむ、釣りか。 なかなかパッとしないのう・・・。
「何を言ってるんですか、マスター! 釣りと言ったら異世界スローライフのど定番でしょう! 異世界を満喫するのには欠かせませんよ!」
むむっ!確かにそうだ!釣り・・・。 まだ見ぬ魚・・・。 昼に食べる釣りたての魚の丸焼き・・・。 まだ見ぬエッチなマーメイド・・・。 まだ見ぬえっちなマーメイド・・・。
「まだ見ぬえっちなマーメイド!!!!!!」
「そうですっ!!!マスター!!!! 異世界種族コンプリートハーレム建設には欠かせませんっ!!!」
なんてこったい! 俺は当たり前のことを失念していたよ! この世に不必要なスキルなんてないのさ・・・。
そうだい!今日は釣りのできる付近でクエストでしょう!
おおー!朝のギルドは活気づいてるのう。 このドアをくぐる時のワクワク感は2度目にしてまだ最高潮!
「あ、キリューさん、おはようございます!!!」
「キリューさんおはようっス!」
「おお、お前らおはよう。昨日はどうだった?」
「へっへっへ・・・こいつを見てくださいよぉ。」
さぁ!いでよ!わらび餅ちゃん!彼の度肝を抜いてやるのです!
?ギュルルルルル?
「あぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ。」
「お、おう。そうか・・・じゃ、じゃあまた今日も頑張れよな!」
・・・こっちじゃなかった・・・くそう! なんでポッケに脱衣スライムが入ってるのぉ! もぉバカバカ! 誰だよこんなところに入れっぱにしたやつ!
キリューさんの引き攣った顔を見たか! いたたまれないよぅ・・・。
(・・・これには陰謀を感じますね。誰かがマスターを陥れようとしている・・・。)
くっ!なんて卑怯な奴! 俺と真っ向勝負するのが怖いからわざわざポケットに魔石を忍ばせるなんて!
これも人気者の不幸な定めなのか・・・。 だがしかし俺はくじけん! こんな時のために着替えもありまーす!
「むむむ・・・なんか周りがざわついているな・・・。 なんだ?」
「たぶんっスけど、アニキのイケメンさにようやくみんな気づいたんスよ!」
「あぁ~!」
「あぁ~!じゃないです!どっからそんなもの持ってきたんですか!!!さっさと普通の服を着てください、マスター!」
え、だって某ゲーム屈指の装備率を誇る装備なのに・・・ヒドイや・・・だってみんなが使うってことは強いってことじゃないか・・・
(エッチな水着の装備率の高さは絶対そこ以外にあるなんて口が裂けても言えませんねこれは。)
「とりあえずクエストをさがすっスよ!」
うーむ、まだまだ悩むのう・・・とりあえず釣り関係のがいいけどなぁー。
おっ!あった! ヘイメ15匹の納品!
「これにしようフーリル!」
「お!イイッスね、アニキ!ヘイメはうまいっすよ~。この周辺ならもう一個受けるクエストも幅があるっスけど、なにか要望とかあるっスか?」
うむむむ・・・迷いどころだな・・・俺のやりたいことは・・・。
「あ!基礎剣術を試してみたい!」
忘れていたよ!忘れて!基礎剣術の存在! そうだよ!ここから俺の剣聖としての華々しい第一歩が始まるのだ・・・。
「じゃあ・・・そうっすね。モンスター討伐系で・・・これなんかどうっスか?」
「どれどれ・・・はぐれゴブリンの討伐?」レベルがあがった!
プロローグも合わせてとうとう20話達成です!
ちょっとお試しで投稿時間をずらしていきます!




