18日目 君の名は。
「ハイスライム・・・?」
ふむふむ・・・低級であるスライムが進化を遂げた形態。・・・環境や食事、そして魔石を摂取することで進化し、その条件にあった様々な効果を発揮する・・・。
「ほえ~、スゴイっすアニキ!ハイスライムなんて初めて聞いたっすよ!きっとアニキに見合う最強モンスターっスね!」
「へー、珍しい物を手に入れたねー。ハイスライムか・・・僕もこの本以外で見たり聴いたりしたことないなー。」
つまりかなりのレア!スゲェや、わらび餅ちゃん!見た目が可愛いだけでなく珍しいだなんてまさにアイドルじゃないか。そうです!一緒に、スクールアイドル始めませんか!
「可愛い上に珍しくてしかも回復させてくれるなんて完璧ですね!マスター!」
「ん、ちょっとまって・・・もしかしてそのハイスライム、回復魔法が使えるの?」
「魔法かどうかはわからないけど傷を治してくれたんだ!わらび餅たんマジ天使!」
「あーなるほど・・・ちょっと召喚してみてくれるかい?」
「え・・・ライネのエッチ///」
「なんで今の流れでそうなるかなぁ!?きったないスライムじゃなくてハイスライムの方だよ!」
む、なんだ。そうなら最初からそういえばいいのに。まったくぅ・・・わかりづらいんだから!
ではお見せしてしんぜよう・・・我がパーティーの紅一点!最カワスライム、わらび餅ちゃん!
おお、おおおおおっっ!なんだか脱衣スライムの時とはまた違った感じ!流れていく魔力は・・・むしろ少ない?腕から竜巻見たく螺旋を描いて魔力が綺麗に吸い込まれていく!
スポンっ!って感じだよね!空中で生まれるよね!はい可愛い!はい最強!
「うわぁぁああ!めっちゃ可愛いじゃないか!!!なんだいこの子は!!!」
むむむっ!ずるいぞわらび餅!まだ俺もライネに包容されてその二つの低反発を味わったことないのに!
「・・・僕も可愛いですよ?」
「・・・私も可愛いですよ?」
「うわぁ、相変わらずビックリするぐらい欲望に素直だね君たちは。このスライムみたいに大人しくしてくれたらもうちょっと可愛げもあるのに。」
HAHAHA、冗談きついぜ!俺たちはうるさいのが可愛いんじゃないか!まったく照れ屋さんなんだから!
「よっと。」
わわわわわわ!急に手のひら切ったよこの子!そこはリストカットの場所じゃないよ!というかダメだよそんなことしちゃ!メンがヘラってるなら相談してよね!グロイのダメなんだよ!ライネが傷つくくらいなら24時間寄り添ってるよ!
「うわぁ!本当に治った・・・しかもこれ魔法じゃない・・・?というか気持ちい~なにこれなにこれ!」
ふっふっふ、どうやら気が付いたようだな。我がパーティーのわらび餅ちゃんは最強なのだ。貴重な回復要員、そして癒し要因その両方を兼ねさなえた最強のモンスター、いや仲間よ!
お、傷直して喜んでる?ぴょんぴょん跳ねてるよ。まっこと、愛いやつめ。そうだ、ちょっと多めに取ってきた薬草をちぎってあげよう。やはり仕事に対価は必要不可欠!ほれほれー美味しい草やぞー。
「見てくださいマスター!これは言葉を交わさずともわかります!喜んでいますよ、マスター!」
「わらび餅ちゃん流石っす!やっぱりモンスターにもアニキの優しさが伝わったんスね!」
おお、おおおおう。足に身をすりよせてくる・・・かわええのうかわええのう。
抱っこしてあげようね!ほらほら!ふおおおおおおおおおおお頬ずりはダメだって!それ以上は幸せの許容量がオーバーしちゃうよおおおおおおお。
「よーし、よしよし。いいこいいこー。」
「ずるいですマスター!私もムツゴロウムーブキメたいです!」
「でもお前、手ないじゃん。」
「・・・人を呪わば穴二つ。ケツ穴増やされたいんですか?マスター。」
怖っ!だってしょうがないじゃない!あなたに手がないのは私のせいではございません!っていうかその言葉そういう意味じゃないからね!そんな使い方するのあなたぐらいですからね!
「え、えへへへへー。あのーもしよろしければそちらのハイスライムを購入させていただくことって・・・。」
「「「駄目!(です!)(っスよ!)」」」
「ですよね~・・・。」
ウチの可愛い子を売るなんて考えられません!どこに自分の子供を売る親が居るもんですか全く!
「いやー、でもそのハイスライム、めちゃくちゃすごいよ!回復魔法でない回復手段だから魔力もいらないし・・・スライム召喚だから魔力消費も少ないんでしょ?」
「んーと、たぶん普通のスライムより少なくていいっぽいかな。」
「うわーまじかー!羨ましいな全く!どうやったらそのスライムが入手法だけでもいいから教えてよ!もちろんタダとは言わないからさ!」
ムフフフフフ、では情報の対価は体で払ってもらおうかのう。
「うわぁ。もう顔で何考えてるかわかるよ。頭の中にちっさいおっさんでも飼ってるのかい、君は。」
フフフ、男は中学生の頃からずっと心に中年エロオヤジを飼っているのさ。そしていつだって中年エロオヤジは俺に囁くんだ・・・なぁ・・・スケベしようや・・・ってな
「いえいえ、ただで大丈夫です!マスターも私もフーリルもお世話になりましたから。えっとですねぇ・・・。」
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「っていうか何ナチュラルに薬草の魔石とかゲットしてるんだい!?」
おおう!びっくりしたぁ!なんだなんだ!俺がめくるめく妄想をしてる間に何があったんだ!
「はぁーマジかー。薬草の魔石かー。いったいどんな運をしてるんだい!ずるいよ!」
やっぱり薬草の魔石ってかなりのレアだったぽいな。フハハ、さすがラック全振りの男と呼ばれた男よ!鉛筆一本でテストを幾度となく満点を取ってきた男を舐めるでない!
(とんでもない豪運ですね。流石にドン引きです、マスター。)
へへっ、実を言うとちょっと盛っちゃいました。カッコつけちゃった!てへぺろ!
(うわウザ!うざいです、マスター!世界一うざいテヘペロです!)
全く、なんてひどいこと言うんだ。俺にだって心はあるんだぞ!みんなみんな生きているんだ友達なんだ!だから優しくしないといけないんだ!
「じゃあアニキ!わらび餅の事もわかったことですしそろそろクエスト達成報告に行くっスよ!!」
ふむ、確かに長居しすぎたかもしれんな。このお店のちょっと古くて暖かい感じ・・・なんだかずっといたくなっちゃうんだよなぁ。
雑貨屋ねこじゃらし・・・なんというポテンシャルの高さよ・・・。
「じゃあライネっちありがとう!助かったよ!」
「んーいいよいいよ、僕も面白いもの見れたしね!また面白いものあったら持ってきてよね!絶対だからね!」
んーなんと気持ちのいい子なんでしょう!結婚しよ。
(ライネたんは私の嫁です。譲りませんよ、マスター。)
まったく、ライネたんは一人の身には余る魅力だとまだ分からぬか、一妻多夫多妻制・・・そう!つまりライネたんには多くの嫁と多くの夫!
完璧だ・・・。
「ほら、ついたっスよアニキ!」
いやー今日も一日長かった・・・本当に・・・。
このギルドの入口のドア、両開きで頭と足の部分がなくて胴だけ西部劇の酒場のヤツ的なこいつを開けるとやっと終わったって感じがするね!
くぅ~ここで一杯シュワシュワを引っ掛けてぇぜ!まぁ17歳なんで無理なんですけどね!
「はい!クエストの依頼書と必要アイテムです!」
よっしゃっ!完璧完璧!ここまで完璧な一日もなかなかないぞ!しっかりとクエスト報告も俺が出来た!
「はい、確かに預かったよ!クエスト達成おめでとさん!」
「ありがとオバちゃん!」
「ガハハハハ!元気のいいアンちゃんだねぇ!でも次からはおねえさんと呼んで欲しいね!」
「うっす!おねえさん!」
快活に笑う受付のおばちゃん!完璧だよ完璧!マイナス要素は一体どこだい!
ん?ピロンっ?
「チュートリアルが追加されました。」
「なんだなんだ・・・?チュートリアル:レベルアップ・・・?」
毎日投稿15日目です!あと17日!今日で折り返しかと思ったら明日でですね!
頑張っていきましょう!