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 焼き尽くされそうな日差しだった。

 ユージーン・スリー<UG-3>は今、高速で目的地へと進行中だ。

 海と空の間をを貫く、この地域唯一の交易道路帯の末端に近づくと、透明な特殊強化ミラーで作られた乗り物の床一面のサンゴ礁が映し出されている。

 実際に床面が透明なわけではなく、床一面に張りつけられたパネルに超高解像度でその下にあるものが映し出されている。


 外側からはただの銀色の楕円体が高速で移動しているようにしか見えないが、内部は実に快適で僅かな振動さえ感じない。

 出立時には地平線のわずか上に顔を出していた太陽は中天にかかり、日差しの絨毯攻撃が次々と一面の青色の液体の群れの表面を突き抜け、中で歪曲し、その像を歪めている。

 時折思い出したかのように魚の鱗に当たった光が反射し、瞬く。


 屋外で感覚制御システムを感知モードに切り替えると、熱と痛覚を一度に感じられそうな数値が外部温度計に表示されている。

『お客様にお知らせいたします。もう間もなく目的地に到着いたします。降車準備をお願いします。』

 滑走駆動機(グライダー)のパイロット機能によって作り出された電気信号が頭部に付属しているレセプターを通して感覚制御機構に送られてきた。


 今たった一人の乗客である男に降車準備を促したの滑走駆動機に搭載されている|知能機構《intelligent module》だ。

 この滑走駆動機は前時代でいうところのタクシーとでも言えるだろうか。

 それが今や知能そのものによって運営され、無人で目的地から目的地へと対象物を運搬する役割を一手に引き受けている。


 声帯を行使することなく情報伝達が可能になってから、同族同士間のコミュニケーションは単純化され、構築された情報を瞬時に相手に伝えられるようになった。

 怠惰への欲求が便利さを生み出すのは歴史上よくあることだが、古代人類は自分たちが置き去りにされた世界がここまで高度に発展するなんて夢にも思ってなかっただろう。

 それはさておき。


 一人貸し切り状態な滑走駆動機はなめらかな動きでドッグに収納されたのち、プラットフォームのロックを解除する。

 そこを通り抜ける際、ハンズフリーで生体スキャンが施され、確実に乗客が乗り降りしたことが記録される。

 そして生体情報に紐づけされた電子バンクから自動的にタクシー運賃が引き落とされるというわけだ。


 男が降りたあと、駆動滑走機はすぐさま踵をかえし、次の目的地へと出発した。

 男はその後ろ姿を目端にとらえつつ、あたりの様子を観察する。海を背にした正面にあるものは、昔ながらのコンクリート造りの建物や鉄の塊としか思えないような、地べたを這いずり回るドーナツ型のゴムの塊が四つついた乗り物だった。

 ここはたった今まで男を取り囲んでいたテクノロジーはいっさい排除された空間だ。


 目の前には左右に伸びるコンクリート製の道路があり、その向こうはコンクリートで舗装された斜面、そしてその上にはモクマオウ科の木々が茂っている。

 男はアーカイブに保存された住居データを引っ張り出し、そこまでの地図を表示していると、二つの熱源がモクマオウ林の向こうから結構なスピードでまっすぐこちらに近づいてくるのを感知した。

 その二つの熱の塊は、3メートルはある目の前のコンクリートの壁から飛びだしてきた、ように見えた。

 突然のことだが、襲撃の可能性を排除しきれない。男は咄嗟に脇腹のホルスターから二丁のラジウムガンを取り出し、構える。

 二つの塊は乗っている自転車ごと激しく地面をバウンドしながら、男の目前1メートルのところで急停止した。

 熱源があと5センチでも近づいたら、躊躇いなく打ち殺しているところだ。


「あい、山の上からさ、海からなんか近づいて、くるのが見えたから、あわてて見にきたさー」

「はぁ、はぁ……にーにぃは外から来た人ね?めっずらしーい、ね」


 木々の間から飛び出してきたのは、ニンゲンの子どもだった。

 微差ではあるが、背が低いほうは茶色に焼けたショートカットに前髪をちょんまげのように結い、健康的に日焼けをした肌に大きい二重の目から利発さが見て取れる。もう一方の背が高いほうは肩までの長さの黒髪の先端が日に焼けて茶色く色づいている。こちらもぱっちりとした二重と垂れ目な目元に小さな鼻の上から頬にかけてそばかすある。


「貴様ら、あと一歩でも近づいてみろ、打ち殺すぞ。」

 男がそう答えると、ピシッとした効果音が聞こえてきそうなほど、二人のニンゲンの子どもは綺麗な気を付けの姿勢をとった。


「まずは素性を名乗れ。話はそれからだ」

 男がそう言う。


「はい!自分は島の西の上に住んでいる、ケンユウの次女、ルミであります!ぷりーずこーるみーるーみー!であります軍曹!」


「自分は、島の中の原に住んでいる、タケシの三女、5人兄弟の5番目のユウカであります!ぷ、ぷりーずへるぷみーゆーかーです!軍曹!」


 目を爛々と光らせながら、そう答える二人の子ども。


 なぜ拙い英語を挟んでくるのか理解しかねるが、男はその様子から、敵ではないと認識した。

 少女たちが目の前に現れた瞬間に生体スキャンを実施し、武器の類は所持していないことを確認済だ。

「お前たちは島のニンゲンの子どもというわけだな。して、その軍曹というのはなんだ」

 


とりあえず、書いたところまで。尻切れですみませぬ。ジャンルとかタグとか、まっっったく理解していないので、追々修正します。

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