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夢物語り  作者: しまりす
3/4

クロバーの小箱はルビー.ハートの手に渡る。


クロバーの小箱はルビー.ハートの手に渡る。



上空からポッカリと円い空き地が見える。


梟フクロウの仮面を着けた黒い装いの貴婦人がボクの手を取る。


ボクを誘さそい彼女はそこへ降りて行く。


空き地に集まっている木人と呼ばれる人々。


木の葉や蔦で編んだ冠に緑一色の装いで身を包んでいる。


ボクを伴って空き地に降り立つた梟フクロウの貴婦人。


長い杖をついた木人の長老らしき人物が前に出た。


『一日千秋の思いで、お待ちしておりましたぞ。』


長老は格式のある鍵の掛かった古い小箱を小脇に抱えている。


梟フクロウの貴婦人は、優しくボクの背中を押した。


すると木人の長老は小箱をボクの目の前に差し出した。


『幸福を運ぶ王子よ。』


『この小箱の上に手を置きなされ。』


ボクは梟フクロウの貴婦人の方を一度見た。


暖かな笑顔で見守ってくれている。


ボクは言われるままに手を小箱の上に翳した。


ビユユユュュュユユ))))))))


その時、一迅の強風が空き地をすり抜けた。


長老の手にあった小箱は上空に巻き上げられ行く。


空を見上げる木人の長老と梟フクロウの貴婦人。


『しまった!!』


『待ち伏せておったのか!!』


地団駄踏んで杖を地に叩きつける長老。


空き地の上空を円を描くように舞う大きな紅き鳥。


その上に乗る不敵な笑い声の人物。


その手に小箱は抱えられている。


燃えるような色彩のドレスで装った美しき女王。


黒の貴婦人が手を翳して梟の群れを召喚した。


バタバタと勢いよく紅き鳥の周りを囲む。


『ルビー.ハートよ!』


『これ以上、罪を重ねるでない!』


木人の長老の叫び声。


梟の群れの追尾を振り切る紅き鳥。


『幸せのクロバーとやら、このルビー.ハートが預かる!』


『返して欲しいなら、そのエメラルドの王子を連れルビー山へくるがよい!』


『無事、たどり着ければの話しだが…アハハハハ』


ガックリと膝を落とす木人の長老。


『梟フクロウの貴婦人よ。』


『そなたの、苦労を無にしてしもうた……許してくれ。』


梟フクロウの貴婦人は、そっと長老を支えて立たせた。


『長老さま、まだ希望は絶たれたわけではございません。』


『幸せを運ぶ王子は、ここにおります。』


ボクの胸には、いつからあったのエメラルドのペンダント下がっていた。


『西の海に住む正義の剣を持つ王の

力を借りましょう。』


梟フクロウの貴婦人の言葉に木人の長老も深く頷うなづいた。


『こうなっては、やむおえん。』


『西の海の王、サファイア.スペード』


『彼の者は、かねてより深緑の姫クリスタル.ダイヤに思いを寄せておった。』


『ダイヤ姫が、この婚姻を受け入れてくれればよいのだが……』



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