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第十一話

「おーい、聞いてきたぞー」

「で、どこにあるんだ?」

「職員の話だとここから少し離れたところから見えるくらいの位置だってさ。解毒草が生えてるから分かるだろうって」

「なるほど解毒草の生えている場所か。それなら1カ所思い当たる場所がある」


 解毒草と言う単語を聞いて、すぐに自分達のいた場所が思い浮かぶ悠司。あの解毒草を取った位置からそれらしいものがあるようには思えなかったのだが、巣のある場所が窪地になっているになっていると言うのであれば納得がいく。仮に見つからないとしても周辺を探索していれば見つかるだろうと考え俊紀にそんなことを言う。


「そうなのか、じゃあまずはそこを当たってみよう」

「ああ」


 俊紀の言葉に短く返事をすると出入り口の方へと歩いていく。












 数分後、午前中に解毒草を取っていたところに来るが、やはりゴブリンの巣と思われるようなものは見つからない。


「見た限りだとなさそうだぞ」

「そうだな、少しこの辺を調べてみる」

「分かった」


 悠司が辺りを調べている間、暇になるので腰を下ろす俊紀。こういう魔物の探索などが悠司の仕事になったのは大分前の事で、決めた当時は悠司は割と不満げにしていたが今となってはもはや普通の事なので気にする様子もない。


「終わったぞ」

「そうか、それでどこだったんだ?」

「どうやら村から出て同じ距離くらいの反対方向だったらしい。もしかしたら村から一定の位置に解毒草が生えているのかもな」

「ふーん。じゃ、行きますか」

「ああ」


 悠司が魔法での周囲の探索が終わったことを伝え、その腰を上げる俊紀。これも2人からすればいつも通りの光景となっている。とりあえず早く片付けてしまおうとゴブリンの巣がある場所に向かうのだった。










「お、あったあった。見えるな?」

「ああ。しかしまあ、規模は割と小さいな」


 歩くこと十数分、ゴブリンの巣を見つけた3人はゴブリン達に見つからない位置からゴブリンの大体の数を数える。ゴブリンは巣を作ると100匹は居てもおかしくは無く、その繁殖力がどれだけ高いかが良くわかるだろう。


 ゴブリンの巣の規模の大きさは一定の数を超えるごとに分けられるが、今回3人が見つけたのは小規模と言われる300匹に満たない小さな巣穴の密集地である。ゴブリンの特殊な特徴として、巣の規模が大きくなるにつれて強さの際立ったものが出てくる。それらはウォーゴブリン、ハイゴブリン、ゴブリンロードなど様々な名前で呼ばれるが、今回のような小規模ではまずいない。


 よって、悲しくもこのゴブリン達は俊紀達に蹂躙されるのがオチだ。


「グランドインパクトォ!」


 武術家スキル中級のアーツ、グランドインパクト。範囲を指定して足をふみならし、その範囲内の敵を攻撃するアーツで、扇状に衝撃が伝わるのが特徴だろう。敵が多いほどその需要は増し、威力は範囲が広がるほど下がるのでなかなか使いどころの限られるアーツだが、今回のような弱小モンスターの大群などでは良くつかわれるアーツの内の1つだ。


 このアーツによって、俊紀の目前150メートルほどが扇状に陥没し、その陥没したあとの地面にゴブリンがめり込み死亡する。作られていた巣穴も同時に崩落し中に居たゴブリンもただでは済んでいないだろう。


「こんなもんで大丈夫かな?」

「…じゃあ、後は俺が片付けてくる」

「了解」


 その様子を確認した俊紀は無事に殲滅出来ただろうかと疑問を口にする。崩落した巣穴の中にいたゴブリンは目視出来ないのでまだ生きている可能性があるのだ。それに、悠司が剣を1本出し陥没した地面へと降りて行く。


「この様子だと生きているのは埋もれてるだろうな…、出てくるのを待っても良いが、それだと時間がかかる。さて、どうしたものか」


 崩落し陥没した巣の跡を眺めながら暫く考えていたが、はっと思いついたように手を叩くと俊紀達の方へ戻る悠司。


「どうした?戻ってきて」

「久々にあれをやろうと思ってる」

「ん?あれって言うと、やっぱり、あれか?」

「ああ。爆裂拡散花火爆弾、通称かんしゃく玉だ」


 このかんしゃく玉と呼ばれる爆裂拡散花火爆弾だが、このアイテムは店で撤退用アイテムとして売っている爆音煙弾を生産職プレイヤーの中で花火師と呼ばれるプレイヤーが魔改造して作ったネタアイテムである。しかし、その威力はネタアイテムとは思えないほど協力で、一部のプレイヤーの間で行われた企画でこのアイテムのみでドラゴンを倒したと言う記録がある。


 形状としては普通の爆音煙弾に色を付けたようなものをしているが、遠くに投げることで球が破け、中に入っている直径3ミリメートルほどの大爆発を起こす爆弾がばら撒かれると言う、何とも使いどころの難しいアイテムである。


 悠司はこれを自身のスキルでつくる時に爆弾を覆っている膜を強化することでばら撒かれる範囲を縮小し、集中的な火力を生み出すアイテムとして運用している。それを、今回は久しぶりに使うと言うのだ。


「それなら、俺達は先に離れていようか」

「頼む」


 この数分後、村のギルドに局地的な流星群が落下したと言う情報が多数寄せられたのは言うまでもない。

最近短い上に拙い文章で申し訳ありません。


10月を過ぎたころになれば色々と落ちつくのでもっとまともなものが書けると思います。

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