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東方融合札  作者: 面無し
9/12

魔理沙の家に

 目を覚ますと、目の前には最近見慣れた神社の天井だった。

 魔理沙のマスタースパークにこっちの攻撃があたって爆発したんだったか。

相手のスペルカード中に新しくスペルを撃てるなんていう話は聞いていない。

霊夢の説明不足、それとも、魔理沙の反則だったのだろうか?

 頭を起こして周囲を見る。ここは居間らしい、隣の台所は霊夢が料理中のようだ。

外はもう夕刻が近いようで、襖が夕焼けの鮮やかな朱色に染まっていた。

 魔理沙は、机を挟んで反対側に寝かされていた。寝顔は難しそうな顔。

あまりいい夢は見れていなさそうだ。

 起きたことを知らせるために、霊夢に声をかける。


「おはよう」


「ああ、起きたのね」


 霊夢の返事に頷いてから、疑問を口に出してみる。

霊夢は「ああ、そのこと」というと、補足説明をしてくれた。


「一回の決闘に一度だけ、相手の弾幕にスペルを乱入させることが出来るの。

基本的には威力の強いスペルを選ぶのが定石ね。相手の弾幕を消せるから。

だだ、乱入させる場合はその威力はそのままでも、規模は弱いものになるわ。

相手の弾幕を打ち消して攻勢に出たい時、危なくなった時の緊急回避で使うものよ」


 なるほど、あの時、魔理沙はマスタースパークでおれの弾幕を消したのか。

理由としては、緊急回避のためが有力だろう、あたりかけていたし。

 ふむ、一応疑問は晴れたな。ただ、どうして説明がなかったんだろうか。

 霊夢を見ると、霊夢は苦笑して謝りながら説明した。


「悪いわね、いきなりルールを詰め込むのもどうかと思ったのよ。

魔理沙にも後で説明するから使うなって言っておいたんだけど……」


「意味なかったってことか」


「うん」


「仕方ないか」


 ふむ、悪気が合ったわけじゃなさそうだし、気にしないでいいだろう。

 そうか、スペルカードルールには乱入スペルなんてものもあるのか。

威力の高いもので一発逆転を狙う……なんか格好良い気がする。

俺も、乱入用のスペルを作ってみることにしよう。聞く限りは簡単そうだし。

 まぁでも、その前に魔理沙を起こしたほうがいいだろう。


「おうい、魔理沙、そろそろ起きろよ」


「うーん、廊下がー終わらんー」


 どんな寝言だ。そんなに俺のスペルは反則級だっただろうか?

 そんなことを思っていると、霊夢が魔理沙の頭を小突く。


「起きてるくせに寝言なんて言ってんじゃないわよ」


「……ばれた」


 こづかれた魔理沙はそんなことを言いながら目を開けた。

ということは、さっきの寝言は魔理沙が勝手に言ったことだったのか。

うん、魔理沙が冗談で使うようなものだったんだし、そこまで反則じゃないだろう。

まぁ、一晩かけて作ったのがその程度立っだとは少し残念だが。

俺もこの間来たばかりの人間だし、そう簡単ではないということだろう。

 魔理沙は起き上がると伸びをしたあと俺に軽く謝った。


「すまん、ついうっかり乱入させちまった」


「いいよ、もうすんだことだ」


 こちらも軽く返してこの件は一件落着になった。

 本日の夕食は霊夢が一人で作ったらしい。


「どこかのお手伝いさんが寝てたおかげでね」


「ああ、うん。ごめん」


「いいわよ。気絶した人間叩き起こすほど私は鬼畜じゃないもの」


 霊夢はそう言って笑うと、さっさと台所の方に戻っていった。

 霊夢にありがとうといってから、外の空気を吸うために襖を開ける。

襖の向こうにあった焼けつくような朱色の空が目の前に広がった。

 深呼吸をすると、緩やかでありながらどこかスッキリとした気分になった。

夕焼けの光は意識を落ち着ける効果があるとどこかで聞いたことがある。

ここから夜になるため、活動を休止に向かわせる効果があるとかないとか。

どちらでも構わないが、居間の俺には確かにそんな効果があると思えた。


「うん、気持ちが良い」


 今の気分に対する素直な感想を呟く。今なら何がっても驚かないだろう。

 そう、何気なく人里の方を見て、赤い霧がさっきより広がっていてもだ。

 人里の向こうにあった霧が明らかに昼間より広がっている。

血のような赤い霧であるために、なにか不吉なものを感じずにいられない。


「どうしたんだ? 難しい顔して」


 霧を見た俺に魔理沙が声をかける。

それへの答として赤い霧を指さすと、魔理沙も外へ出てそれを見た。


「あれだよ」


「なるほど、赤い霧なんて珍しいよな。私もあんなのは初めて見たぜ。

人里の方には来てないし、今はそこまで気にするものでもないんじゃないか?」


「そうかな?」


「そうそう」


 魔理沙は軽く言ったが、俺にはどうしても何かるような気がしてならなかった。

今は俺自身に害がないからいいが、もし、何かあるならどうにかしようと思う。


「あ、そうだ。統治さ、私の家に来てみないか?」


「あー……えっとぅ」


 霧を見ていた魔理沙が急に俺を誘ってきた。

女の子からの始めてのお誘いに答えに詰まってしまう。

 魔理沙はそれを探ってるとでも感じたようで、理由を説明してくれた。


「霊夢がお前は霊力とかが感じられないって言ってたんだ。

それでさ、私の家にそういうのが見える眼鏡があるんだ。

霊夢の手伝いには必要だろうし、見えればまだマシだろうしさ。

それに、私は使わないからどうせならと思ってさ」


 なるほど、神社のみこの仕事の手伝いならば必要だろう。

幽霊を見たりとかも必要になったりしそうな気がするし、

持っていて損はしないと思う。


「じゃあ、ありがたくもらおうかな」


「おう、私は今日は泊まるし、明日の朝、出発だな」


「わかった」


 そうなこんなで魔理沙の家に行くことになった。


      ****


「よし、行こうか」


「はいはい」


 朝食とその片付けを終え、魔理沙の家に行こうと外へ出る。

そういえば、朝食の前だったかに霊夢に上半身を採寸された。

服があるのになぜ測るのかという疑問も有るにはあるが、

霊夢は「気にしないで」と言っていたので特に言わなかった。

 でも、気になるものは気になってしまう。何を作るんだろうか。

 まぁ、それはいい。と、気を取り直してボードに足を乗せ、固定する。

御札を使って神社の上空へ浮き上がりバランスをとる。


「準備は?」


「オッケー」


 「せーの」で飛び立ち、魔理沙の後を追いかけていく。

赤い霧を横目に見ながら、魔理沙の家があるという「魔法の森」へ。

 霊夢が飛んで行く姿がも見えた気がするが、気のせいだと思う。




「さて、行ったわね」


 飛んで行く二人を見てから、私は魔法の森の入口の方へ移動した。

 店へと入り、店主はどこかと周囲を見回す。見当たらないので呼んでみる。


「香霖、香霖、いないの?」


 奥の方から声が聞こえてきたので移動すると、

台所で何やら外の道具をいじっている店主を見つけた。


「やぁ霊夢。きょうはどうしたんだい?」


「今日はちょっと服を作ってもらいたくてね」


「ああ、新しく来たっていう外来人の人かな?」


「そうそう。測ってきたし、早速作ってもらっていい?」


 香霖は私の依頼を快く受けてくれた。

 やはり異変解決の手伝いには衣装も必要だろう。

家の人間ってわからないとせっかく解決しても意味ないからね。


「お代はどうしたらいいかしら?」


「そうだね…その外来人を連れてきてもらっていいかい?

使い方の分からない道具の使い方とかを教えてほしいからね」


「わかった。受け取りの日にでも連れてくるわ」


「じゃあ、そういうことで」


 そう言って私の持ってきた商談は終わった。

統治は衣装に喜んでくれるだろうか。

男の人にものを上げるのは初めてだから少し緊張する。

なんとなくだが、喜んでほしいと思った。



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