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東方融合札  作者: 面無し
8/12

魔理沙と勝負

「じゃあ行くぜ、魔符『スターダストレヴァリエ』!」


 そう大きく宣言した魔理沙の周りに魔法陣っぽいのが複数出現する。

そして、魔法陣は魔理沙の周囲を回転しながら星の弾丸を発射しだした。

 目の前は星、星、星、星だらけだ。弾丸同士の幅もすごく狭い。


「躱すっていうのは面倒だね」


 なんて呟きながらも、冷静に弾丸の間を抜ける。

そして、抜けている間に、弾幕迎撃用の弾丸を打ち出すことにした。

 スペルを攻略する際には相手への妨害として弾丸を撃ってもいいそうな。

でも、迎撃用だから、スペルカードみたいな大掛かりなものはダメとのこと。

 なので、今回の俺の迎撃弾は『迎撃用弾頭』というもの使うことにする。

 それを撃ってみようとすると、俺の周りに二つの黒い球体が現れ、

そこから黒い光線が魔理沙を狙って断続的に撃ちだされた。これが迎撃弾らしい。

自動で相手を追ってくれるらしい、とても便利だ。


「えらく面倒な迎撃だなっ、と」


 魔理沙は弾幕を展開しながらも俺の迎撃弾を避けて行く。

 そして、彼女に合わせてスペルカードも移動する。

弾丸の起動がそれて、避けるのが少し面倒になってしまった。

が、まだ焦るほど濃ゆいわけではないし、冷静に対処しよう。


「まだ大丈夫だね。これくらいはまだ大丈夫……たぶん」


 俺が迎撃弾を放ちつつ、魔理沙に向けてそう言う。

先日始めたばかりなので『たぶん』という確信のない言葉がついたが。

一応今のところは避けることに問題はないはずだ。

 迎撃弾による攻撃を続けながら魔理沙の弾幕を躱していく。

魔理沙が迎撃弾に当たる様子はないまぁ直線攻撃だし当たり前だろう。

当てれば早く終わるんだし、少々工夫してみようか。

 その場から大きくは動かず避け続けていたが、少し動きまわってみよう。

 まずは魔理沙を回りこむように旋回する。迎撃弾が魔理沙を正面に捉えた。


「あぶなっ」


 魔理沙はその迎撃弾を一回転しながら躱した。

一直線の光線のだから、動いても避けるのはそんなに苦労ではないのだろう。

 なにかいいものはないかと、御札の裏面に書かれた弾幕の一覧を横目に見る。

なにか良いのが……あった。『迎撃弾その二』を見つけてしまった。

弾幕に気を使いながら迎撃弾その二を使ってみる。

すると、左右の球体が赤に変わり、直線の光線がばらまき弾になった。

広範囲に広がる弾丸は相手を囲い込むのに最適に見える。

……なるほど、この二つを上手く使って攻撃すればいいのか。


「今度はばらまきか、色々便利な機能なんだなその板」


「やらんぜ」


 魔理沙が物欲しそうな目で板を眺めてくるのにそう言った。


「ふーん、ま、いいか統治を倒した後でゆっくり見ることにするよ」


「へぇ、私が負けたの間違いじゃないくて?」


「いいね、やれるもんならやってみな!」


 そんなことを魔理沙と言い合いながら、

魔理沙の周りを回ってばらまき弾を展開していく。

彼女はそれを小刻みに動きながらそれを避け続ける。

 俺の方はというと、弾幕も小刻みに揺れてとても避けにくくてピンチだ。

迎撃弾を切り替えて弾幕を避けることに集中する。

直線の光線なら特に狙わなくても大丈夫なはずだ。

そんなことを考えながら弾幕を避けていると、


「えっ、なんでそんなとこに光線が……あだっ!」


魔理沙の大きな傷みの声とともに弾幕が一気に消え去った。

なるほど、撃墜されるとああなってしまうのか。とても痛そうだ。


「あたたた」


「じゃあ、これで一回目だな」


「くそぅ……いいさ、そっちの弾幕をさっさと終わらせれば良い話だ!」


「初心者だからね、お手柔らかに頼むよ。

まぁ、できるだけ敵うように頑張ってはみるけどね」


 そう言いながら胴着の懐から今朝作ったばかりのカードを取り出す。

魔理沙はそれを見てニヤリと笑いながら大きく言った。


「さぁこい!」


「行くぞ、永続『無限回廊』」


 宣言とともにスペルカードが弾け、弾幕が発動した。

 魔理沙が宣言と同時に迎撃用であろう弾幕を発射し始めた。

まぁ、待ってくれるはずなんてあるわけがないだろう。

 俺はすぐに避けるために魔理沙から離れるように飛んで行く。

その間に、俺のスペルは着々と展開されていった。

 まず、俺と魔理沙を長方形の檻になるように光線が取り囲み、

次に、俺の周囲に黒い球体が五つほど出現し、俺の周囲を回転する。

最後に、その回転している球体からばらまき弾がこれでもかというほど放たれた。

 霊夢曰くスペルカードは全自動で動くらしい(例外もあるらしいが)。

どんな技術なのか検討もつかないが、全自動なら維持を気にせず戦える。

 このスペルはその名の通り廊下から思いついたスペルだ。

魔理沙と俺を囲む檻は常に大きさが同じだ(柵になっている光線が変わらないため)。

そして、俺が動けばのに合わせてこの檻状の廊下も移動する。

魔理沙は、前面からのばらまき弾を避け、後ろから迫る壁から放れ、

俺の気まぐれで曲がってしまう前方の廊下に気をつけなければいけない。


「どうだ! 徹夜して考えたんだぞ!」


「感想か!? えげつない難易度だぜ!」


 魔理沙は俺の方も見ずに弾幕を避けながら俺を追っている。

俺も魔理沙の迎撃弾に当たらないように離れるかそれから逃げるように飛んでいる。

 俺が迎撃弾を避けるように飛ぶせいで、廊下が曲がって魔理沙は面倒そうだ。


「いやはや、弾幕を撃つ機能が板にあってよかった」


 そうでなければ弾幕を撃つことを覚えることからしなければいけなかっただろう。

今のように自由にスペルカードが打てるのもこのスケボーっぽい板のおかげだ。

なんだかんだで問題なくここに居られるのも元凶の用意した道具のおかげか。

……まぁこんな状況にしたやつが安全を保証するのはあたりまえだよな。

安全の保証もなしに今までの生活を一変させろというのは無理な話だ。

 さて、魔理沙はここに元から住んでいるだけあって中々当たらない。

確かスペルカードによって打てる時間帯も決まっていたはずだ。

このままだと時間切れで攻略ということになってしまうだろう。


「へっへっへ、えげつないことに変わりはないけど、

慣れれば結構単純な弾幕だぜ! このスペル見切ったり!」


 ついに魔理沙もそう言い出したし、今のこの弾幕じゃ倒せないか。

まぁ、このスペルがばらまき弾で終了するならの話だけど。


「それはどうかな?」


「何?」


 一度言ってみたかった言葉を発しながら不敵に笑ってみると、

魔理沙は眉をひそめながら目を細めて警戒を始めた。まぁ普通だな。

 そろそろ始まる頃だろう、そんなことを思ったと同時にそれは始まった。

 俺の周囲を回っている球体から、追尾弾がばらまかれ始めたのだ。

継続されるばらまき弾と、追加ではいった追尾弾。この二つは厄介だ。

自分を的確に狙ってくる弾丸を弾丸の雨の中で避けるのは意外と難しい。

小学校の時のボール無制限仲当てで学んだことだ。

 魔理沙はそれを見て、嫌そうな顔をしながらも弾幕に飛び込んできた。


「本当、質の悪い弾幕だな!」


「徹夜の成果は伊達じゃないってことだよ」


 そう言って笑いながら魔理沙の迎撃弾を避けていく。

そろそろ当たるかと思ったところで、魔理沙がスカートから何かを出した。

 目を凝らしてみると、それは手のひらサイズの八卦炉だった。

なんで今そんなものを出すのだろうか、迎撃弾を変えたりするのだろうか。


「恋符」


「へ?」


 スペルカードの前置きを魔理沙が口に出した。

それを聞いて、驚いた俺は一瞬動きが止まる。


「『マスタースパーク』!」


 何故スペルをつかえるんだ?

今は俺が攻撃する側なんじゃないのか?

 そんなことを考えている間に弾幕が魔理沙の光線にかき消されていく。

俺はとっさに今朝見つけた弾丸をぶっ放していた。


「『流星の尾』!」


 そこから先は光線同士が当たった衝撃で吹き飛ばされたところまで覚えている。

そこから先は覚えていない。

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