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第6話

ドカッ、バキッ、バキバキバキッ!!!


ここの治安は最悪だな。何回も襲われてる。


今しがた襲って来た男6人をまたぎ、目の前の建物に目をやった。


ドゥンケルハイト孤児院...まあいわいるガキ共の溜まり場だが、その実態は簡単にいえばバラリオの"兵器製造工場"だ。身寄りのなくなったガキどもに食事や寝床を与える代わりに武器を教え、人を殺すことを教える。


「カギは閉まってるな。」

「うおぉぉぉぉっ!!!」

後ろから襲って来た別の男の顔に拳を埋めたあと、門をよじ登る。


ガキ共どころか、人がいる気配もなかった。ガキたちがやったのか、ガラスというガラスが割られている。荒らされてるといえばここのみなのでガキ共は自ら出て行ったと考えるのが妥当だろう。


割れているところから内部に入った。

ガラスが散乱しているところ以外は特におかしいところもない。と、思ったが...1つ目の扉を開けて、ここはやっぱり"おかしい"と思った。

予想以上に大きな部屋には武器という武器が大量に部屋を埋めていた。

「へっ...頂きだ。」

タダでもらえるなんてラッキーだな。ショットガンやライフルまである。

...ショットガンなんてガキが使ったら上半身吹っ飛ぶよな?まあどうでもいいが。

ナイフは赤ん坊くらいの巨大なものから針のように細くて長いものまで様々な形のものがあった。銃関連は対魔法生物用はないようなのでナイフのみ頂戴した。ガキのくせにこんなもの扱うなんて生意気だな。

ナイフ5つくらいをポケットに突っ込み、部屋から出た。


前にはもう一つ部屋がある。左には階段があり、地図みたいなものもあったが落書きがひどいから読めない。

前の部屋に入ろうとしたが、鍵がかかっていて開かなかった。

破壊してもいいが、余計な体力を使いたくない。リュックからキーピックを取り出し、鍵穴に突っ込んだ。

魔法で閉められている鍵でなければこれで開く...


ガチャ


「ビンゴ...!!」


鍵があるなら、重要な部屋に違いない...


部屋の中に規則正しく資料が並んでいた。ガキ共のことだろうか。22番の情報もあるか...?


「16....?20....22...あった...」

薄いファイルを開いた。


"兵器番号22番

出生地 不明

ONNA 投与完了

兵器番号9番と同様に高い身体能力を持つ

将来有望"


気の毒に22番はバラリオから目をつけられていたようだ。性別が書いてないところをみると、本当にガキ共を道具にしか思っていないようだ。

ファイルをリュックに突っ込み、部屋を出ようとした時だった。





「...頼むから、もういなくならないでくれないか?」

「ごめんなさい...」

「でもよ、仕方ねえだろ?みんな忙しいんだからよ?」

「君たちがいなくなったらますます忙しくなるんだよ。」


誰かいる...!!耳をすませる。足音からして4人、男3人女1人。匂いからして魔女と狼人間が1人ずついる。...いやケンタウルスも?

「待って。」

初めて聞く声がした。一斉に足音が止まる。

「なに?」

さっきの女の声。

「なにかいる...」

ガチャリと武器を構える音がする。


やばいな...匂いを感づかれた。

「あの部屋からだ。」

「武器庫だな。」

「パトリック、ついて来てくれ。ブラットはリンジーと一緒に。」

隠れられる場所をとっさに探したが、机の下しかない。仮にばれたら逃げられる可能性は低い。と思いつつ机の下に体を押し込む。

「武器庫は構造が変だ。俺もついていく。」

「そしたらリンジーが1人になるだろ?」

「私は大丈夫よ。心配しないで。」

しばらく沈黙が続いた。

「...分かった。リンジー、気をつけて。僕の鼻は普通の狼人間と違って正確じゃないんだから...」

「分かったわ。気をつける。」

3人くらいの足音が遠くに消えた。

こいつらはバラリオの調査班か?無意識に足音を消そうとしている奴らが1人ほどのいた。でももう1人は獣が忍び寄る感じの歩き方だしあとの1人は一般市民の歩き方だ。アージュドールか?

というか、狼人間のような奴がいるなら絶対こっちにも来るじゃないか。走って通りすぎよう。逃げて....



ガチャ。




は....?


足音が近づいて来た。女の足音だ。



ウソだろ?!ちゃんと人のいうことは聞けよ!

「兵器リスト...?ひどいわね...」

こっちに徐々に近づいてくる。

ポケットに自分の手が届かない。このまま強行突破するか。


俺は机からガタガタと揺らして出た。


俺よりも身長の低い女と目があった。口を開きかけ....

「待てっ!!なにもしねえから!!」

女の口を塞ぎ、呪文を使いそうだったので手首も掴んでおいた。

「おい、リンジー?!」

どうやら、向こうの部屋の調査が終わったみたいだ。まずい...!!かなりまずい...!!

「あいてっ!!!」

口を塞いでいた手を女に噛みつかれた。

「助けてっっっっっ!!!」

「俺なんにもしてないだろっ?!」

叫んで扉を開けたら、男が3人いた。

「はあああああ?」

男たちの間をくぐりぬけようと試みたが誰かに腕を掴まれる。ポケットからナイフを取り出し手首に刺すフリをした。

「アブねっ!!」

するりと手が抜けた瞬間、割れたガラスをすり抜け門に飛びついた。

この門を抜ければ...

「こいつぅっ!!」

足に何かが絡みつく。

「やめろっ!」

ドサリと地面に叩きつけられ、痛みを感じる前に覆いかぶさった男にナイフを突き立てた。俺の眉間には銃口がある。

「リンジー大丈夫?」

「なんとか...」

周辺にいるのだろう。右耳から聞こえる声が頭に響く。

「誰こいつ?」

「お前こそだれだよ?」

「お前が名乗れよ。」

「お前が先だよ。」

のしかかってる男とこのやりとりをしばらく繰り返していた。








最後のほうがいきなりコメディ(笑)

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