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第4話

「君は何をしにここに?」

ジョーカーは今日の天気を聞くように聞いてきた。こいつは床にしゃがみこみ周辺の石をいじくっている。

「死亡者リストの作成だよ。ここを調べたら上に行くところだった。」

俺はスラスラと嘘を並べた。この嘘をこいつが納得するかは微妙なところだったが、全くない話ではない。

「ふーん。じゃあミアーナ女王のところかな?ダリア女王がそんなことすると思えないし。」

「...ああ。」

あのお人好しの仲間に思われるのはシャクだった。でもダリアのほうだと言えば嘘がバレる。

「君は...狼人間?それとも...」

「まあ、そんなところだ。...こっちからも質問しても?」

「どうぞ。」

「何をしにこんな場所に?」

自分たちが勝手に壊した場所にわざわざ戻ってくるとも思えない。足音もまっすぐこっちに来たことを考えると、やっぱり...

ジョーカーは立ち上がり、頭をかいた。白のようなブロンドの髪の毛が揺れる。

「妹がどうも巻き込まれたようでね。行方を追ってるんだ。」

妹ね...笑えるな。

「妹の名前は?リストで調べてやるよ。」

リストなんて存在しないけど。そっちのほうがリアルだしな。

「いや、死んではないよ。俺の妹は不死身でね。」

「そうか...なら安心だな。」

「匂いで探そうかと思ったけど、さすがにこのガレキの中だとかき消されてるな。」

こいつも22番を探してるとなると厄介だ。これからのルートも一緒になるじゃないか。

「見つかるといいな。」

「ありがとう。」

思ってもないことを言い、作り笑いを浮かべた。向こうもそれに返す。そろそろこいつから離れたほうがいい。

「じゃあ、俺は自分の仕事に戻るよ。」

「...」

あいつは返事をしなかった。少し不審に思ったが、これ以上こいつと話しててもメリットなんてなに一つとして存在しない。首が吹っ飛ぶ可能性が徐々に上がるのみだ。

走って通り過ぎたい気持ちを抑え、あいつの横を通った時だった。






一瞬冷たいものが肩に食い込んだかと思うと、頭に激痛が走った。

「...ったぁっ」

髪の毛が徐々にべっとりと濡れていくのが分かる。どうやらひどく出血しているようだ。

そして今自分はこいつに壁に壁まで激突させられ、こいつの片手で首を締められてることが理解できた。

「なにを...?」

「死亡者リストを作成してるとか言ったな?今そのリストがあるなら見せてもらおうか"雑種"くん。」

「お前...!!!」

「ああ言ってやるさ。君の様子はどうも俺がヴァンパイアだと知ってるような素振りだったからどうも変だと思ったんだ。それに君の血の匂いは人間でも魔法使いでもヴァンパイアでも狼人間でもない。最低でも3種類は魔法生物の血が混じってるな。」

首を締めつける力はどんどんキツくなっていく。

「さて、君は誰かな?アージュドールか?それとも"名もなき集団"の一味かな?」

「....さあな。自分で...考えろ。」

ジョーカーは獲物をしとめたヘビのように笑う。

「アージュドールは魔法生物を差別する普通の人間の政府の撲滅を目的としてる。まあ、今は俺たちを倒すことが第一優先になってるみたいだけどね....おっと!!」

俺は足を開き、体重を下に落とすことで一瞬あいつの手から逃れた。そのすきに走って距離を置き、マシンピストルを取り出す。あいつはまだニヤニヤと笑っている。

「ずいぶんな武器を持ってるね。やっぱりアージュドールかな。」

「あんなお前たちのスパイだらけのヤワなグループと一緒にしないでもらえるか?」

「そうか。悪かったね。じゃあ"名もなき集団"のほうか。君らの目的はなんなのかな?」

「...」

答えなかった。答えようが答えまいがこいつには関係ないんだろう。

「そっちはどうなんだ?魔法生物の擁護してんのかと思ったら無差別にいろんな場所めちゃくちゃにしてな。そうかと思えば若い女を次々と連れ去っていく。意味わかんねえよ。ハーレムでも作りたいのかお前たちのボスは?」

「さあね。俺はあの方に従うのみは。」

「なるほど。犬ってわけか。」

この発言でこいつが怒るのは分かってた。言い切る前にピストルを膝めがけて打ち込んだ。俺に飛びかかろうとしていたあいつはよろけ、ガレキの山に寄りかかった。

「バカだな。...」

血は出ない。わかってる。それに弾が貫かれたはずの膝が何事も無かったかのようにかすり傷ひとつもないことも。

「でも、軽い足止め程度ならできるさ。」

俺は"乾いた"髪の毛に触れた。

「あんたと探してるものは一緒みたいだから今から死ぬんじゃ意味がねえんだよ。」

あいつは体制を整えて俺を睨みつける。

「...やっぱりそうか。君のリュックからわずかだけどあの子の匂いがしたんだ。...返してもらおうか?」

だから俺を止めたのか。

「無理だね。お前のものでもないし、そもそも俺が手がかりとして使わせてもらう。」

時は迫っている。マシンピストルなどもうあてにならない。頼れるのは、自分の勘のみだ。あいつは少し困惑した顔だ。全く意味が分からないというように。

「...君にあの子は関係ないだろ?なんで...」

今度は俺が笑う番だった。







「兵器番号22番は...全てを知ってるんだ。お前らの目的、お前らの正体...お前らを倒す方法、全てな。」








俺は床にマシンピストルを打ちまくった。床はガレキの重さで一気に下に落ちた。待っていたかのように建物はバランスを崩していく。俺はそれを横目で見ながら窓から飛び出した。ガラスをブチ割り、ゆっくりと下に落ちていく。真っ暗な外でも迷わず走った。

完全なヴァンパイアに運動神経は負けるが、今の状況なら勝てる見込みがある。あいつは今砂ぼこりで嗅覚は使えないはず。それにガレキが行く手を妨害する。このまま逃げ切れるようなことを祈りながら走った。あっという間に壊れた町を抜け、草原を越え、森の中へと入っていった。


もう来ないだろう。大木に寄りかかりたい誘惑を押しのけ、最後の体力を使ってその大木を登った。地上で寝たらせっかくあいつから逃れたのにユニコーンやら野生のケンタウルスやらに殺される。

どのくらいの高さなのかは分からない。でも周辺の町が一望できるくらいの高さだ。

俺の来た方向からミアーナ女王の象徴でもある真っ白い城が見えた。その周辺には木々が生い茂りっていており、空は美しい夕空が広がっている。だが、さっき来た崩壊した村から飲み込むような黒い雲が浮かんでいる。それはこの森から反対側まで続いている。森の途中からは、緑が消えた枯れた木が点々としていた。森を抜けたところはもはや植物は存在しておらずどんよりとした小さい家の集まりがあったかと思えば、いきなり巨大なダリア女王の黒い城が現れる。ただでさえボロい周辺のものがますますみずほらしくなるような立派さだ。

あの城にバラリオのキングが...腹底からグツグツと熱いものが湧き上がってくる。

許せねえ。殺してやりたい。この手で形が分からなくなるまで...!!!!


....殺せばいいさ...


ああ、殺してやるさ。


...それがお前の役目だ...生きる目的だ...


...違う。それが俺の終点じゃない。それから俺は...


お前の生きる目的はそれしかない...


「っっっっっっせえっっ!!!!」


意味もなく空中を手に持ってる拳銃で撃った。ただ銃声が鳴り響くのみ。自分の意味の分からない怒りだけが残った。









活字活字かつかつかつかつかつかつ....(笑)読みづらくてすいませんm(_ _)m次から減る...と思います(笑)

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