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第1話

.....!!!!


かばっと起き上がり、拳銃を構えた。目の前にあるのは白い壁、壁、壁。

...妙にリアルなだったな。

いたるところがズキズキと痛み、汗が顔をつたう。

....ただの夢だ。気にするな。

俺は枕代わりにしていたリュックを開け、何も盗まれてないか確認する。特に盗まれてるものもない。"あれ"もしっかりと入っていた。



ドンドンドン!!

「ダンスト?起きてる?」

乱暴に叩かれ、ドアがギシギシいってる。

「起きてるよ...」

「急いで、今日はアージュドールの潜入の報告があるんだから。」

ベット以外に何もない部屋で1人、アージュドールという組織の名前がこだました。もしかしたら"あれ"に関する情報がなにか入ってくるかもしれない。





「...ダリア女王がミアーナ女王の領土以外は占領した。命からがら逃げてこられた奴らはミアーナ女王の方に匿われてるって話だ。」

「アージュドールのリーダーは精神的に追い詰められてる。魔法使いとしての実力は確かにあるが、バラリオからのスパイが大量に紛れ込んでるから市民からの信頼は徐々に薄くなっている...」


男が俺を含め5人、女が3人、このロウソク灯りのみの部屋で話に加わっていたが周りの奴らの話は別に大した進展があるわけでもなく、前から予測のついてた話を延々と続けるだけだった。

「だから今のうちにアージュドールを襲撃し...」

「もういいわ。」

ドン、と1人の女がテーブルを叩いた。



「さっきから聞いていれば、前から予測のついてた話を長々と...」

ハイヒールをコツコツと鳴らし、薄暗い周りを徘徊し始めた。

こいつの名前はキャンディス。俺たちのリーダー的存在だ。こいつが話し始めると、男さえも黙らせる力を持っている。

「アージュドールなんて、視界に入ってないわ。もうあいつらの活動が活発化した今、あのジョーカーですらほとんど顔が割れてるのよ?今するべきなのは...」

キャンディスはどこからかナイフを取り出し、くるくると手のひらで器用に回し始める。



「キングを知ること...そして...殺すことよ。」

ナイフを振り上げ、テーブルに突き刺したキャンディスの姿は悪魔そのものだ。ほぼ全員がビクリと体を震わせた。

「で、他に情報を持っているものは?まさかそれだけってことはないわよね?アージュドールに4人もスパイを送ってるのよ?」

皆が黙り込む。気まずそうにキョロキョロと周りを見ている。



長い沈黙が続き、キャンディスが息を吸ったとき沈黙が破られた。それは、薄気味悪い笑い声だった。

「ひぃっ、ひぃっ、ひぃっ、ひぃっ、ひぃっ....」

「...クライド、何がおかしいの?」

クライドと呼ばれた男はギシギシと椅子を鳴らして立ち上がった。フードを深く被っていて今は人相が分からないが、顔にはシワとシミが大量に刻まれている。この組織の情報網として重宝されている男だ。

「教えちゃおっかな~?最後のジョーカー...? ん?しかも、とんでもなーく強いけど弱点もある...」

クライドはまたひぃっ、ひぃっ、と笑った。キャンディスは俺の予想以上に食らいついた。

「最後のジョーカー....つまり...!?」

「我々が調べたバラリオのメンバーの中で最もキングに近いよおっ...」

その発言に沈黙を貫いていた奴らが騒ぎ始め、キャンディスが一喝した。

「黙りなさいっ!!!クライド、そいつの情報を...」

「これだよ、しゃ•し•ん」

クライドはロウソク近くに写真をおいた。




ロウソクの最も近くにいる俺は皆が群がる前にその写真をしっかりと確認できた。


繁華街だろうか、屋台らしきものがたくさん立ち並ぶ中で一際目立つ身長の高い男が、自分よりも身長の低い髪を結んだ女に恋人のように抱きついていた。嬉しそうな男とは反比例するように女はずいぶんと迷惑な顔で男を引き剥がそうとしていた。

「この男が...ジョーカー...キングに最も近い男...!!!」

俺はジョーカーなどどうでも良かった。それよりも気になったのは隣にいた女...俺が今探している奴だった...






兵器番号22.....イリーナ....





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