ショタと病気の併発
いやいや、落ち着こう。
高橋李依は確定ではない。
……そうじゃなくて。
「ああ、えっと、二コラを出来れば知られたくなかったんだ。それで何とか隠そうと」
「そうよ!」
それは無駄な抵抗な気もするけど。
でもそうすると……
「何でゲームのイメージのままの『エディット・クレッソン』演じてるの? 最初から優しいお姉ちゃんで良いと思うけど……」
「私も出来ればそうしたかった!」
あ、そうしたかったのか。
「でも、それじゃダメなのよ。二コラは自己肯定感が低い子でね。そのせいでただ優しくしても離れていく感じなのよ。で、島の雰囲気が弱さを許さない、みたいなところがあるから……」
茨城だもんなぁ。
「わたしが引っ張る感じで二コラを育てないといけなくなったのよ。ゲームの設定どおりに! ……まぁ、それでわたしを窺ってくる上目遣いがまた可愛いんだけど!!」
病んでやがる。
「でもシナリオ通りだと、結局主人公が盗って行っちゃうでしょ。そのルートは防ぎたかったのよ」
何ともはや。
「で! あなた可愛い男の子は……?」
「あ、ショタじゃないんで」
「ショタって言うな!!」
この声、寮中に響いてるんじゃないだろうか?
でもまぁ、「エディット・クレッソン」のやることだから、誰も触れてこないだろう。強いな「エディット・クレッソン」。
「そのルートは行かないから安心して。それよりも本来のシナリオだとどうなるのか説明をお願い」
「本当に大丈夫? 二コラの可愛さって悪魔的よ。こう……手の中に閉じ込めたくなるっていうか――」
「病気でもないので」
「病気じゃない!」
話が進まない。
でもそれで、エリーがこの世界に巻き込まれたのも……理解できるものだろうか?
私の水先案内人としての役割? そういう考え方はあまりにも自己が肥大しているようにも思えるけど……
「だ、大丈夫よ……す、少し落ち着いたから。君にシナリオの先を知ってもらった方が良いのは間違いないんだし」
私が他のことを考えていたら、エリーが勝手に整ってしまったみたい。
なら、特に何も言わずにエリーの言葉を待つか。
「まぁ、あたりは付いてると思うけど、私と二コラは戦う流れになるのよ――」
鉱毒で中央がグズグズになる。
カーディス地方からの嫌がらせもあり、グラナドス侯爵家は助ける義理もないし余裕もない。
で、王国は再起不能なるぐらいなるぐらいダメージを受ける。
特に中央は。「エディット・クレッソン」というかクレッソン侯爵家では、それも上等、みたいな感じだから本気で最悪のシナリオになるとのこと。
そこに《聖女》と協力体制を作ることに成功した二コラは、泣きながら「イル・ラーリア島」を抑え、その勢いでやっぱり泣きながら中央にいる姉を倒し――
「新しい王になるのよ。で、《聖女》が王妃」




