少し脇道。キャラデザの話
もちろん「ここグリ」も知らないエリーが知っているはずはなかった。「天使禁猟区」はワンチャンあるかも、なんてことを考えたりしたんだけど。
「で、それはなんなの?」
「ギルバート・ログレスを見た時に、その漫画に、というかキャラデザが似てるって思ったんだよね。それだけの話」
「ははぁ」
まぁ、あんまりわかってもらえる感覚では無い事はわかってる。
でも「広瀬アリス」はどうしても「御厨さと美」のキャラデザに見えてたんだよね。
「御厨さと美」というよりは「ノーラ」って感じなんだけど。
ちなみに「井上和香」は「ザラブ星人」に似ている。
「じゃあ、エルネストは?」
私がもう切り上げようと思っていたのに、エリーの方が食いついてきた。
私が名前を出しても、わからないだろうに。でもまぁ、付き合ってみるか。
「王太子ねぇ……う~ん、あの派手さ加減は『河惣益巳』とか『青池保子』とか」
「全然わかんない」
だからそう言ってるのに。
何となく悔しいので、逆にこっちから質問してみる。
「ゲームの『アリスの為に鐘が鳴る』ではキャラクター全部同じ人がデザインしてるんだよね?」
「ああ~……そういうのは知らないんだ私。マニュアルもあんまり覚えてないし」
まぁ、そうか。そういうものだろうね。
私もスタッフ全部知ってるなんてゲーム覚えがないもの。だからさっきの質問は牽制ぐらいしか意味は無い。
そろそろ本筋に――
「それで、ヘクターは?」
ところがエリーはこの不毛な会話を続けるつもりらしい。
でも――
「ヘクターって?」
「ああ、そこからなの? あなたと同じクラスのはずだけど。赤毛で、髪が長い――」
「あ、それなら心当たりがある。じゃあ、そのヘクターも攻略対象なのか」
上手い具合に、このまま本筋に復帰できそうだ。
「そのヘクターについて教えて。そっちもシナリオあるんでしょ?」
「……というか、グラナドスを知らないまま『アウクスブルク』に来たの?」
質問を質問で返されてしまった。
ああ、ヘクターってのはグラナドス侯爵家に関係があるのか。
それをエリーに確認してみると、
「関係も何も、ヘクターはグラナドス侯爵家の次男坊。長男との間に二人の姉がいるんだけど」
「あ、そういうことか……待って。その辺りは勉強したはず。ちゃんと思い出すから」
図書室での予習を無駄にするところだった。
その辺りの、表面上のプロフィールはそれこそマニュアルにも載っているに違いないのだから。
そこでグラナドス侯爵家について思い出してみると――
「――王国に襲い掛かってくるかもしれない『魔獣』を駆除してる。それなのに度々王国に戦いを挑んでいる。どうも図書室の本では、その理由が書かれてなかったみたいなんだけど……」
その辺りの「記憶」が出てこないんだよね。
検閲状態って事なんだろうか?
それを正直にエリーに尋ねてみると、彼女は「はぁ」とため息をついた。
「そういうことになっていたのね。その理由に関しては、一方的に王国が悪いとわたしは思ってるわ」




