入学式を迎えて
ちなみに、私も着る予定の普通の制服は白地です。汚れが目立ちそうで、洗濯についてあまり考えてないな、という感じのデザイン。
もちろん白一色ではなく、袖口やロングスカートの裾には幾何学模様が染め抜かれており、遠目から見ると割とそれっぽく見える。
その上から、やっぱり白地のショートコートを羽織る仕様になっていて、身分証明や学年を表す装飾品は、このショートコートにまとめられてる感じだね。
機能的と言っていいのかな? 内ポケットもちゃんとある。
で、そういったデザインをトータルで見ると、白き冥王と謳われたなのはさんの変身コスチュームに見えないことは無い。あれ確か「バリアジャケット」っていう名前だったっけ。
胸元の大きなリボンはないんだけど。
でもまぁ、全体的には慎み深い感じのデザインという事になるんだろうな。
改造を施したらしい「エディット・クレッソン」の制服がどうなっているのか、少し楽しみになって来た。
~・~
というあたりで、タイムリミット。
というか「本編」が始まってしまった。つまり入学式である。
全寮制なので、遠くからこの「アウクスブルク」に来ている生徒――私みたいな生徒って事だね――にとっては、そこまで胸躍る感じではない。
……と思っていたけど、同期はそんな事もないみたいだ。
何となく浮足立っている。
でもそれは当然の話で、ここで初めてはっきりと男子生徒の姿が確認できるんだから、年頃の娘さんとしては、落ち着いてもいられないのだろう。
私もそんな男子の中に見える、目立つ髪色はきっと攻略対象なのだろうと、さらに警戒を厳にして近付かなかった。
私の最優先は「エディット・クレッソン」なのだから。
男子に関しては興味が湧いてこない。
そこでいち早く会場に乗り込んでみたんだけど……それっぽい女子はいないなぁ。
あ、会場というのは、普段は生徒たちの運動に使われる「体育館」だね。
もうこういう、日本人の記憶に合致する建物があっても、いちいち悩まなくてよくなったのは……いい事なのだとしておこう。
ただ……そうなると「入学式」のやり方がよくわからなくなってきた。
これ最初にクラス分けをして、そこから揃って会場入りするんだっけ?
待てよ。大学じゃそんなことは無かったわけで、多分「アウクスブルク」は大学準拠な気がする。
だから生徒が単独で会場入りしても問題無いはず。
寮でのガイダンスでも、そう聞かされたはず。
つまり、さっさと会場入りした私の行動が悪目立ちする可能性が……ああ! 来賓の皆さんが集まり始めてる。
来賓と言っても、それはそのまま貴族って事だろう。という事は、今から会場を出たり入ったりは避けたいところ。実に怪しくなってしまうので。
こうなっては指定された席に座るしかないようだ。
幸いなことに「エディット・クレッソン」の席は前にあるので、そのままでも確認は出来そうだし。




