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改めて世界への疑問

 ここから私は「首都トレヴォロ」での散策でも始まるのかなぁ、と思っていた。

 でも「アウクスブルク」の寮に入ってしまうと、わざわざ街に出る必要が無い事にすぐ気づいてしまう。


 これから先、服とか日用品は買いに出なければならなくなったとしても、当面寮には何でもあったからね。

 私物に関しては、伯爵家の方々が全部部屋に運んでくれたし。


 こんな至れり尽くせり状態に対しては「これは楽」という感想の前に、


「閉じ込められてる?」


 なんて疑問を、口に出してしまう程に。

 ゲームではそこまで首都は設定されていない? なんてことも考えたりした。


 それで「アウクスブルク」から見れば部外者であるところの伯爵家の方々が、予定通りすぐさま寮から退去していくと、これまた手筈通りに寮母と思われるご婦人と面会。


 そして、すでに入寮していた面々と食堂での顔合わせ。


 その瞬間、私は何ともいやな気分になった。

 だってピンク色の髪って、やっぱり私しかいない。ああ、ごめん。桜色、だね。


 他のみんなは普通にありそうな髪色をしている。

 それなのに、私の髪色については誰も反応しない。


 ……まぁ、いいけど。


 そういう「世界」だとは思っていたからね。


                ~・~


 ハラー村からトレヴォロへの旅は、なんだかんだ言っても私の心を弾ませていたのだろう。

 

 だけど、やっぱり私の髪色が特異過ぎることを改めて認識すると、再び諦観が私を支配することになった。


 強制力(レル)によって学校に行くことが決定事項となって以降、私は再びこの世界は何なのか?


 ……を、改めて考えるようになっていた。


 まず、熊騒動の時までは本命だろうと思っていた「聖女もの」である可能性は限りなく低くなったと判断する。


 学校「アウクスブルク」が聖女専門の学校であるなら、まだ「聖女もの」である可能性は残されていたと思うけど、「アウクスブルク」はそういう学校ではないからね。


 リーヒルト王国の各地から、エリートたちが集う学校。

 それが「アウクスブルク」らしい。


 ここまではレルがあの時説明してくれた。私はさらに「アウクスブルク」についての詳しい情報を集めてみたのだが――


 とにかく聖女専門の学校では無い事が判明しただけ、と言っても良いだろう。

 最近――その最近も具体的な年数がさっぱりわからないままなんだけれども――学校としての在り方が変わったらしいことだけは何とかつかめたけど……


 とにかく「聖女もの」ではないとすると、次の候補は何になるか?


 それは当然「乙女ゲーム」だ。

 プレイヤーの分身である主人公が、特別な力を持っていて、それによって平民でありながらエリート学校に入学し、多くのイケメンとくんずほぐれつ。


 そういう世界だ。


 ただ、この「乙女ゲーム」の設定をたたき台にして、創作の世界では新たなジャンルが成立してしまった。

 言うまでもなく、それは「悪役令嬢もの」である。

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