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説明出来ないことが多すぎる

 本当に改めての話なんだけど、この世界はゲームにしてはよく出来てると思わないでもない。

 だって、お母さんの過去とか、それに連れてハラー村の雰囲気とか。


 ゲーム世界にしては、あまりに良く出来てるという感じではないだろうか?

 普通そこまで設定しないぞ、みたいな感じ。


 となると色々警戒していたのは私の考え過ぎで、ここは普通の異世界と考えるべきなのか?


 ……となると、これにもまた違和感が残るわけで。


 やっぱり変に便利なこの世界は、歪だと思うんだよね。

 こういう発展の仕方するだろうか? と。


 それに加えて、最近気づいた別の違和感――というか疑いがある。

 こっちをさらに考えてゆくと「良く出来てる」と思う部分にも、説明できそうな気がする。


 でも、その疑いを検証する方法が無い。

 無い以上、普通の異世界と受け入れる方がベターなのか。日本というか、私が記憶している人類社会だって、傍から見ていると変、みたいな世界である可能性もある。


 そうすると残りの疑問は、私がこの世界に転生して来た理由だけが残る。

 それとも元の世界にも、別の世界から転生して来た人がいたのだろうか?


 司馬遼太郎は「竜馬がゆく」で何度も。

 

 ――「坂本龍馬は天が遣わした竜の化身」


 なんてことを書いてたしなぁ。

 あれってつまり、私が聞き馴染んだ言葉に直すと「人生何週目?」みたいなことを言いたかったんじゃないだろうか?


 坂本龍馬に関しては過大評価、という風潮があったけれども、龍馬に限らず「何週目?」と尋ねたくなる歴史上の人物は何人かいるし。


 人に限らず、バイオリンとか電子レンジとか。いきなり完成形の道具が出現したこともあるわけで。


 ――結局、私はどうするべきなのか?


 と、ここ最近の私の悩み事は、やっぱりいつもの結論に着地してしまった。


 そして、それと同時にリーン女史が叩いていた手拍子が終わった。

 実際のダンスで奏でられるような生演奏は無理だからね。田舎町でダンスのレッスンとなればこれしかない。


 ……何か楽器の趣味を持ってみるかなぁ、と私が考えていると、


「ジョセフィンさん。良かったですよ」


 と、あろうことかリーン女史から褒められてしまった。レルからも讃嘆の声が上がる。


「ええ! ええ、ジョー! あなたのステップ本当に素晴らしかった!」


 え? もしかして無意識に体幹整えてた?

 でもそれが出来たのは――


「それはレル。あなたのダンスが上手いからだと思いますよ。私はそれに引っ張られただけ」

「確かに。上手な者と踊ることは上達の助けになるでしょう」


 リーン女史が私の言葉に賛成してきた。

 うん、やっぱりそうだよね。


「ですから、ジョセフィンさん。これからは別の方と踊っていただきます。レルさんと踊ってばかりでは教室の意味がありません」


 え? そんな効率厨みたいなことを。あるいはパワーレベリングと言うべきか。

 でも、リーン女史、そういうことをやりそうな気もする。


 それに。このやり方で最もダメージを受けるのは――


 私は横目で他の参加者の様子を窺う。


 ――そうだね。私に触れることになる女の子たちだね。

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