表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/59

排泄物扱い?

 今、私の目の前にあるのは、便器、である。

 人間の営みに欠かせないものだからね。当然我が家にもある。


 うちの村では人間の排泄物までも堆肥にはして無くて、その点では江戸時代にもとるという感じです。


 けれど例の歪に発達した魔法絡みの道具のおかげで、自動的に浄化される仕組みがあるあたりは、当たり前に江戸時代では及びもつかない。

 私の記憶の中の日本だって及ばない気もする。だってこれなら下水道がいらないわけで。


 なぜ私はこんなことを考えているのだろう? 「うんこ聖女」と言われたことが実はストレスになっているとか?


 いや、これはそうではなく――


「ジョー、あなたさっき掃除してたでしょ? どこか壊れた?」


 トイレの扉を開けて、そこで止まっている私はさぞかし奇妙に見えたことだろう。だからこそお母さんが声を掛けてきた。


「ううん、大丈夫。何も壊れてないです」


 と、慌てて答えてお母さんの方に振り返る。


「それならいいんだけど……教室に通うのが大変なんじゃない?」

「あ、それは無いです。少しは身についてきた気もしてるんですよ」


 私がいじめられている、みたいにお母さんは心配してくれているみたい。そのせいで、ボーっとしてしまったのだと。


 ……実際、傍から見ていると、いじめられているように見えているのかもしれない。


 ……それよりもリーン女史の指導の厳しさの方がヤクいかも。


 でも、それは言うつもりがないので他の理由を言っておく。


「ただこれから雪になりますし、その意味では確かに通うのは大変そう、だとは考えてます」

「それはそうね。道は大丈夫でも急に天気が変わってしまうと危ないわね」


 そうやってやり取りしている間に、お母さんがお茶の用意をしてくれた。

 カモミールのハーブティーにアイシングされたクッキーという定番といえば定番のラインナップだ。


 今日は休日なので、お母さんと一緒に家事をまとめて済ませたところ。

 といっても日頃からこまめにやっているので、さほどのことではないんだけど。


 取り立ててやることが無いので、手持ち無沙汰で家事をしてしまった、というのが本当のところだ。

 お互いに、趣味がない母娘です。


「ねぇ、ジョー」

「はい?」


 改まった感じでお母さんが話しかけてきた。


「あなたやっぱり、この村を出ていくつもりがあるの?」


 は?


「全然そんなつもりはないですけど」


 ゲームの強制力でそんな展開があるかもしれないけど、私自身の目標としては、この村で平穏に暮らすことだ。

 だからこそ、私は即座にお母さんの問いかけを否定したわけで。


 すると、お母さんはため息をつきながら、こう続けた。


「うん、私もそうじゃないかって思ってたんだけどね。ハンナさんとかね……村のみんなは、ジョーが出ていくんだろうって考えてるみたいで」 


 え? そこまで嫌われる状況になっちゃった?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ