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ライバルキャラであるらしい

 こうなったらとことん付き合おう、という心持ちで私はさらに説明を続けてゆく。


 小麦の育成については、ある程度想像しやすい。小麦の実を大きくする感じで想像すればいいわけだ。


 ところが牧草って、どういう状態が「良い」牧草なのかよくわからない。

 長く伸ばせば良いというものではないらしいのは、ハンスおじさんに教えてもらってけど、そうなると本当に想像のしようがない。


 とっかかりも不明なのだ。


 その辺りの事情をレルに説明してみると、彼女はもっともなことだというように、深く頷いた。

 やっぱり彼女って……


「レルさん、真面目なのね。村のために役に立ちたいと考えているのね」


 うん、お母さん。

 私もそれに気付いた。レルは真面目だ。だからこそ今回の襲撃に繋がったのだろう。現地を歩き回ることを予想して靴だけは実用的なものを選んでいる辺りからも、それが窺えるし。


「そ、それは当然ですから。期待に応えてこその《聖女》ですから!」


 そう言って慌てて胸を張るレル。

 私以上にパブリックイメージを大事にしている。


 ……やっぱりそういう感じに造形されたキャラなのかなぁ?


 でも、というか、だからこそ真面目なレルを無下に扱う事は出来そうもない。私自身《聖女》の力の使い方は研究はしたいところだ。

 同じ《聖女》認定を受けたレルは、相談するにしてもうってつけだろうし。


 そこでまずは、とりあえず羊に近付いてみれば? と当たり前のアドバイスから始めてみた。

 そうすると、レルは体力的に無理があるとの返事。


 ああ、ハラー村よりも酪農が盛んなのかもしれないな。

 もしかしたら綿花とかの育成も期待されているのかもしれない。だからこそ、こんな服を着ている……何て想像は穿ちすぎだろうか?


 とにかく次なる可能性を検討してみよう。


「それなら放牧する前に……例えば厩舎でなら?」

「それは……出来そうですわね。でもその場合、牧草は関係なくなってしまいますわね」

「そっか……もう刈ってある牧草を羊に与えることになりますね」

「ええ。サイロにある牧草などですわね」


 サイロか……そうなると《聖女》の管轄になるのかどうかは確かに不明だな。

 ただ、ここまでの話でお互いにわかったこともある。


「あまり、はっきりしたことはわかりませんわね」

「そうですね。お役に立てず、申し訳ありません」


 残念ながらこの場では、そういう結論になってしまう。


「そんなことは無いですわ!」


 けれどレルが黒い瞳を閃かせながらそれを否定した。


「近付く、ちゃんと想像する。――その大事さに気付くことが出来ました。さすがですわ、ジョセフィン・メリーアン!」


 うん、やっぱりレルは気持ちのいい子だな。

 友達というよりライバルキャラとして、良い感じだ。


「”ジョー”って呼んでくれると嬉しいです。これからはお互いに情報交換しましょう」

「望むところです! ではわたくしも“レル”と」


 そんなこんなで、パーフェクトコミュニケーションな雰囲気。

 この世界が「聖女もの」であった場合――これは正解?

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