長い「報告会」の終わり
「ごめんごめん。『風の白猿神』に釣られてロボットものに魂を引かれ過ぎたみたい。ダイターン3の2番を思わず叫んでしまった」
「2番……」
そこで改めて引かなくても。
けれど、私が正常状態に向かっていることはわかってくれたみたい。引きながら、尋ねてきた。
エリーの好奇心は留まるところを知らないようだ。
「そのダイターンは知らないけど。ロボットなんだ。風の何とかも」
「ああ、それは説明してなかったね。『風の白猿神』にはそれに似た要素がある。――想を纏え!」
その叫びに疲れたような反応を示すエリー。
好奇心はどうした? 「想を纏え」って何なのか訊かないの?
「――それにはもう踏み込まない。少なくともこの場では。だってこの会議が始まってから結構な時間経ってるよ?」
「夕食の時間まで、やることは無いと思うけど」
「それでもちょっと疲れた。そろそろまとめよう。ちなみにわたしは、君の説に関しては懐疑的。いくらなんでも、という感覚が強い」
「うん、それはそうだろうね」
私の反応は予想外だったのかエリーは目をパチくりさせている。
「あれは私のやる気を維持させることに必要な考え方だから。無理があるのは認める。でも、絶対に《《無い》》とは言えなくなったでしょ?」
「それは……まぁ」
改めて指摘しないけど。
私の説明を聞いた後にエリーは「30年」って言ってるんだよね。
こっちの世界に来てから10年以上経ってるはずから、本来ならそれも計算に入れないとおかしくなるはずなのに。
でもエリーは無意識に計算に入れなかった。
それは私の説を認めている――この世界が2020年代の地球であることを受け入れている部分があることを証明してると思うんだよね。
これだけエリーを揺るがすことが出来るなら、十分――のはず。
「でも、それでどうなるの? って言うかどうしたいの?」
そんなエリーは私に向かって、何かを誤魔化すように尋ねてきた。
それは「それがどうした?」と尋ねてきた時と変わらないようにも思えるけど「風の白猿神」への欲求が、下準備を整えてくれた。
「――『アリスの為に鐘が鳴る』に、新しいシナリオの流れを提供したい」
「はぁ? ……いえ、ちょっと待って。ああ、なるほど……それにもう従来のゲームのシナリオを無視してるんだし……」
下準備が有効に働いてくれた。
私がそうしたいという理由も、もう手遅れという事も、エリーは十分に理解してくれている。
私はこの機を逃さずに、さらに畳みかける。
「エリーは弟と幸せに暮らせればいいんだよね? 他に何かある?」
「そう言われると……まぁ、今のところは」
ようし巻き込めた。
「わかった。何かあったらその都度修正していくから言って。その代わり協力して欲しい」
「協力?」
「平民って身分では厳しいものがあるんだよね。だから権威を貸して。あと経済支援もお願い」
「……本当に大丈夫? っていうか二コラと大丈夫?」
「スポンサーには最大限気を使う。これ社会人の常識だから。それに計画が固まったら、ちゃんと説明するし」
「それもまぁ、常識なんだけども……とりあえずわかったわよ」
こうして長い「報告会」は終わった。
――もう「報告会」って感じじゃないけど。
ええ、ここで泣きごとです。
「想を纏え」という台詞が「風の白猿神」に出てきたのかどうか、私現状では確認出来ません。入院中にあれこれ捨てられて。
確か「想を纏え」で良いと思うのですが、該当する台詞(というかコマンド?)が正しいのかどうかご確認いただければ幸いです。
……というのをカクヨムでお願いしていたのですが、まだ情報が集まっていません。
そこで、こちらでも募集するために、ここまで転写してきました。求めている理由を説明するのに必要でしたので。
ですから、こちらへの転写はここで一旦終了です。ありがとうございました。
続きはカクヨムにあります。




