公爵令嬢は殿下をまともにしてほしいそうです〜私が請け負いましょう!〜
初めての投稿です。
よろしくお願いいたします(^^)
「やめてくださいませ、殿下はわたくしの婚約者ではございませんか。婚約者ではない令嬢と共にいらっしゃるのはいらぬ誤解を招きます!」
いらぬ誤解もなにも、その通りだけど。私は、あなたの婚約者を誑かす悪女なのよねー
「やめろ、彼女──シーアは悪くないのだ。シーアは、類まれな容姿を持つ。さらに男爵令嬢ということもあってだな。色々なものから迷惑をかけられている。それは可哀想ではないか!」
類まれな容姿って・・・婚約者を前にそんなこと言っていいのか王子!わたしにとっては、クズだがな!
「アルナ・・・様は、可愛いですよ。その輝く瞳だって、夜空のような青髪だって」
とにかく、公爵令嬢を──アルナを褒める。すると、なぜか勘違いするのだ、このバカ(王子)は。
「いいのだぞ、シーア。公爵令嬢といえど、私の隣にいる限り手出しはできん。そのように怯えなくても良い」
いや、怯えてないし。こいつには幻覚でも見えてんのか?
「殿下、公爵令嬢といえど、というのはよくありません。訂正してください」
だよね。ありえない。王族にとって公爵家はなくてはならない存在のはず。その信頼を一気に失うような言葉を言うとは。それに手出しって何を想像してるんだか。
「シーア、行こうか。あのようなものに耳を貸す必要などない」
こいつ、会話が成立しないぞー!
「そうですか・・・」
これがいつもの光景。もうそろそろ見限ってもいいんじゃないか?アルナ。無理だぞ、こいつを治すことは不可能だ。元からおかしいに違いない。公爵もそう言ってることだし。なんなら、こんなことする前から。それは理由がないからあれだけどさ。
◆◇◆
「どう?もうそろそろあいつは諦めてたら?アルナが傷つくだけだよ」
もうそろそろ、諦めてもらったほうがいいかも。私の期限がね・・・過ぎてるんだよね。もうそろそろ来るよ、面倒くさい。私は自由に生きたいのよー!
「そうですね・・・お──シーア様。あんなバカ救いようがないですわ」
ようやく私をシーアと呼ぶようになったかー。
「だって、仮にもあなたはですね・・・」
「今は違うのー学園の生徒なのー男爵令嬢なんですー」
「えっ、あっ、はい。今はそれでいいですわ、もう。そのような口調は戻ってからはやめるようにしてくださいませ」
はぁ〜だからここは気軽でいいっていうのに。
「諦めたなら話は早いね。もう期限も過ぎちゃってるし」
期限が過ぎていたことを話したのは初めてだね。クライマックスだよー!ちなみにあの優しいアルナまでがバカと言い始めた。
「えっ!?シーア様!?期限過ぎてるなんて初耳なんですけれど・・・?」
怖い。
「と、とにかく、もうそろそろあいつもアルナのこと婚約破棄しそうだし、ちょうどいいね」
そう言って私たちは、作戦を練った。
◆◇◆
今日がついにあのバカ王子を・・・!
「そのようなことは今後はおっしゃらないほうがいいですわ。あなたには立場というものがあるのですか」
わかってるよ。猫をかぶればいいんでしょう?
「あっ、来ましたわ。では、またあとで」
今日は、パーティーの日。まぁ、開催者はアルナ。婚約者である、バカも呼んでいる。
「では、行こうか。パーティーに。私たちの披露があるのだからな」
「イラッ・・・ごほん!そうですね・・・アルナ様はどちらに?」
こいつ婚約者を放っておいて。しかも私たち!?私を入れるなバカ!
「あんなシーアを傷つけるようなものなど将来の王妃にはふさわしくないだろう?」
何を言っているのでしょうか、このバカは。まさか・・・婚約破棄をするのかい?
「・・・行きましょうかね?」
こいつ、頭おかしい。王子なのに?勉強してんのか、本当に。貴族なら立場をわきまえなさい!攻略結婚でも受け入れなさいな!
会場に入るとすでにざわざわとしている。アルナを中心に。婚約者なしで来るなんておかしいもんね。バカはアルナの傷を増やしたいのかぁ?
「なぜアルナ様が・・・?」
「ご婚約者の殿下は?」
「そういえば最近、殿下がおかしいと・・・」
「聞きましたわ?殿下が付き纏ってる男爵令嬢がいるとか。殿下は男爵令嬢の言った言葉を無視していいように解釈してるとかも聞きましたわ。類まれな容姿を持っているから、と」
「類まれなって、容姿で決めていいのかしら?それにあの方普通じゃありませんこと?」
そう!やつがおかしいという真実をこの学園に広めたのだ!というか、王子のくせして私の容姿に見覚えないのか?
我が部下は有能であるんだぞ〜!ちなみに私の容姿は魔法でこのバカとアルナ以外には見えてない。
「みな、聞いてくれ!」
それを聞いていた私の隣に立つバカが注目を浴びる。
「私は、アルナ・ロックフィードとの婚約を破棄する!シーアを傷つけているのはわかってるのだ!二度とシーアを傷つけるな、そして見えるところに来るな!」
ひっでぇ!
「・・・証拠はあるのですか?わたくしが彼女を傷つけたという・・・」
これでバカな解答したらここにいる人たち全てにバレるぞ〜おまえのバカさがな!
「ある!シーアを見てみろ、アルナ、おまえに傷つけられたと言っているではないか!私はアルナと結婚するのだ!」
きもっ!!結婚とか無理無理。二度と会いたくないね、こんなバカ。
バカな発言するからざわざわしだしたじゃん。アルナはドン引き。私を可哀想な目で見る。
「えっ?ちょっと男爵令嬢が可哀想」
「ね、意思疎通でもしてるつもりなのかしら?」
「ちょっ、ちょっとやべぇなあいつ」
みな、ドン引きのご様子。さて、猫を被りますか。
「バカ・・・おっと失礼。殿下はアルナ様と婚約破棄なされるのですか?」
大きな声で周りに聞こえるように。
「ああ!私はシーアと結婚する!」
今だ!私はサインをアルナに送る。アルナが頷く。
「わたくし、殿下とはご婚約しませんわ!」
絶句するバカ。静まる貴族たち。
「わたくしに見覚えはありませんの?この姿に」
また、貴族たちは騒ぎ出す。魔法を解こうか。
「魔法よ、解けなさい。ほら、有能な皆様ならばわかりますわよね?」
猫を被り、被りまくる!これこそが私の姿!
「おい、あれって・・・あの方は」
「嘘でしょう?なぜこのような場所で、というか男爵令嬢では?」
「そう!わたくしはシーフィア・ロルバーン。ロルバーン帝国第二皇女ですわ」
シーンとする、パーティー会場。そこへ突入!父親の登場だ〜!
「みな、すまぬ。シーフィアは言うことを聞かないのでな。少しの期限と言うことで学園に通わさせてもらっていたのだよ」
ラーズ・ロルバーン。王で〜す!
「えっ?えっ?シーア?帝国第二皇女?だけど僕と結婚してくれるんじゃ」
素がでてる。おまえ僕っていうんだな。しかし、この王国より帝国が上!
「え、無理に決まってるではございませんか」
「た、立場は釣り合うはずだ!」
何いってんだこいつ。
「あなたのような気持ち悪いバカは嫌ですわ」
まっすぐに言う私。崩れ落ちるバカ。
「お騒がせしました。では、ごきげんよう」
ここにもう要はない。アルナが親友だから頼みを聞いたまで。アルナは兄上と婚約するのよ!!そう、アルベルト・ロルバーンとね!
更に、もう心がないような感じになるバカ(笑)そして、ざわざわする貴族たち。
「おい、それはまだ言わない約束だっただろう!」
「あ、お兄様。あとは任せますわ」
◆◇◆
「ありがとうございました。シーフィア・ロルバーン様。あなたのおかげでわたくしはアルベルト様と婚約できます」
いえいえ。それほどでも〜?
「あの、もうシーア様ではございませんので・・・」
「もう、分かったよ!!」
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