表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

7 老夫婦と新生活

「そう言えば同級生のケンちゃんが、休み時間に時々叫んでたわ……

『ステータスオープン!』……って!?」


 ペッカァァァァァッ!


【名前】ヤスコ

【LV】49

【HP】HP490/490

【MP】8450/8450

【年齢】16歳

【職業】学生

【魔法】

 火属性LV1

 水属性LV1

 風属性LV1

 土属性LV1

 生活魔法LV1


【ギフト】

 【体躯調整】

 【自動翻訳】

 【装着品自動修正】

 【範囲内自動修復】




「で、出ましたぁ! 魔法もあるし【ギフト】もありますぅ!

 こ、この【ギフト】ってどんな物なのでしょう?」


 ヤスコはステータスボード上の【体躯調整】という文字を

 ポチッ! とタップしてみました。


 【体躯調整】

  身体の大きさを任意に変更できる「大きく成れ」「小さく成れ」「細く成れ」「太く成れ」と言えばその通りに体躯を変更できる。その地域の者達の平均的な体躯に成る事を目的としているが、一々情報収集する事が大変だから本人が任意で変更できる能力を与えた。



「ふ~ん……」

 続いてポチッとな!


 【装着品自動修正】

  身体に合わせて装着品の大きさが自動調整される。手を広げて届く範囲内の物は体躯に合わせて瞬時にサイズ変更される。



「は~ん……」

 更にポチッ!


 【範囲内自動修復】

  手を広げて届く範囲内の物は自動修復される。サイズ変更に伴って身体に怪我をしたり、服が破損等をした時に、最善の状態に自動修復する事を目的としているが、パッシブスキルで常時発動している。



「ってことは~、体の大きさを自由に変えられて~、着ている服も一緒にフィットして~、怪我(けが)(やぶ)(なん)かも勝手に治っちゃうって事だよねぇ!?

 無敵じゃんっ!!


 世界征服でもしてみる?

 異世界魔王ってか?

 ……はぁ虚しいっしょ、

 ……普通でいいよね、

 ……今のままで十分幸せですから」



 ヤスコは自分の体をマジマジと見直してみます。


「なんかぁ、顔とか体型とか良くなってますよねぇ!?

 社会人に成ってお金を貯めたら、『美顔』とか『エステ』とか『ヨガ』とか(かよ)ってぇ、

『こんな感じに綺麗に成らないかなぁ』

 って、ぼんやり妄想していた顔と体に近づいてる気がするんだけどぅ?


 これも貰った能力のお陰なのかしら?

 わたしの本当の姿はもっと『う~ん!?』って感じだったよねぇ?



 ヤスコは【体躯調整】のスキルを使うたびに身体変更能力のお陰で、身長だけでは無く容姿も徐々に妄想していた理想の姿に変わっていってるのですが。1人ボッチだったし、鏡の無い状況に置かれていたので、自分自身の姿を確認する事が出来ていませんでした。

 そして今、おじいさんとおばあさん()で久しぶりに鏡で自分を眺めて、そこに元のヤスコの面影を残しつつも、妄想していた理想像に近づいている己の姿を認めていたのです。


「ふ~ん、サバイバル生活でぜい肉が落ちたのかもぅ?……でも、ここにはおじいさんとおばあさんと私しかいないから……綺麗に成っても恋とか恋愛とかも、やっぱり妄想するしかないですねぇ。……まぁいいや、妄想は裏切らないですから!」



 家のリビングには、おじいさんとおばあさんの若き日の絵姿が額縁で飾ってあります。


 おじいさんとおばあさんは元上級貴族だったらしく、老紳士と老婦人に成っていても美男美女でした。今のヤスコの身長は【体躯調整】でおじいさんとおばあさんのちょうど中間の高さなのですが、【体躯調整】のスキルを使うたびに、容姿に於いても徐々に若き日のおじいさんとおばあさんに寄せて行っていたのです。



 ヤスコは取り敢えず目標などは立てずに、

「ここでおじいさんとおばあさんと自然の流れに任せて暮らそうかなぁ。聖女とか悪役令嬢とか勇者とかは、ちょっと違うみたいだしねぇ」

 とボンヤリ思うのでした。



 〇 ▼ 〇



 ヤスコは家畜にコケタ・コケミ・ヤギオ・モウスケなどと名付けて仲良しに成りました。

 秋になると森に入って果物狩りをしたり、落ちた木の実を拾って臼で引いて灯り用の油を作ります。


 ヤスコはお婆さんから魔法を、お爺さんから護身術を教えて貰います。

 既にドラゴンを倒してレベルが異常に高いので、初級スキルをスグに覚えられました。


「魔法が得意なおばあさんはもしかして『魔女』さんなんですか?」

「あら、しいて言えば『魔法使い』っていうのかしら。『魔導士』とか『賢者』とか言われた事もありましたけどね。……『魔女』は『悪魔』の女なので、(ひと)では無くて、地獄の住人で悪魔女(あくまおんな)ってことでしょうね」

「そうなんですか……じゃあ『魔女っ子』と『魔法使い』は違うのですね?」

「そうよ、魔女は生まれながらの悪魔か、悪魔に魅入られてしまった元人族でしょうね」

「ふ~ん、はいぃ」



 おじいさんの武術もかなりのレベルでしたが、ヤスコには日本での武道知識が無いのでマイペースで習得していきました。

 魔法も武術も日常の空き時間の余暇的なものなのです。

 だってテレビもゲームも無いのですから、自然の中で楽しみを見つけるしかない生活が続くのでした。


 もちろん炊事・洗濯などの家事全般も教えて貰います。

 生活魔法を教えて貰いながらなので日本とは事情が違うのですが、日本の実家では何もして無かったので比較できませんが、

「家事って面白いですぅ!それに結構簡単ですぅ!」

「それはよかったわねぇ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ