プロローグ
異世界から来た人間が現代日本に転生してきた!そんな日本の地方都市で農業をはじめるほのぼの系あるようでない日常ファンタジー。
ーーー此処は異世界ーーー
竜神が国を治めている王国である。此処では100万人の人間や亜人が住んでいる城下町である。
人口100万人ともなると問題となることがある。食糧問題である。俺はその食糧問題を解決するための省庁『食糧省』で働いている官僚だ。日が登る前に出勤し、日が沈み日付を跨ぐ前に帰る仕事をもう15年間続けている。
ある日のこと。体が重くなり家に着いた頃には体が動かなくなってしまった。そして
目の前は真っ暗になった。所謂過労死って奴である。
「思ったより呆気なかったなぁ俺の人生。これだったら実家で農民やって静かに暮らしていた方がよかったわ。」
男は静かに息を引き取った。
・・・・。
・・・。
・・。
「なんだ此処は。」
そこは白い靄なもの以外は何もなく、薄暗い空間だった。すると突然少年の様な声が頭の上から聞こえてきた。
「ねぇ君突然なんだけど異世界に行ってみない?そこはとても長閑なところで君が望んでいる世界なんだけど。」
その少年の背丈は人間で言うと12才程で、白いガウンを着ていて左手には木の杖を持っている。俺は何故かその少年に対して不思議な感覚を感じている。
「あぁごめん、名前を言ってなかったね。僕はリクト、神様さ。」
その少年は神様と言った。
「異世界の名前は地球って言うんだけどそうだね、君が生きていた世界とは違ってエルフやドワーフやリザードマンと言った亜人は居なくて人間だけが住む世界なんだ。その地球の中のひとつの国『日本』と言う国に君を転生させたいと思っているんだけどどうかな?」
神様と言う少年は俺が呆気に取られている最中、そう言った。