表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

誰でもできるッ! かっこいい魔法名の作り方! ~ゴブリンでも解るなろう講座~

作者: ツナ缶



 突然ですが皆さんは魔法は好きですか?


 作者は好きです。大好きです。もうすぐ社会人になろうとしている今でも厨二病を患っているので新しい魔法を作るのが趣味です。

 かくいう読者の皆様もこんなエッセイを開いた時点で魔法が好きな方でしょう。


 さてと。そんな作者は最近になって不満があります。というよりずっと昔から思っていたことがありました。



 魔法の名前........安直すぎねえかっ!?



 そうです。どの作品もやれ『ファイアーボール』だとか『アイスランス』とか安直なネーミング過ぎません?


 なんかこう........オリジナリティがないんですよね。魔法名が分かりやすいのは利点ですし、読者が親しみやすいのは分かります。

 しかし、幾ら何でも殆どの作品がサンダーだとかダークとか大声で叫んでるのを読むのは飽きました。


 別に作者は安直なネーミングセンスを批判するつもりはありません。発音が難しい意味不明の魔法名を出しても混乱する読者がいるかもしれないですしね。何故こんなこと言っているのかと言うと、作者が単に飽きたからです。


 ふざけんな! と思った方は素直に謝ります。ですが他作品にはないオリジナルの魔法がある方が魅力があがると思うんですよ。

 厨二病はかっこいい魔法が好きなんです。許してください。


 という訳で。今回は作者が実際に行っている魔法名の作り方を書き記そうと思います。

 オリジナリティを出したい方、魔法の名前が考えつかない方、ぜひ最後まで読んで頂けたら幸いです。


 今回はカタカタの命名に限定します。それではいってみましょう!






 ◆初めに


 さて、序文で偉そうにオリジナリティがないだのありきたりだの言ってきましたが、読者の方からは「そういうお前はどうなんだ?」とツッコミがあるはずです。

 なので今から作者がこれまでに考えた魔法を公開します。元ネタと合わせて軽く解説していくので、試しに流し読んで見ましょう。






━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆基本呪文


 ・火属性 

 第一詠唱『ラダ』

 第二詠唱『ラダルナ』

 第三詠唱『ラダヴォート』

 元ネタは溶岩をイメージするラヴァから


 ・水属性

 第一詠唱『ルメア』

 第二詠唱『ルメアラ』

 第三詠唱『ルメノーア』

 元ネタは「流れる」のル。と漢字の「雨」を反対にしてくっ付けた言葉。


 ・雷属性 

 第一詠唱『デラ』

 第二詠唱『デライド』

 第三詠唱『デラジーヴァ』

 元ネタはイタリア語の放電「Scintilla(シンティラ)」から


 ・風属性 

 第一詠唱『シエラ』

 第二詠唱『シエルラ』

 第三詠唱『シエラオン』

 元ネタはスペイン語の山脈の綴りから。


 ・土属性 

 第一詠唱『ロド』

 第二詠唱『ロドルガ』

 第三詠唱『ロドガオン』

 元ネタは「泥」を反対に言い換えた言葉


 ・氷属性 

 第一詠唱『ヒオ』

 第二詠唱『ヒオラ』

 第三詠唱『ヒオゼイン』

 元ネタは言葉の「冷える」から


 ・樹属性 

 第一詠唱『シュル』

 第二詠唱『シュルマ』

 第三詠唱『シュルマーダ』

 元ネタは蔦がしなる擬音語から


 ・光属性 

 第一詠唱『イルア』

 第二詠唱『イルシア』

 第三詠唱『イルアーク』

 元ネタはイルミネーションから


 ・闇属性

 第一詠唱『ザイア』

 第二詠唱『ザイアラ』

 第三詠唱『ザイディーバ』

 元ネタは英語のdesire(デザイア)から




 ◆その他

 ・『ブライニクル』

 氷属性の魔法。凍える棘を飛ばして敵を攻撃する。元ネタは海の中で実際に見られる現象「ブライニクル」そのままから。


 ・『殺戮遊戯(ホロコースト)

 闇属性の魔法。殺意を具現化して敵を切り裂く禍々しい爪を生み出す。元ネタは実際に起きたユダヤ人大量虐殺の「ホロコースト」から。かなり不謹慎。


 ・『大灼焼(グランアブレーション)

 火属性の魔法。術者を中心として大熱波を起こして周囲を攻撃する。元ネタは忘れた。


 ・『ロゴスレイシア』

 光属性の魔法。虚空から光の円環を召喚し、裁きの極光を放つ。元ネタはギリシャ語で真理を意味する「ロゴス」と語呂が良さそうな「レイシア」をくっ付けて作られた。


 ・『不可避なる不可視の一(エスカ・ディウス)投』

 影属性の魔法。自身の影と相手の影を繋ぎ、魔力で作った槍を投擲する。影を通じて槍は進み必ず相手に命中する。元ネタは影を表す「エスカ」と語呂のいい言葉から「ディウス」をくっ付けた。

━━━━━━━━━━━━━━━






 さて、作者のネーミングセンスの評価は読者によって変わりますが、元ネタを読んでいて分かったことがありますね。


 作者が考えるに魔法名の元ネタは主に3つに分類されると思います。


 擬音語から参考にした『擬音語系』

 元からある言葉を参考にした『既存語系』

 特に意味がなかったり、なんか言葉の響きが良かったりする『その他』に別れているところです。


 今度は上記にあげた『擬音語系』と『既存語』について作り方を解説していきましょう。






 ◆擬音語系の魔法名の作り方


 有名なのはドラクエの魔法名ですね。


 炎がメラメラ燃えることから『メラ』

 水がザバッとかかる様子から『ザバ』

 竜巻が木々をバギっと折る音から『バギ』


 このように効果音を表す擬音語から作られているのが特徴といえるでしょう。

 また、擬音語は個人のイメージに寄りますが比較的作りやすい部類に入ります。擬音語から技名を作っているなろう作品自体が少ないのでオリジナリティがあるのでオススメです。


 例えば雷属性の魔法を作る際は「バリバリ」「ビリビリ」「バチバチ」「ごろごろ」なんかの擬音語が使えますね。


 もっと作者の魔法名を上げるならば、


 ・重い物が落ちる時の衝撃の「ドガン!」

 →衝撃波を飛ばす魔法の『ガント』


 ・頭が混乱する時の「くらくら」

 →敵を混乱状態にする『クライア』


 とかですね。意外と作りやすいので試してみるといいでしょう。






 ◆既存語系の魔法名の作り方


 真っ先に魔法名を考える上で出てくる作り方ですね。『ファイアーボール』とか『アイスランス』もそうです。


 まずオススメの言語としては英語、ギリシャ語、ラテン語、ドイツ語、イタリア語になります。この中から選ぶと魔法名として良さげなのが見つかりやすいです。






━━━━━━━━━━━━━━━


 英語は日本人にとって一番馴染み深い外国語でもあるので受け入れやすいですね。反面、知っている単語なのでやはりありきたりだったり、新鮮味がないことが多いです。

 作者のオススメジャンルとしては聖書関連、星座関連の英語がかっこいいので推します。


 ・聖書関連

 メシア→救世主、救世者

 ユニバース→宇宙、全能

 ボアネルゲ→雷の子

 メギドフレイム→黙示録の業火

 レギオン→軍団、軍勢


 ・星座関連

 ネビュラ→星雲

 ザラム→牡羊座

 レグルス→獅子座のα星

 アクイラ→鷲座

 サギッタ→矢座

 ホロスコープ→星占い

━━━━━━━━━━━━━━━


 ギリシャ語、ラテン語は魔法に関する歴史があるので相性はばっちしです。

 特にギリシャ語はかっこいいのが沢山! 試しに調べてみましょう。


 ・ギリシャ語

 ヴァン→風

 ジェロ→氷

 スキア→影

 エルガレイオン→道具


 ・ラテン語

 ラクリマ→涙

 ベルルム→戦争

 カルぺ・ディエム→その日に摘め

 エクスハティオ→蒸発

━━━━━━━━━━━━━━━


 ドイツ語は単純にかっこいいですね。なんというか、独特の雰囲気があって作者は個人的に好きな言語でもあります。


 ・ドイツ語

 ラヴィーネ→雪崩

 デンメルンク→夜明け、暁

 ノードリヒト→オーロラ

━━━━━━━━━━━━━━━


 また、イタリア語では作者の魔法名から

 ・黒雷纏いし嘆きの剣(ラメントツィオーネ)

 が見つかりました。元ネタは嘆き、遺憾、哀悼を表した楽曲「ラメンタツィオーネ」から。


 総評すると『既存語系』はとにかく調べて語彙力を増やすことが大事なんですね。身も蓋もない話になりますけど。

 次は作者なりの魔法名を作る際、作った後のポイントを解説していきます。







 ◆魔法名をイメージして作ろう


 『擬音語系』と『既存語系』の作り方を理解したところで次は魔法を作っていきます。

 大切なのはどんな魔法を作ろうとしているか、ですね。まずは頭の中でイメージしてください。


 例に上げると指先から光の弾丸を敵にぶつけてダメージを与える魔法を考えたとします。


 『擬音語系』ならば光のキラキラをベースに『ラキッド』が完成します。


 『既存語系』ならば拳銃を表すリボルバーと鈍く輝くを表したグレア。

 その二つを合わせて『リボルグレア』の完成です。


 ほんの一例ですが、なんとなくイメージは掴めたでしょうか?


 それでは応用編として以下の魔法名のイメージをして考えてみましょう。



 青空に暗雲が立ち込め、稲光が瞬いた。

 突如天から落ちたるは一本の巨槍。槍は凄まじい速度で突き刺さると、熱気を帯びた紅き雷撃を周囲に齎した。

 戦場に雷鳴が駆ける。雷が触れた場所から大地が爆ぜ、白い煙を噴き出しながら融解していく。



 この作者の脳内イメージから魔法名を考えると『爆ぜ熱る大霆槍』という名前が付きます。


 そこにカタカナでルビを振って、


 『爆ぜ熱る大霆槍(ラグナ・ヴァルク)』となります。簡単ですね!






 ◆日本語を魔法名に変換する


 さて。ここまで魔法名の元ネタを解説した上で作り方について述べてきましたが........難しいですね。ええ。

 作者もここまで書いてきて言うのもあれなんですが、安直なネーミングセンスは作家自身が考えるのが難しい。そのような問題が現実味を帯びて襲いかかってくるから問題なのです。


 という訳で。そんな人に為に裏技を紹介します。



 ズバリ、日本語を魔法名にする、です!



 口をポカンと開けた読者の方も多いと思いますが、まずは説明を聞いてください。


 魔法はそもそも外国発祥なのは言うまでもありません。だからこそ魔法名は外国語の言葉を使って作った方がそれっぽく感じるのは、多くの人がなんとなく感じてる部分でもあります。


 故に日本語で魔法? と考えると合わない気がするのも無理はありません。日本だと魔法使いが陰陽師。魔法が呪術みたいな感じですね。そもそも雰囲気が違います。



 しかし問題はありません。作り方は二種類あり、今から解説をしていきます。





 1.単語をもじってそれっぽく形成する


 上記に上げた氷魔法である『ヒオ』がそれです。


 冷えるという日本語を『ヒエル』→『ヒエ』→『ヒオ』と形成していきました。

 光魔法の『イルア』も微妙なラインですが一応この部分に入りますかね。

 『イルミネーション』→『イルミ』→『イルア』と形成しました。


 つまり魔法の効果を表す単語をそのまま上手く使えば魔法名にすることができるんですね。


 ・痺れろ

 『シビレロ』→『ビレロ』

 敵を痺れさせて拘束する魔法。


 ・衝撃波

 『ショウゲキハ』→『ゲキハ』

  衝撃波で敵を吹き飛ばす魔法。


 このように言い変えることを繰り返すことで魔法の名前をそれっぽいものに変えていくことができるんですね。




 2.単語を組み替えて形成する


 こちらも土魔法の『ロド』と水魔法の『ルメア』が該当しますね。


 『泥』→『ドロ』→『ロド』に。

 『流れる雨』→『ナガレルアメ』→『ルアメ』→『ルメア』となります。


 特にオススメの作り方で、カタカナに変換して組み替えることで簡単に作れちゃうんですね。しかも違和感がないので手間が少ないのがウリです。


 それでは最後に魔法名を作ったあとのことを解説していきます。






 ◆言いやすさ、カッコ良さをまずは確かめる


 魔法名は作れましたか? しかし作者は厨二病の最先端を歩む者。アフターケアもしっかりと行います。


 それでは作った魔法名を詠唱しましょう。リアルに大声で叫びます。コツとしては魔法の効果をイメージしながら叫ぶ感じです。


 は? と怒りを露にした読者が多いでしょう。リアルでそんなことしたら恥ずかしいと思うでしょう。


 しかし考えてみてください。小説の中にいるキャラクター達は実際に大声で叫んで使っているんですよ? 作家自身がキャラクター達になりきってまず使ってみなければ、ちゃんとした魔法名にならないんです。


 作者は実際に友人に向かって『ロドルガッ!』と叫んで使いました。友人は白けて目で見てきましたが気にしてないです。


 キャラクターが魔法名を叫んでも違和感を感じなくすることが第一歩です。そして魔法名を考えた作家自身がかっこいいと感じるようになってくればひとつのターニングポイントに差し掛かります。


 騙されたと思ってやってみて下さい。

 ........いや、まじですよ? 叫ぶことで選別することがことが本当にできますからね?


 ちなみに。作者自身が気付いたのですが、魔法の最後の文字は小さい「ッ」が自然な形で言えるようにするとかっこよく聞こえる上に言いやすいです。


 個人的にはア、オ、ガ、ギ、ザ、ス、タ、ダ、ト、ド、ハ、バ、フ、ブ、マ、ラ、ン、ーの伸ばし棒が最後の文字になると言いやすいですね。

 いまいちピンと来ないな、と思ったら、最後の文字を変えてみるのもいいかもしれません。




 ◆第三者から考えた魔法名を見てもらう


 次のステップは考えた魔法名を第三者目線から見てもらうといいですね。ゲーム好き、ラノベ好きな友人に効果や描写といった説明をしながら意見を聞くのがベストです。


 最初は恥ずかしいと思うかもしれません。

 しかし自分の感性だけで判断するのは危険です。

 自身が「すげぇかっこいい!」とか思っていても、第三者からは「だせぇ」と感じていることがままあります。魔法名がださいまま小説として公開したら泣きたくなるますよね?


 最低一人だけでもいいですが、やはり三人ほどに公開して意見を聞くのがいいでしょう。


 え? 友達がいない人はどうすればいいだって?


 ............。






 ◆まとめ


 如何でしたでしょうか?


 これを読んだ作家の方々は是非参考にしてオリジナルの魔法を考えてみてください。

 読み専の方も感想欄に自分の考えてみた魔法名を書いてもいいですよ? (チラッチラッ)


 なろうの魔法文化が更に発展することを祈っております。


 それでは!


 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 作り方が簡単で分かりやすかったです [一言] めちゃくちゃ役に立ちました。ありがとうございます。、
[一言] また楽しそうなことしていますねー。 参考になります。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ