何も分からないという事が分かる。
説明多めです。すみません。
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水柳 朱鷺 職業ジョブ:狂戦士 レベル:1
身体状態:通常
精神状態:通常
生命力:100
持久力:50
魔力:25
筋力:10
技量:5
敏捷:5
耐久力:10
精神力:5
知力:5
――――――――――スキル―――――――――――
狂戦精神 バーサーク 生命力強化 身体能力強化
――――――――――アビリティ―――――――――
生存本能 闘争本能
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目の前に薄い青色で半透明な板が出現した。
マジで出るのかぁ……どうしようか、とりあえず確認するか。タカシとまっちゃんが待ってるし急ごう。
まず名前はいいとして、職業とレベルだな。これは分かる。ゲームだと、戦士とか魔法使いとかが選べた。僕は剣士などの前衛が好みだよ。だけどね、これ選べなかったの?剣士とかが良かったんだけど……まあいいや、狂戦士もカッコいいし。
次だ次。もしかしたら変えられるようになるかもしれないし、受け入れよう。
レベルも分かるな。これはゴブリンを倒した時に上昇したと言っていたが、0から1に上がったらしい、1から上がっていくのが多いと思うけど、まあゲームじゃないもんなぁ……。
身体状態と精神状態は、文字通り受け取るなら自分の今の体と心の状態を教えてくれるんだろう。
生命力やら魔力はゲーム風に言えばHPとMPってなるのかな?それと僕のステータスが低いのか高いのか分からないなぁ。筋力をどうやって数値化してるいるのかとか、まず魔力って何という疑問はあるけど、どうせ考えても分からないし、放っておこう。
スキルとアビリティは何なんだろう。さっきの戦闘で勝手に使われてたみたいだけど、発動条件も効果も分からないし。身体能力強化はそのままなんだろうけど、何をどのくらい強化してるのかも分からない。
分からないことが多すぎる……仕方ないかぁ……そのうちわかるのかなぁ……さっきのアニメでは鑑定というスキルを使えばステータスやスキルについての詳細が見れたんだけど、習得の仕方も分からないし、本当に詳細が見えるかも分かんないからなぁ。
「トキリンうんこしてんのー?長くねぇ?」
タカシが呼びに来た。さすがに時間をかけすぎたらしい。早く戻ってゲームしよう。
「ごめんごめん!腹痛くてさ。あ、ちゃんと消臭スプレーはしといたから、安心してくれ」
「おうおう人様の家でうんことは、偉くなったもんじゃのぉトキリン。なぁ?まっちゃん」
「せやでせやで。許されない大罪や、罰としてお前はこれから使っていいキャラはゲーム◯ォッチだけや!」
「ゲーム◯ォッチは強い、それをお前らに教えてやる。それはそれとして、うんこしたことは反省してます。許してください。」
「良かろう!勝てたら許してやらんこともない!」
それから僕は帰る時間になるまで、普通に、面倒な魔物やらステータスのことなど考えることもなく、ゲームを楽しんだ。我ながら神経が図太いのか、考えなしなのか、バカのかわからない。もしかしたら全部かも知れない。
そんなこんなで、6時を過ぎた。今は8月なので暗くはないが、うちの家の門限は7時なのだ……もう高校生なんだからもっと遊ばせろとも思う。
「じゃあそろそろ帰ろっかな」
「そっか、トキリンの門限7時だったか。残念だけど仕方ねぇな。じゃーな!また遊び来いよ!」
「じゃーな朱鷺。次は勝つからな。」
「おっす。じゃーねー!お邪魔しましたー」
別れをすませ、タカシの家を出た。帰る途中も何か異変が起きていないか探してはみたが、特に何も見つからない。人も街もいつもと変わらない。
でも、僕は心のどこかで確信していた。いや、願っているだけなのかも知れない。
これから何かヤバイことが起きる、と。
そして次の日、本当に世界は大きく変わることになる。