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出発準備

10万文字うぇーい


 気付いたら3日経ってた。別にぐーたらしてた訳ではない。むしろその逆。

 この3日間、僕は鍛錬を積んだ。


 ……たったの3日だから『鍛錬を積んだ(キリッ』なんてカッコつけるのはダサいね。

 でもまあ自分で言うのもなんだけど結構強くなったと思う。


 何をしてたかって言えばまあ『練習→実戦→練習→実戦』の繰り返し。

 やっぱり実戦に勝るものはないと学べたわ。しかもレベルも上げられるし。殺し合いサイコー!!


 さて、何であんだけ『塔に行かないと逝っちゃうよw』とか煽られたのに結局塔に行かなかったかと言えば、まあ怖いから。


 何でも一昨日近くの塔に入ったレベル12の剣士、田中さんが言うには…ヤバイ(死ぬ)だそう。

 そして田中さんは仲間が2人いるって言ってたけど、正直邪魔らしい。戦いについていけないと。


 なので恐らくあの塔は英雄、もしくは英雄に並べるほどの才能(センス)とレベル、ステータスが必要なんだろう。


 だから僕は、()()()()()()()()。そして、()()()()()する。


 そう決めた。


 その為に僕は最低限の強さ…いや、まあ塔がどうなってるか分からないから最低限も何もないけど。


 とにかく!僕は!強くなったぜェー!


 「ステータス!」



―――――――――――――――――――――――――

水柳 朱鷺  職業ジョブ:狂戦士  レベル:16(↑3)

              身体状態:普通

              精神状態:普通


生命力:240(↑30)

持久力:200(↑30)

魔力:100(↑15)


筋力:85(↑15)

技量:50(↑9)

敏捷:50(↑9)

耐久力:85(↑15)

精神力:50(↑9)

知力:50(↑9)


――――――――――スキル―――――――――――


狂戦精神 バーサーク 生命力強化 身体能力強化


敏捷強化 耐久力強化 英雄 斧術 剣術 槍術 


格闘術 魔力感知 魔力操作new 柔軟new

――――――――――アビリティ―――――――――


闘争本能 狂身狂霊


―――――――――――――――――――――――――


 3日間の成果としてはレベルは3上昇による能力値アップ(数が揃っていて美しい!)と魔力操作スキルを自力で獲得した。

 そしてレベルが15を超えたからかスキルを選んで獲得出来たので柔軟スキルを選んだ。


 まず魔力操作スキルについて。このスキルは目をつぶって適当に魔力を動かしていたら獲得した。

 スキルを獲得してからは結構スムーズに身体全体に魔力を流したり、身体を覆ったり、手に持っているものにも魔力を流す事が出来るようになった。

 今までは英雄特権?のサポートがあってようやくだったけど自分で出来る様になった。大きな一歩だ。


 次に柔軟スキル。これはまあそのまんま、身体が柔らかくなった。

 いや、急に体操選手ほどに柔らかくはなってないが、それでもハッキリ分かるくらいに柔らかくなった。


 何故こんな地味なスキルを獲得したかと言えば、あのサキュバスとの戦いがデカイ。

 アイツと殴り合って思ったのはステータスが高いだけじゃダメだってこと。柔軟スキルはそのステータスには反映されない強さを獲得する為の第一歩だ。


 「朱鷺くん〜ご飯だよ〜」


 お、タカシのお母さんに呼ばれた。今は夜の7時。夕ご飯の時間だ。


 「うっす。晩飯なんすか?」


 「夕ご飯はナポリタンだよ〜。麺持って帰ってきてくれたからね」


 美味しいご飯が食べれると、命懸けでスーパー行って良かったってマジで思う。

 

 「そうだ、朱鷺。防具どれにすっか決めたか?」


 「おーい、飯なんだから飯に集中しよーぜ。ナポリだぜナポリ」

 

 「すまね…」


 パスタをフォークで絡め取って口に頬張りながら話を聞く。うまい。

 

 昨日、父さんはレベルが5になり新しく『防具作製』のスキルを獲得した。なのでようやくまともに防具が着れる訳だけど、まあそんなのは飯の後で良い。


 「なぁトキリンー?今レベルいくつだっけ?」


 「いむぁ、じゅーろく」


 口にまだ入ってるから喋るのは行儀悪いけど、とりあえずタカシの質問に答える。


 「はぁ?お兄ちゃんだけおかしくない?私まだ4何ですけど〜」


 「まぁ咲季はしゃーねぇでしょ」


 「だとしても朱鷺だけ高すぎないかぁ?」

 

 まだ自分が英雄だって話してないんだよなぁ…。まっちゃんと浩二さんは何となく気付いてそうだけど。

 それからも他愛無い会話をしながら食事を楽しみ、全員食べ終わり、片付けも済んだら横になって休んでいた。

 

 「で、朱鷺。防具どうする?」


 「あ〜。もっかい作れる種類教えてくんね?」


 漫画を読んでいると、父さんから防具について聞かれる。

 めっちゃ気にしてるじゃん、仕事かよってくらい。


 「ちょっと待ってな…えーと、まず、『革』と『鉄』の2種類がある。そこから更に、『頭』『胴』『腕』『脚』の4つがあるな!でも、革の方は頭の防具ないみたいだ。それでも…ヤバくね?」


 「やばい」


 色んな意味でヤバイ。覚えるのも、作るのも、装備するのも難しすぎる。


 ま、まず!ひとつずつ処理していこう。取り敢えず『革製』か『鉄製』のどちらか。


 まあ革一択だろう。


 まだ実物を見てないから分からないけど、イメージ的に革は冒険者風な軽装。鉄は騎士みたいな重装だと思う。

 重いのは無理だ。いや、多分僕ならいけるとは思うけど、動きが鈍るのは勘弁だ。


 「取り敢えず革の方で。魔石は何個必要なの?」


 「あー、えっと。各種類2つずつ必要で、革なら全部作ると…6個だな……やべぇ!」


 やべぇじゃん。


 今はまだ余裕あるけど、これからどんどん必要になってくんだよなぁ。

 確かうちにある魔石は40くらい?だっけな。そこからサイトで使う分、緊急時の食料分、あと更に保険として残すから大体残るのは……10個くらい?


 ワンセットとりあえず作ってみる?


 「とりま作ってみる?」


 「そうだな。まずは何からにすっか」


 「俺はまずは腕が良いと思いまーす!」


 「いやあ胴からでしょ」


 「まずは脚からだろ。お前らモ◯ハンした事ねぇのか?」


 話が纏まらない。ぐだぐだじゃねぇか。


 「ハイハイ一旦静かに!決めるのは朱鷺くんだから。外野は黙ってなさい」


 浩二さんナイッス。あざますあざます。


 「そうっすね…一番大事なのは胴じゃないすか?心臓あるし。腕も脚も何とかなるし」


 「つまり…?」


 「『胴』からで。てか全種類作れば良いだけじゃないですか」


 って事で。全種類作製してもらった。


 そして相変わらず"鍛治"職人という割に魔石を手に持ってステータスを操作するだけである。

 一応自動(オート)手動(マニュアル)で変えられるらしいけど、まあ父さんはただのサラリーマンだしね。流石に無茶だ。


 「ほい。出来たぞ」


 作られた防具は、まあ革の防具だなって感じ。


 何の生物の革なのか、何であの石から革と更にちょっとした装飾が出来るのか不明である。


 見た目は、革らしく茶色。あと結構厚い。流石に私服と比べれば動きにくそうではある。


 『胴』の防具は詳しくないから分からないけど、多分、レザーアーマー?って呼ばれる服にかなり近い防具だ。

 『腕』もひじから手まで覆える籠手?みたいな感じだ。紐で結んで止める。

 『脚』はズボンとブーツの2つがある。


 「良いじゃん!お兄ちゃん着てみてよ!」


 「何か冒険者的な感じでカッケェよトキリン」


 コスプレみたいで恥ずかしいけど……着替えるか。


 「おお、いいねいいね!」


 「ヨッ!伝説の冒険者様!」


 これお前らも着るんだからな?煽られる覚悟しとけよ?倍にして返すぞこの辱め。


 はぁ…少し動いてみる事にする。どのくらい動きにくいか試そう。


 「どう?やっぱ重い?」


 「ンー。思ってたより大丈夫かも」


 何だろうなぁ…そこまで動き難くはない。違和感は感じるけどそのうち慣れそうだし重すぎもしない。

 良いじゃん防具。絶対必要だね。


 これでようやくパーカーとか体操着で殺し合いするダサさとシュールさから解放されるね!


 明日はこれを着て実戦してみよう。そんで問題なかったら塔に行ってみよっかな。


 

 

 

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