教えて!叡智の神様ー!
「命に代えても、米を持ち帰って参ります!」
家に残された米はあと五合くらいしかない。他にも食べる物はなくはないけど、米が食いてぇンですよ。
「お任せ下さい!」
「お任せ下さい!」
今から食料確保組と自宅周辺組の二つに分かれて行動する。固まりすぎても動きづらいしね。
「…まあ無茶だけはしないようにね」
食料確保組のメンバーは
僕(狂戦士)
咲季(治癒師)
タカシ(戦士)
まっちゃん(魔術師)
滝さん(狩人) の5人だ。
大人がいないのがかなーり心配だ。身体能力だけで見れば圧倒的なんだけど、判断力や知識量、人生経験が足りない感じ。
でも出来るだけ食料を持ち帰りたいんだよなあ。安全を取るか、成果を取るか。今日は強気に成果を取るけど。
「いいな?命が最優先だからな。ヤバかったら飯なんて全部捨てて逃げろよ?」
「ねぇ…本当に大丈夫?別に今日じゃ無くても良いでしょ?」
「いや、今日がいいと思いますよ。明日には更に状況が悪化しないとも限らない。余裕のあるうちに一気に整えたほうが良い」
難しいよなぁ。正解なんて分かんないし、ベターな選択すら分からない。だって軍人さんじゃあないもの。
浩二さんの職業は軍師だけど、別に戦略を練るスキルとかないしね。
「じゃあこの時計で八時になったら家を出よう。つまり後40分だね。それまでに準備しようか。心の方もね」
あと40分かあ…。今のうちに有耶無耶になってたアビリティについて質問しようかな。確かどんな効果なのか分かるって言ってたし。
「トキリン何すんの?」
「ちょっとステータス確認してるわ」
「そか。まっちゃんは?」
「あー俺は道具何持ってくかとか、色々」
よし、じゃあ攻略サイトを開きましょうね。
この前寝落ちしたせいで無駄に時間を消費してしまい、魔石を追加しないと使えなかった。もったいない。
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《質問》 一つの質問につき、魔石一つ
『こんにちは!今日はどんな質問ですか?』
『どんな質問も私、叡智の神がお答えしますよー!』
*内容によっては答えることの出来ない質問もあります。
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何か胡散臭いオカルトサイトみたい。
にしても本当に神様なんているのかなぁ。海外とか宗教戦争起きてそうだけど、大丈夫?
まあ気にしてもしょうがないけどさ。
早速魔石を一つ手に持って、質問をしてみましょうか。
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《質問》
Q:アビリティ、闘争本能について
A:………………
A:………………
A:基本能力
生命力・耐久力・精神力の強化
特殊能力
『狂気』以外の精神異常を無効化する
『狂気』状態でも理性を失わない
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なるほど…?あー。なんていうか、地味じゃね?もっとこう、世界を支配する…!見たいなさぁ。ないか。
でも、狂気以外の精神異常を無効化して、狂気のデメリットもないんだから実質精神面では無敵ってことなのか?
さいきょーじゃね?チートじゃん。Foooー!
あれ、まだ続きあったわ。
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『戦いを求めろ
そこに救いがある』
『血に染まれ
真実を知るだろう』
『狂気を喰らえ
それはお前じゃない』
お前を待つのは最高の破滅か最低の祝福だ。
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こっわ。
えぇ?なに?なんなの?怖いよ。これアビリティの説明じゃなかったでしたかです??
急にホラーだよ。なんだよ破滅って。最高の破滅って矛盾してない?してないか。
「だばぁぁ…」
「どういう感情なん?それ」
タカシくぅん。君の声を聞くだけで落ち着くよぉ。
「だばぁぁ…」
次行こう次。狂身狂霊ね。
魔石をもう一つ手に持って、 レッツ質問。
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《質問》
Q:アビリティ、狂身狂霊について
A:………………
A:………………
A:基本能力
生命力・持久力・精神力を強化
特殊能力
精神状態が『狂気』の時、全能力を大幅に強化する
[不明]
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はいはいはい。理解しました。全て繋がったわ。
(確定ではないけど)つまり、狂戦精神のスキルで精神状態が狂気になる。狂気になるけど闘争本能で正気を保ち、なおかつバーサークと狂身狂霊で強くなると。
もしかしなくても、強くね?Foooー!!
また続きあるわ。やだなぁ…。見るけどさ。
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『気が狂うほどの喜びがあった』
『正気を失うほどに楽しいことを知った』
『狂気に呑まれるほど、信じたいことが出来た』
…あぁ!なんて世界は素晴らしい!
生きて死んで苦しんで快楽を得て怒って泣いて笑って悲しんで喜んで信じて裏切られて…!
世界は素晴らしい!お前もそう思わないか?
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だから怖いんだって!問いかけて来るな!何なんだよメンヘラなんかおめぇーは!?
「うばぁぁ…」
「マジでどうしたん?てか早く準備しなよ」
「うっっす。準備しまっす」
何なんだろうね。きっとどっちのアビリティも強いんだろうけど、ちょっと好感度下がったわ。
これ他の英雄の人たちも同じなのかな?じゃなきゃ僕は何?イジメ?
「トキリン何の武器使いたい?やっぱ剣か?」
「タカシは分かってねぇな。ここは斧だろ。なあ朱鷺?」
「…まあその通りなんだけどさ、ちょいキモい」
なんなら妹の咲季より僕のこと分かってるよ。キモいよ。咲季はもっと兄に興味持つべきだよ。昔は可愛かったのに。昔は。
「ほれ、あと20分だぞ。準備しとけよー。終わったら漫画でも読んでな」
我が父らしい言葉ですね。うちには大して漫画無いんですけど。
本当はもっとあったらしいけど、母さんと喧嘩して捨てられたって言ってた。あの時はマジ離婚の危機だったらしい。
「おい兄ちゃん」
「なによ」
「レベルってどんぐらいであがんの?」
そんな感じで、時々会話を挟みつつ出発の準備を整えた。
………………
………………
「じゃあ準備は良い?」
浩二さんの最終確認だ。何か忘れ物のないように。
「水もった?消毒液と包帯は?あと一応のお金も」
はじめてのお◯かい思い出したわ。みんなに言お。
「なんかはじめてのお◯かい難易度ベリーハードって感じで面白いよな」
「っっ!笑わすなよ!いま真剣モードなんだよ」
「良い余裕だね朱鷺くん。その調子でよろしくね」
了解っす。
「じゃあ朱鷺くん、タカシ、海斗くん、咲季ちゃん、滝くん。絶対に生きて帰ってきてくれ」
「本当に無茶すんなよ!特に朱鷺!無駄にカッコつけんなよ」
「父さんもぎっくり腰で死ぬとかダサいことしなきでね」
軽口を言い合う。これが最後になるかもしれないしね。そんな事はないと祈るけど。
「それじゃあいってらっしゃい」
僕たちは進む。その先に待ち受けるモノも知らず。ただ、白米のために。
「いってきます」




