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偉い人は言った。「自分を知らない奴は雑魚」

ランキングありがとうございます。


 ズルズル麺をすする。


 謎の再生力はエネルギーを消費したのか、お腹が空いた。なので腹を満たす。


 ペ◯ングうっめうっめ。


 「これからどうする?」


 「どうしようねー」


 「どうしよっか〜」


 どないしよかあ。何もすることあらへんなあ。


 「いや、マジでどうする?食料も無限じゃないし、この家が襲われない保証もないし鍛えるとかさ…」


 鍛える…ナイスアイディアだね!


 「じゃあそこの空き地でちょっと体動かす?剣とか斧もあるし。武器に慣れんと」


 という事で、少し休んだ後、体操着に着替え空き地に出た。


 メンバーは前衛系の僕、タカシ、まっちゃん父…剛さん。更にまっちゃん、まっちゃん兄…滝さん、親父、浩二さんの男組。

 

 母さんと咲季、タカシのお母さんは家の窓からこちらを眺めている。


 用意した武器は剣が2本、槍2本、斧2本の計6本。

 誰がどの武器を持つかはこれから決める。


 とりあえずは軽いストレッチ。この時点で父親組はひぃこら言っているので中々まずい状態だ。


 「や、やばい…くそっ!ビールが悪りぃよビールが!」


 我が父ながら情けない。だから運動しろって言ったのに。


 「お前は昔っからそうだったろ。高校の体育の時も一人だけ周回遅れで走ってたよなあ。懐かしい」


 「よくこんな息子が産まれたよな。恵さんの方の血が濃くてよかったよかった」


 3人は高校からの付き合いなんだったか。よくまあ今も仲良しだな。


 もう準備運動はいい頃かな。それじゃあそろそろ武器を振ってみてもらおう。


 「じゃあ浩二さん後は任せますね」


 「うん、分かった。朱鷺くんは?」


 「僕はちょっと自分の身体能力でも試してます」


 武器試しの進行は浩二さんに任せ、僕は自分の身体能力を試すことにする。

 今まで忙しくて自分がどんな事になっているのかも把握できてなかったからね。まあまあのストレス。

 

 それに孔子だかなんだか忘れたけど中国?の偉い人が言ってた。

 自分を知れば百戦錬磨。自分を知らない雑魚乙。


 何か違うけどいいか。たぶん大体は合ってる。


 「うおおー!覇王超絶斬ー!」


 「どりゃあぁぁあ!」


 あんま騒ぐな!魔物が来るじゃろがい!


 「大声は出さないように」


 ナイス浩二さん。町内会イケオジランキング2年連続3位は伊達じゃないぜ!


 集中しよう。割と命掛かってるから。全力のサバイバルなうだからね。


 まずは脚力から試していこうかな。差が分かりやすそうだし。


 初めに軽くしゃがんでジャンプ!…なかなかの高さ。40センチくらい行ったかな?平均が分からないけどまあまあ高いか?


 次は垂直跳び。腰を深めに下げて、腕を振るタイミングを見計らい、膝のバネを一気に伸ばす感じで…ジャンプ!


 「うひゃ」


 着地。かなーり高かった。1メートルは流石にないけどそれくらい高かった。助走をつけたらもっと行ける。


 やばい、楽しい。ただ跳ねてるだけなのに。こんな跳べると気持ちが良いモンすね。


 次はダッシュ。ステータスがなかった頃の速さは50メートル7秒前半くらいだったけど、今はどうかな?とはいえ今の魔物がいる可能性のある状況で50メートルも走るのは怖い。

 

 まあちょっとなら大丈夫か。そこの道を軽く走るだけ。一応魔物がいないからだけ確認。


 …おっけー。じゃあクラウチングスタートの体勢になって。

 あそこの電柱、大体30メートルくらい先まで。


 よーい、ドン!


 一歩、力強く踏み出す。地面を蹴る力が以前の比じゃない。

 二歩目、三歩目と加速していき、すぐにゴールの電柱まで到達する。


 時間測ってないから正確なタイムは分からないけど、多分めちゃくちゃ速くなった。なんかもう初速が違うわ。加速もヤバいし。


 今ならボ◯トにも負けない自信あるわ。


 ……やめとこ。


 てか、こんな事態になったけどボ◯ト元気かなあ。ボ◯トだけじゃなくて他の有名人も。みんな大変なんだろうなあ。これからどうなんのかなあ…。


 ま、何とかなるか!切り替えてこ!


 「ときりーん!見てたぞ!めちゃ速いじゃん!」


 「いや、それな。自分でもビビってるわ」


 マジで。テンションの波が狂うくらいには動揺してるわ。


 ……………


 そんなこんなで30分くらい経ち、一旦、全員集合した。


 「で、どうだった?何となく使いたい武器決まったか?」


 浩二さんがみんなに聞く。僕は何でも良いかなあ。あ、でもなんだかんだで斧が得意と言うか好きだな。骨を断つ時に一番安定感があるし。


 「いやあ〜、ちょっと、疲れて、それどころじゃ、ない」


 浩二さんは我が父には無慈悲。向けるのは感情が読み取れない無の眼!

 

 「うん。他の奴は?もう決まったか?」


 意見をまとめれば、もう少し時間が欲しいと言った所。確かにあまり一つの武器に時間をかけられなかった。

 それに命に関わる事だし、慎重なのは良い事だ。

 

 「ま、だよな。けど今日はもう武器は良いと思う。これからは筋トレでもしないか?」


 なるほど…?


 「筋トレっすか?」


 「殺す気なのか…?」


 「確かに、何事も基礎が出来てからだしな」


 「殺す気なんだな…?」

 

 それからは、親父の情けない声をBGMに、軽めの筋トレを30分程した。腕立て伏せ、腹筋、体幹、スクワット。

 もちろん、定期的に滝さんの索敵スキルや、目視で魔物が来ないか確認しながら行った。


 筋トレが終わった後はストレッチで体をほぐした。更に、咲季とタカシのお母さんの治癒師の能力を使い、治癒(マッサージ)を追加で受け、明日に備える。筋肉痛は割と洒落にならない。


 それからは疲れ果て動けない父親組を置いて若人五人でトランプやジェンガ、人生◯ームなどで遊んで時間を潰した。


 娯楽がないと人は病んでしまうからね。楽しまないとね。


 なんだかんだで余裕のある僕たちだった。


 だが、そう世界は甘くない。


 事件が起きた。


 なんと。


 ガスコンロのガスが切れた。


 のは、普通に焚き火して何とかなったけど。


 今夜。


 僕は人生初となる。


 夜襲(よばい)を受ける事になるのだった。


自分、そろそろヒロインいっすか?




次回、『淫魔、英雄の扉を開く』

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