動き出す■■
厨二パワー!ぜんッかいッ!
《アメリカ》
「なんなんだよアイツら!?」
「知るか!黙って逃げろ!」
アメリカでも、謎の生物が出現し人を襲っていた。
謎の生物は地獄から湧き出た悪魔であるという話もあるし、どこかの国の生物兵器だとか、神の怒りだとかそんな憶測に意味はない。人にとっての害、危険、敵である。それだけだ。
「逃げ回るだけじゃあ意味がねぇ!コイツらを殺すんだ!」
「はっ!ボケた老人だってまだマシなジョークを言うぜ…」
絶望するなと言う方が難しいだろう。何故なら彼らの前に現れた魔物は、次元が違った。
――GIYYAAAAA!!!
二十階建てのビルと同じ肌の背丈。
殺意溢れる二つの眼。
筋骨隆々、その腕はまるでトラックのように太く巨大だ。
手には五メートルはあろう棍棒を持っている。
ただ吠えただけで、ガラスは割れ、戦意は挫ける。
そんな生き物が、目につくだけで五十は超える数。
勝てるわけがない、人にどうにかできる相手ではない、それを理解していた。
「最後にマリアと…あi」
■に分類される魔物、巨人。
巨人の棍棒による一振りは、都市を破壊し、人を潰した。
蹂躙が始まる。
アメリカに残された希望は38騎。
選ばれし超越者。世界を開拓者。
英雄。
――全てが超巨大 アメリカ
《中国》
「やめて…助けて…」
「何なんだよお前らは!こんな事して楽しいのか!?」
――楽しい
――楽しいね
――足りない…もっと欲しい…
人を襲うのは異形。彼らに決まった形は無いらしく、同じ見た目の個体はいない。
頭部が豚で身体は人に近いがモノ。
人の腕を生やしたパンダに近いモノ。
血を啜るモノ。肉を喰らうモノ。
痛めつけ、苦しめ、愉悦を得るモノ。
彼らは形は違えど、人を殺す本能は同じであった。
■に並ぶ魔物、鬼。
生まれ持った残虐性を余さず発揮する悪鬼。
中国に残された希望は46騎。
選ばれし超越者。世界の理を知る者。
英雄。
――魑魅魍魎蔓延ル魔境 中国
《ロシア》
白。白。白。
辺り一面雪が積もっている。空は雲で覆われて太陽は見えない。吹雪で先を見ることは叶わない。
「寒いよぉ…ママぁ…ママ?」
雪は紅に染まっている。血生臭い紅色に。
――UWOOON!
遠吠えが聞こえる。
人には理解できないが、コレは狩りの始まりを意味する遠吠えだ。
彼らは狩人、人を狩るモノ。
血と肉を求める飢えた獣。
雪を操り、共に現れるモノ。
■さえ狩る魔物、穢獣。
白き獣。白き悪魔。白き虐殺者。
ロシアに残された希望は21騎。
選ばれし超越者。世界と共に生きる者。
英雄。
――凍る大地の狩人たち ロシア
《イギリス》
「なぁに?急に暗くなっ…て」
「オイ、空見てみろよ!何か飛んでるぜ!」
そのナニカは遥か高き空を飛ぶにも関わらず、日に照らされ生まれた影は街を覆う。
否、街を覆うのは影ではない。
魔法である。
――蟻のように増えたの、ニンゲン。
――有り難く、頂くとしよう。
『■■■・■■■■・■■■■』
『■■■■』
その街の人間が最後に耳にしたのは、理解のできぬ言語。
その街の人間が最後に目にしたのは、闇に呑まれていく世界。
封印より解き放たれたモノ。
世界を喰らうモノ。
闇の主、闇の王、闇そのもの。
■さえ喰らう魔物、竜。
イギリスに残された希望は8騎。
選ばれし超越者。世界を彩る者。
英雄。
――邪竜災害警戒区域 イギリス
人の手の届かぬ世界の■■は未だ動かず。
――天空祭壇城 エデン
――旧き神眠る深淵都市 ルルイエ
海外ニキ、ネキたちも頑張ってるよ!
ジャパーンもがんば!