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英雄たち


 終末世界攻略サイト(日本)。そう日本。どうやらこのサイトを利用できるのは日本国内の人間だけらしい。そう簡単に海外の情報は教えてくれないらしい。

 

 海外と遣り取りは出来ないが、国内は《トーク》という機能を使えば他の使用者と文字だけではあるがある程度情報が交換できる…らしい。

 このトークはまあ言ってしまえば、画像も動画も載せられない掲示板みたいなもの、だろうか。

 

 トークは後で使ってみるとして、他の機能を見ていこう。


 他には、《トレード》、《ショップ》、《質問》などがある。


 特に気になるのはショップと質問の二つだな。


 まずショップを開いてみたが、ネット通販みたいな感じだ。

 水や保存の効く食材、服や布団に携帯トイレまで、様々な物が購入できる。

 

 魔石で。


 やはりというか、円などの通貨は使えず、魔石しか使えない。ちなみに魔石一つで飲料水二リットルや、一食分のレーション?のような物購入できる。

 

 まあ水は生命活動に不可欠だからボッタクリな気もするが我慢しよう。食料もね。

 買えるだけありがたいと思おう。もしショップ機能がなかったら命懸けで川に水を汲みに行く事になってたかもしれないしね。ウン。


 じゃあ次は質問機能を見よう。


 「ン〜?ン??」

 

――――――――――――――――――――――――「ようこそ!私の質問コーナーに来てくれてありがとう!」


「まず、質問機能について説明するね!」


「質問機能って言うのは、魔石一つで私、()()()()()()()が質問に一つ答える機能だよ!」


「すごいでしょ!」


※質問の内容によっては答えることができない場合があります。

――――――――――――――――――――――――


 マジ?本当に女神?神さま?

 

 これがただのゲームだったら「あーそういう設定ね」で流してたよ。けどさあ、今はマジで魔物だのステータスだの見れちゃってる訳じゃん。


 神が存在してんのか?だとしたら少なくとも叡智の神だかなんだがだけじゃねぇよな。

 

 …ダメだな。情報が少なくて判断がつかない。取り敢えず何か質問してみるか?

 

 でも魔石一つも使うんだよなあ。今持ってるのは15個くらいだっけ?武器も作りたいしショップで買い物もしてみたいし、悩むな。

 今すぐ知らないと死ぬ、みたいな物も思いつかないし、大丈夫か。


 それじゃあトーク機能を使ってみようか。


 えーと、まず。トークには二種類あって、フリートークとキートークがある。文字通りフリーは自由、キーは鍵って事だろう。

 

 フリートークは好きなように「部屋」を作ることができ、誰でも、何人でも、そこを覗いたり会話ができるらしい。

 

 逆にキートークは「部屋」に参加できる条件を決めておくことができるらしい。その条件はレベルや職業(ジョブ)にスキルなどがある。


 今のところキートークの部屋は建てられておらず、フリートークの部屋が一つだけあるので、そこに参加してみる。


――――――――――――――――――――――――

《水柳さんが入室しました》


 田中:お、新しい人きた


 牧原:これで5人目?


 護創院:いきなりで申し訳ないが、職業(ジョブ)とレベル、今いる県を教えてもらっても?

 

 水柳:レベルは7で職業は狂戦士、今いるのは新潟です


 牧原:7!


 田中:おぉー。虎屋さんと同じくらいじゃん


 水柳:あの、これ名前変えられないんですか?皆さんも本名ですよね?


 護創院:今のところ変える方法はない


 田中:まあ名前は気にしたら負け。それよりどんなバケモンと戦った?


 水柳:ゴブリンで伝わりますか?緑色の小5くらいの身長の臭いヤツ

 

 牧原:やっぱ何処にでもいるっぽいな。他には?


 水柳:大きいゴブリンと灰色の犬みたいなヤツです。


 護創院:京都も大体同じだ。他にもバランスボールくらい大きいダンゴムシもいるが


 牧原:広島は動くガイコツもいるぞ


 田中:北海道はマンタが空を飛んでます^ ^


 水柳:どこもヤバいっすね


 田中:特に東京は地獄らしいよ。車くらいある肉の塊とか高速移動するイソギンチャクとか


 護創院:話は変わるが、水柳さん。貴方は英雄のスキルを持っているかな?


 水柳:まあ持ってますけど…護創院さんも?


 牧原:やっぱりな〜。今のとこ全員持ってるよ〜


 護創院:アビリティは知っているかな?


 水柳:はい。ってことは皆さんも…


 田中:持ってるね


 牧原:持ってるよ


 護創院:これで英雄は5人。残り12人だな。


 水柳:12人?


 護創院:夢で知らされただろう?日本の英雄は17騎だと。


 水柳:ああ〜言ってましたねそう言えば


 田中:そろそろ1時間経つから終わるわ。みんな死ぬなよ!


 牧原:じゃあ俺も!頑張ってな〜


 護創院:ああ。お疲れ様だ


 水柳:お疲れ様です。頑張りましょう


《田中さんが退室しました》

《牧原さんが退室しました》


 護創院:二人はいないが、私たちの職業を教えよう。私は軍師の職業。田中くんは剣士、牧原くんは魔術師だ。


 水柳:軍師なんてのもあるんですね!ところで質問なんですけど、質問機能ってもう使いました?


 護創院:ああ、使った。


 水柳:ちなみに何て質問をしたんですか?


 護創院:()()()()()()()()()と質問した。


 水柳:それで、答えは?


 護創院:()()()()()との事だ。()()()使()()()も、全て。


 水柳:神に竜ですか…殺せるんですかね?


 護創院:殺せるさ。私たちは英雄なのだから


 水柳:なんか、カッコいいですね。


 護創院:カッコつけたからね…すまないが私もそろそろ終わりにするよ。水柳くんも頑張ってくれ


 水柳:はい。護創院さんも


《護創院さんが退室しました》

《水柳さんが退室しました》

――――――――――――――――――――――――


 「英雄…ね」


 僕が世界を救えるとは思っていない。けど、たくさんの人が、英雄たちが力を合わせて戦えば…


 「まず、昼飯食べよ」


 腹が減っては戦はできぬ。コレはマジ。


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― 新着の感想 ―
[一言] 英雄ってノーマル職の人もなるんですか? ママも魔術師でしたけど
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