表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/58

休息とスキルに、終末なんちゃらサイト


 「たでぇーまー……おかえりって言ってぇー」


 やっと、帰ってきた。ヤバイ疲れた。なんで四回も敵と遭遇するの…?レベルも上がっちゃったよ?殺す気なの…?殺す気だったわ。


 「どうした朱鷺?そんな疲れたのか?」


 「当たり前じゃん!何回殺し合いしたと思ってん!?もっと息子のこと心配して!?」


 父さんはケロッとした顔で言う。


 「いや、すまん。暇だったから漫画読んでたらめっちゃハマってさ」


 「クソがっ!」

 

 母さんと咲季にさっさと入れと怒られたので、玄関を上がる。

 リビングには沢山の漫画が積み上げてあって、楽しんでいたことがよく分かる。


 マジでどうなってんだこの家…なに平然と寛いでんだよ…人が必死にレベル上げしてるのに…


 「おかえりー。どうだった?何か持って帰ってきた?」


 「適応が早すぎるでしょ…そこはもっと兄ちゃんを心配しよ?サイコパスなの?」

 

 「何も持って帰って来てないの?役立たずじゃん」


 リュックからキウイフルーツを取り出して投げつけた。人の心が無い妹には贅沢なモンだけどな!


 「はあ…まあ良いや。今日だけだから、こんなゆっくりしてられんのは。明日から母さんは僕と一緒にレベル上げだから」


 「えぇー?本当にやるのー?」


 「やるんだよ!もっとやる気出してよ!命懸かってンですけど!」


 「そんな怒らないでよー。ちゃんとするからー」

 

 クソがああああ!反抗期再来だぞ!?息子がこんな頑張ってんのによぉ!うぎゃあああ!


 「まあ落ち着けよ朱鷺。一緒にハン◯ーハン◯ー読もうぜ?」


 「いいですぅ!ステータス見てますぅ!僕は皆さんと違ってレベルが上がったんですぅ!」


 ステータスと呟くと、今まで通りホログラムの様に目の前に画面が現れた。


――――――――――――――――――――――――

水柳 朱鷺  職業ジョブ:狂戦士  レベル:7(↑3)

             身体状態:通常  

             精神状態:通常


生命力:160(↑30)

持久力:110(↑30)

魔力:55(↑15)


筋力:40(↑15)

技量:23(↑9)

敏捷:23(↑9)

耐久力:40(↑15)

精神力:23(↑9)

知力:23(↑9)


――――――――――スキル―――――――――――


狂戦精神 バーサーク 生命力強化 身体能力強化


英雄 斧術 剣術(new) [  ]

――――――――――アビリティ―――――――――


生存本能 闘争本能


――――――――――――――――――――――――


 たまんねぇ〜!これだよコレ!疲れが全部吹っ飛ぶくらい気持ちいいわ!

 この一気に上がったステータスを見るのが最高の癒しだよ。アニマルセラピーと同じようなモンか。


 …違うな。まあ良い!


 まず、この新しく習得した剣術のスキル!覚えるの速いなァ〜。まっちゃん風に言えばチートになるのか?比べてみないと分からないよなあ、これで他の人も同じくらいだったら恥ずいわ。

 それと、このスキルにある空欄は自分で獲得できるスキルを選べるってことだろう。


 空欄をタップしてみる。指はステータス画面を捉える事なく通り過ぎたが、操作自体は出来ているらしく、画面が変化した。


――――――――――――――――――――――――

 《獲得可能なスキル一覧》

・筋力強化 ・技量強化 ・敏捷強化 ・耐久力強化


・精神力強化 ・知力強化 ・持久力強化 ・魔力強化


・五感強化 ・身体制御 ・身体操作 ・二刀流 

……………………………………………………………

――――――――――――――――――――――――


 多くね?何か普通は三択とかじゃ無いの?少なくとも20個はあるけど…?

 あんまり悩むのは好きじゃないけど、テキトーに選んで後悔しながら死ぬとか嫌だしな…


 「なあ朱鷺、やっぱ最強はメ「ちょっと黙っててもらって良いですかー?」


 切り替えていこう、今後を決める大事な決断だぞ。あ、でも今すぐ決める必要も無いのか?

 でもなあ、早めに習得して慣れておきたいよなあ。いきなり使いこなすとか無理だし…


 「お兄ちゃん、キウイ追加で!」


 真顔になった。


 「見てみて!お兄ちゃんの顔ウケる!」


 「コレはイライラするけど怒りたくないから我慢してる時の顔ね」


 「おぉー、久しぶりにみたなぁ」


 黙って二階にある自分の部屋は移動した。最初からこうしてれば良かったな。


 「はぁー」


 服を脱いでパンツ一丁になると、ベットに寝転んだ。

 カーテンの閉めてある窓を見ると、高校のクラスで撮った集合写真や、タカシとまっちゃんと撮った写真が飾られている。


 抱いたのは懐かしいという感情では無い。寂しいでも、悲しいでも、不安でも無い。


 怒りだ。


 幸せな、何でもない日常が奪われたことが、何よりも腹立たしい。


 父さんは日曜日の特撮を楽しみにしていた。母さんはショッピングを、咲季は友達と遊ぶ筈だった。

 タカシは部活があった。まっちゃんは…多分アニメを見る筈だった。

 クラスの奴らも、先輩も後輩も、先生も。


 世界中の人間が日常を奪われた。 


 「奪い返す。ついでに、こんな事にしやがったヤツから何か奪ってやる」


 金、地位、自由、尊厳、命。何でも良い。


 そして、奪うには強くなるしかない訳だ。


 「終末世界攻略サイト…?を利用する」


 名前長ぇんだわ。合ってるよね?記憶が曖昧なんだけど…


 「お」

 ■―――――――――――――――――――――――

《終末世界攻略サイト(日本)にようこそ!》

《本サイトの利用者は貴方で五人目です!》

《少ない!》


《本サイトでは、他の生存者との情報交換や、武器・物資のトレードなど、沢山の機能が利用出来ます!》

《是非、これからの攻略にお役立て下さい!》

《尚、本サイトの利用は一時間につき魔石が一つ必要になります。ご注意下さい》

―――――――――――――――――――――――■

 

 初っ端から煽られたり、かなり良さそうな機能も使えるみたいだけど、置いておいて、さ。


 「(魔石)取るのかよ!」


 いや、きっとそれだけ素晴らしいサービスを受けれるんだろうけどさ、厳しくない?

 魔石って三つで武器作れるんだよ?なのにこのサイト一時間で一つ?三時間で武器一だよ?

 情報は大事だけどさぁ、それよりも身の安全を確保したくないか?


 まあ良いや。取り敢えず使ってみようか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ