5、尻子玉を抜かれていた頃~2~
…私はシリコダマというのを抜かれている??
そもそもシリコダマってのが私の中にあったのか??
響きからして、尻にあるんだろう。小さい玉が。
―その…しりこだまって言うんですか(恥ずかしい)、それ、何なんですか?
「人の気が集まっている球状の気の玉です」
―は、はあ…。
「どこか、水の近く、池とか川の近くでおかしな感じになったとき、ありませんでしたか?」
―池…いや、ないですねぇ……あ。
「あります?なんか違和感感じたようなこと?」
―ある…。ありました、川の上の橋で。めまいがして歩けなくなった。
「ああ~。それですね。そこで抜かれてますね、尻小玉」
―えええええ!?
「間違いないです。それからじゃないですか、なんか変わったの」
―確かに…。って、え?ほんとなんですか?しりこだま(恥ずかしい)っていうの?
「本当です。河童に持っていかれてます。どこかの龍のところに持って行ってます」
―かっぱ…りゅう…
「ホウライ様、どうして私みたまを選ばれたのですか?」
―あ、それはシャンバラのサイトで今電話できるのがみたまさんだけだったからです。
「縁ですね。ご縁が結ばれました。今サイト見たら、二十人は空いています。たまたまホウライ様が見たとき、みたまだけが空いているように表示されたのでしょう」
―え、そうなんですか?(もしかしてもう少し待って他の人にすれば良かったのか?)
「ともかく、心身の不調の原因はわかりましたね。解決策は簡単です。尻小玉を取り戻せばいいのです」
―その、龍から取り戻すんですか?
「はい」
―どうやって?
「それはこのトライアルの時間内で説明は無理ですね。でもホウライ様、すこし回復されていませんか?」
―ええまあ、あまりに突飛な話で、なんか吹っ飛びました。
「しばらく凌いでみてください。またタイミングが来たら私みたまとコンタクトを取ることになるでしょうから」
―はあ…
「ああ、もうすぐ切れてしまいます。エナジーエッセンスというのをネットで検索して、それでなんとか頑張ってみてください。いいですか、エナジーエッセンスですよ」
―エナジーエッセンス…
「それから、取り急ぎあなたがすることを手短にお伝えします」
みたまさんは、何点か私に告げた。
「ではまたご縁がありましたらお話ししましょう」
―あっあのっ!
~シタールの演奏~
お電話ありがとうございました。またの機会をお待ちしております。
ええっ!?
こ、これで終わり??
河童に龍にシリコダマ???
電話カウンセリングってこんなんだっけ??
…と言いつつ、動悸も息切れもすっかり忘れ、会社へ戻る道すがらみたまさんに言われたことを急いでスマホにメモする私だった。